血族の王: 松下幸之助とナショナルの世紀

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104325023

感想・レビュー・書評

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  • 『感想』
    〇松下幸之助氏と彼が生きた時代について語られている。

    〇この本は松下氏本人や松下グループとは関係のない人が資料や証言を集めたもので、氏を貶めることを目的としたものではなく、かといって真実は隠さないという姿勢を感じることができる。これは関係者が読んでもそこまで嫌な気はしないのではないか。

    〇松下幸之助の名言といった本も読んできたけれど、この本を読んだうえでもう一度聞くと、また違った味わいがあるんだろう。

    〇経営の神様(これ自分で言っていたんだ)であっても、やっぱり人間の感情や欲はあるんだな。それがかえって親しみを感じる。もちろん、その結果損をした人はいるわけだが。

    〇1人があまりに力を持っていると、その人に好かれることが出世につながってしまうのが現実で、でもどうしようもない。逆に自分に力があったら、最後は感情を切り捨て能力で選べるかって言ったら無理だからな。

    〇自分の仕事に関して考えると、仕事に貢献できる能力はもちろん高めているつもりだ。でもそれと同時に人間性も高めなければと今更ながら思う。あとは巡り合わせ。これは偶然性だけを考えた運がいい悪いだけではなく、どれだけ自分が運を引き寄せる力があるか。幸運に変える力があるか。自分の努力を見ていてくれる人は必ずいるわけで、腐ってはいけない。また自分も人の良いところを見つける努力が必要だと思う。

著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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