血族の王―松下幸之助とナショナルの世紀

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104325023

作品紹介・あらすじ

故郷への思慕、父の没落と家名再興、身内への恩讐、そしてスキャンダル…。30万人を擁する家電王国に君臨し、「神様」とまで崇められた経営者。数多の神話に彩られた、94年の生涯を丹念に追う。昭和という時代に自らのアイデンティティを重ね、その終焉とともに鬼籍に入った男の生き様とは?幸之助評伝の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 言わずとしれた松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助。
    本書は題名から分かるように松下幸之助をテーマに書かれた本です。

    既に類書は山のようにありますが、本書は極力、松下電器とPHP研究所の協力を仰がず、また1次資料の調査も行いながら書かれたという点において一読する価値は十分にあると思います。


    本書の内容を簡単に纏めると、

    米相場にのめり込んだ父が生家の身代を食いつぶし、追われるように故郷を出てきた松下幸之助の幼少時代から始まり、その後、様々な危機を乗り越えながら松下電器を発展させるも、やがて彼がグループの"老害"と化していった様子が書かれていました。


    本書の中で特に興味深かった点を以下にピックアップすると、

    松下幸之助は戦後の財界パージを逃れる為、アメリカに人脈の多かった野村吉三郎元海軍大将から情報を得て対策を練った事。

    GHQ内部の親中国派による処罰的な側面のある"日本解体"政策とそれによる日本の弱体化(と共産主義浸透)を憂慮したアメリカ国内の知日派の巻き返し。

    アメリカの知日派と連携した野村元海軍大将の動き。

    日本を防共の盾にする為、日本国内にテレビ放送網を整備しようとするアメリカの動きに乗る形で松下電器がテレビ事業に進出し、成功を収めた事。

    等でしょうか。

    #松下幸之助をテーマにした類書を全て読んだ訳ではありませんが、野村元海軍大将を軸に書かれた内容は、本書独自のものかも知れませんね。


    幼い頃、貧しさ故に家族の離散を味わった松下幸之助。
    彼にとって松下電器とは、家族の再建を象徴する物であり、また自己の存在意義そのもので有ったと言う事。

    そして、その松下電器を松下家の物にしようとするも世襲に失敗し、松下家の将来の安寧を確信する前に死を迎えた事。

    義弟・井植歳男が創業し、世襲に成功した三洋電機は経営が行き詰まり、世襲に失敗したパナソニックに吸収された事。

    そのパナソニックも大幅な赤字により、大規模な事業構造改革に乗り出した事。


    この様な事を考えると、本書を読み終わった今、「時代の変化はどの様な人の想いでも容赦なく飲み込んでいく」と思わずにはいられないと言った所です。

    本書は松下幸之助の人生を描いた本ですが、彼の人生を通して松下幸之助と同じ時代を生きた日本人や日本社会の姿が描き出されている本でもありました。

    松下幸之助に興味のある方は勿論、彼と同じ時代の日本がどの様な社会であったかと言う事に興味をお持ちの方にもおすすめです。

    一読されてみては如何でしょうか。

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  • 松下幸之助。パナソニックの前身、松下電器産業の創立者。晩年はPHP研究所や松下政経塾などで若者たちの教育にも力を注ぎ、経営の神様と称される。経営について多くの名言を残したことでも知られる。

    と、そんな幸之助の数々の美談は脇におき、本書が取り上げる中心は、松下一族のゴシップネタだ。

    幸之助は松下電器の世襲にこだわったが、孫を社長にすることはできなかったこと。幸之助には妾と隠し子がいたこと。創業の協力者であった義理の弟、井植歳男が松下電器を去り、三菱電機を創業したこと。加えて、対三菱電機、対ダイエー、対ソニーなど、数多くの対立を経たこと。

    「経営の神様」も、1人の人間。ドロドロとした修羅場を乗り越え、人を踏み越えてきたのだ。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。また、同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿社会保険庁を解体せよ」によって文藝春秋読者賞を受賞した。他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』(新潮文庫)、『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(新潮社)、『新聞が面白くない理由』(講談社文庫)、『パナソニック人事抗争史』(講談社プラスアルファ文庫)などがある。

「2020年 『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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