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著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104326044

感想・レビュー・書評

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  • 福島第一原発の、特に3号機の冷却に立ち向かった自衛隊や、発災直後に沿岸部への道路を切り開いた国交省東北地方整備局など、災害復旧・援助のために戦った人たちの物語。
    被災直後の、住民の話を書いている本は多いが、こういったお役所がどう対応したかという本は少ないのでなかなか貴重な話だった。
    福島第一原発の対応は、情報が錯綜し、政府も対応が後手に回り、東電もまったく危機管理ができておらず、結果現場に入った自衛隊等が一番苦労するという大変な状況だったというのがよく分かる。一方で、東北地方整備局がいかに道路を「啓開」したかということは好意的に描かれている。たしかに、災害が起きたときにまずすべきことは「救助」だが、その救助のためのアクセスの確保というのはさらに早くしなければならないことで、実は影のヒーローなんじゃないかとまで思った。なかなか取り上げられることはないが、こうしたインフラを支える人たちは偉い。

  • 情報の開示、伝達そして決断が重要。

  • 東日本大震災発生時に、決してメディアでは報じられることのない「無名戦士」が数多くいたことを、詳細に教えてくれました。

    この本に描かれている全てが事実だとは思わない(信じたくない?)けど、東日本各地で、決死の覚悟で戦っていた無名戦士がいたことは、決して忘れないようにしたい。

  • 燃料プールの正確な位置が知りたいと詰め寄ると、東京電力社員は、「なら、代わりに??工業に、放水、やらせますかぁ」と軽くいってのけた。
    国土交通大臣大畠章宏 決断が早い すべてまかず、国の代表とおもってあらゆることをやってくれ
    活躍した部隊 施設部隊 部隊が進軍するための道路を作ったり、橋を架けたりする専門職種
    隠れたヒーロー 需品科 燃料の確保 軽油、航空燃料、ドラム缶とタンクローリーの不足
    任務終了後の解除ミーティングが効果的だった 
    部隊ごとに指揮官が全員を集め、辛かったこと、悩んだこと、その本音を語らせる そうすることで、作戦中の精神状態をオフにして、日常にもどれるはずだ。また一人にさせないことも重要だ。
    カウンセリング 異状が出現した隊員を見つければ、さっそくケアをはじめる。まっさきに行うのが喋らせること。自分の悩みや恐怖感をそのまま吐き出させることだ。普通なら口に出せない弱音も、”恥ずかしいことじゃない”と口を開かせる。また同じ症状の隊員たちを集め、同じ悩みや苦悩を仲間にも知らせる
    重要なのは、そのカウンセリングを施すことなく、すぐ現場から外さないことだ。もし安易に現場から外すと、その隊員はもはや社会に復帰できなくなる可能性がある。辛いことから逃げれば楽になることを知ってしまうと、社会生活でも常に逃げることを考えてしまうからです。
    危機管理において最大のリソースは人である

  • 「東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録」とのことだけど、現場のリアルな状況を受け入れ、それでも使命感を持って己の任務を全うした人たちの活躍は、もっと賞賛されるべきだと思う。

    困難に立ち向かう時、、人として、指揮官として、組織として、何をすべきで何をしてはいけないのかをこの本は教えてくれる。

  • ⒊11の復興に当たった担当者達の記録。
    取材を重ね、手早く仕上げたのは、評価。
    文章は・・・。

  • 麻生幾さんがドキュメンタリー?っていう意外感満載で読みはじめましたが、仕事柄かなり引き込まれました。特に第二部はご本人にもお話を伺ったので、非常に臨場感がありました。

  • まさに記録としての本だと思う。

    そのため、記述はとても淡々としている。
    それから、いろんなエピソードが列挙されているので、
    やや、散漫になっている印象が否めない。

    もちろん、これだけの情報を取材するのは並大抵ではないのだろうが。

  • 震災発生直後から動き出した自衛隊、警察、消防、医師、土建屋などなどが、救命や原発事故対応の為のチーム作り、被災地への道路、ロジスティックを確保するべく動いた、そんな現場人たちのエピソード。と併せて、国務大臣の資質や東電の姿勢も考えさせられる。

    それぞれの物語は緊迫感と人の情に溢れ、それを発掘してくださったことは感謝だが、時系列や因果が読んでて混乱したり、近い事例が複数回出たり、どこで区切れるのか分かりづらかったりと、構成に難を感じてしまった。

  • 言葉がない

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著者プロフィール

大阪府生まれ。小説デビュー作『宣戦布告』がベストセラーになり映画化。以後、『ZERO』『瀕死のライオン』『外事警察』『奪還』『特命』『銀色の霧』『QUEEN スカイマーシャル兼清涼真』など話題作を発表し続けている

「2022年 『トツ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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