乱鴉の島

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104308026

感想・レビュー・書評

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  • 「ーーーもしかしたら、ここには一つや二つの秘密があるのかもしれません。でも、それはとても小さなものです。」


    私の中で作家アリスブームがきているので、こちらも再読。
    いつもとは違って、火村とアリスが邪魔者扱いされてしまう中での謎解きなので、2年前に読んだきりだけどすごく印象に残っていた。

    ミステリの定番、孤島でのクローズド・サークルだけど、殺人事件の他にも、最初から最後までずっとついて回る謎がある。だからこそ、二重で面白い。

    そして何より、火村とアリスが周りに敵視されてしまう、いつもとは違う状況が大きいかなと思う。
    当然、火村もアリスも負けておらず、容疑者たちを煽って追及するのだけど。
    いつも柔らかいイメージのアリスが感情的になると、読んでいてハラハラしてしまった。
    火村はどんな状況でもいつも通り、冷静沈着で格好よかった。

    いつもと違うと言えば、火村とアリスの子守りの様子が書かれていたのも面白かった。
    アリスはまだしも、火村が子どもが好きそうなところが意外。

    事件の真相は悲しいのだけど、火村とアリスの知らなかった一面が見られるこの物語、かなり好き。


    2022.1.31 読了(再読)

  • 火村×アリス。手違いで行くはずの島とは違った孤島に辿り着いた二人。その絶海の孤島に、謎のIT長者などさまざまな怪しげな人たちが集まってくる。島に来た目的など明かされていくのが面白かった。

  • 火村シリーズの孤島もの。この本を読む前に違う人の孤島ものを読んでいたせいか、つい比べてしまいました。トリックや動機などは今いち微妙(私的には)なのに、なんというか、謎ときまでの流れがすごく”読ませる”というか本当に流れるように持っていかれました。これが文章力ってやつなのか。設定が微妙でもすごく面白く読めるのがすごいとあらためて感服。あとひとつ気になったのは、作中に登場するポーの「大鴉」の挿絵がギュスターブ・モローだったこと。モロー好きなのでどんな絵なのか探してみましたがわかりませんでした。ギュスターブ・ドレの挿絵ばかり検索にひっかかって。架空の設定なのか気になる…。

  •  図書館で有栖川有栖を渉猟する。文庫を借り、ノベルスを借り、ついにハードカバー。病膏肓。
     孤島の殺人事件なら、迷信や因襲に囚われた島民が出てくるものかと思いきや、大違い。
     最初の事件が起きるまで、しばしば退屈するものだが、本書はIT長者が舞い降りたり、孤高の作家や幼い読者との遭遇にアリスが舞い上がったりして、興味が途切れない。星5つを贈る気満々で読み進める。
     解決編で鼻白む。真犯人を絞り込む手掛かりが乏しい上、第一の殺人の動機が弱い(第二の殺人の動機は納得)。
     なお、過保護なまでに可愛がられている少年と少女は、実際に作家とその愛妻のクローンにした方が、関係者の願いが解りやすくなると思う。しかし、それではSFか。

  • 孤島もの。久しぶりの長編シリーズです。島を間違えてしまい、みんなからそんな馬鹿な事が…とか、ありえないとか言われてる有栖川が面白い。事件が起こるまで結構長かったけど動き出すと夢中で読みました。一瞬を生きる哀しみと苦しみは、一瞬を生きる幸せと喜びを保証してくれる。この言葉が好きです。まわりのものがいとおしく感じる。

  • はじめのひとピースだけ濁っている感じがしたけれども、やはり鮮やか。最後まで読み進めさせられる筆の力を感じる。

  • 読了日2010/06

  •  警察からの依頼を受けて捜査するパターンでなく、2人が間違って送迎された孤島で事件に巻き込まれるタイプのストーリー。
     思った以上に壮大なテーマのお話でビビった。

     携帯電話も圏外で、固定電話も繋がらなくて、迎えの船が明後日まで来ない、ていうだけで、私だったら底なしに不安だけど、そんな状況で殺人事件とか、現実だったらもうホント堪えられないよなぁ。

  • 本格ミステリで評価が高かった本だけど、少し冗長だったかな。好きなシリーズではあるけど秘密が見えちゃったのも今ひとつ。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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