- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104308026
感想・レビュー・書評
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火村×アリス。手違いで行くはずの島とは違った孤島に辿り着いた二人。その絶海の孤島に、謎のIT長者などさまざまな怪しげな人たちが集まってくる。島に来た目的など明かされていくのが面白かった。
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はじめのひとピースだけ濁っている感じがしたけれども、やはり鮮やか。最後まで読み進めさせられる筆の力を感じる。
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読了日2010/06
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警察からの依頼を受けて捜査するパターンでなく、2人が間違って送迎された孤島で事件に巻き込まれるタイプのストーリー。
思った以上に壮大なテーマのお話でビビった。
携帯電話も圏外で、固定電話も繋がらなくて、迎えの船が明後日まで来ない、ていうだけで、私だったら底なしに不安だけど、そんな状況で殺人事件とか、現実だったらもうホント堪えられないよなぁ。 -
本格ミステリで評価が高かった本だけど、少し冗長だったかな。好きなシリーズではあるけど秘密が見えちゃったのも今ひとつ。
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シリーズを追って読んでいる本。
孤島もの。なんだか知っている引用が多かった。
ミステリって思わせぶりで、長編だと集中を持続するのが結構難しい。 -
随分前に読んだはずなのだが,,,覚えていなかった(^-^(^-^;
うっすら覚えていたのと違うので、それは違う話なのかなー
話はやっぱ面白かった。火村が言ってた通り、ありふれた事件、だけど奇妙な事件。虚しさの残るお話だね。 -
その昔大学生シリーズの最初のほうをいくつか読んで、関西弁にウヘァとなって挫折した有栖川氏。時代が変わったのか、今回はそんなに気にならなかったです…そう、関西人だからって、いつもいっつもベッタベタのしゃべりかたしてるってことはないねんで…!
冒頭から、男2人の道行きが面白い。さらに「嵐の孤島」シチュの作りかたが相当にユニークで、ユーモラスで、なのに自然でとてもよかった。自分がいざその年齢になってみると、齢34でこんな落ち着いた男がいるか…? とも思わせられるが、そのへんのリアリティはともかく、付かず離れずのこの関係は確かに萌える。そうそう、ふつーでいいんですよ、ふつーにしてるふつーの男2人で!!
上記理由で有栖川氏はあまり読んでおらず、もっぱらアンソロジーが多かったのだが、読後感はそれらと変わらずとにかく「安定、安心」。基本を押さえてカッチリ真面目に作られた本格で、むだにエグいとかゲスいとかグロいとか厨二とかいった部分がなく、上品でマイルド。いろんなものがどんどん過激になるご時世だが、こういうものも確実に需要があるはずだ。地味と言えば地味なのかもしれないけれど、これはおそらく有栖川氏の「芸風」ではなく「持ち味」なのだろう。狙って出せるわけではないこの品格は、本当に貴重なものだと思う。
殺人事件よりも大きな謎が全編に渡って横たわるが、そちらが遅々として解明されないので、やや中だるみ感がなくもない。「何もない」って…どー見てもそんなわけないやろふざけんな! と、作中人物のアリスではないが怒鳴りたくなった。ただ、このもやもやした展開も作品の詩的・幻想的な雰囲気づくりに一役買っていることはわかる。そこのところは本当にすばらしい。火村も言っているとおり、事件自体はありふれたものなのだが、この島のこの館で起きたがゆえに特別な彩を帯びることとなった。
動機が弱いという声が散見されるが、個人的にはそうは思わなかった。伏線も示されているし、何よりそれこそ「ありふれた」動機ではないか。一つ確かめておきたいのは——「そんなくらいで殺すかー?」という言葉は、犯人と動機人物が共有する「ある属性」ゆえに出たものではないのか? ということだ。もしもこれが逆だったなら、「うんうんそりゃー殺したくなるよね! そーゆー事件いっぱいあるし!」となっていたのではないのか…と、一抹の不安が拭えなかった。
2016/2/4読了 -
再読。
やっぱり孤島もの、そして旅はいい……
そして火村シリーズは長編が好き。
事件の動機そのものも方法も、特にこれといった特徴はないけれど、やはりなんといってもここに集まった人々を覆う哀しさのようなもの。
哀れを誘うほどの美意識。
これがよかった……
著者本人の好きな小説や映画へのオマージュもほどよくいい感じ。
二番目の被害者と一番目の被害者の間にある利害関係には「なるほどぉ」と唸った。
外部との連絡が絶たれた状態にいるということで、そういう利益があるんだな~と。
キャッチボールな火村センセェとアリスセンセはサービスですね。ありがとうございます。 -
事件が起こるまでにかなりのページを費やしているため、序盤はかなり退屈な話です。また、難しい漢字や言葉が数多く使われている上に、他の小説の引用などを用いているのですが全く知らない小説が多く、私にはかなり敷居が高い小説でした。この作家の本を読むにはかなり勉強が必要だと思いましたので、読むことは、モウニドトナイと思います。
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火村・有栖川シリーズの7作目。これはクリスティを彷彿とさせる感じですね。
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命の洗濯をするべく、火村と有栖川は小旅行に出ることになった。しかし手違いにより、当初予定していた島とは違う島に連れて行かれてしまう。そこは廃村、人はほとんど住んでおらず、唯一人が住む屋敷は、著名なSF作家である海老原瞬が別荘として持っている屋敷だった。帰る手段のない火村と有栖川は海老原の好意によりその屋敷に滞在することになる。屋敷には人々が集っており、何かの会合が開かれるようだった。集まった人々の本当の目的も分からぬまま、ある人物が凄惨な姿で発見されてしまった。
孤島もの。私にとって初めての火村シリーズ長編で、まずまず面白かったけど、終わりにかけてがあっさりしすぎててもったいなかったなあ。特に動機が唐突で、これまでがんばって読んできた話はどこいっちゃったのという感じ。 -
2015/02/01 再読
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クローンの事とか、ミダスタッチの事とか、初めて知ることがいっぱいあった。
長編小説を一本書くためには、色々な事を知らなくちゃいけないんだな……。
……幼子と触れ合う、火村・アリスコンビが可愛いです。なんなの、この三十歳代たち。