くまちゃん

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1231
感想 : 257
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104346042

作品紹介・あらすじ

4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公がリレー形式でつながっている恋愛の短編集は
    初めてだったので新鮮でした。

    私も過去の恋愛を思い返しながら読みました。


    別れた彼はまた別の人と付き合って、
    別れてまた新しい出会いがあって、、、
    その出会いはもしかしたら
    私と遠い関係で繋がってるのかもと思うと
    何だか不思議な気がしました。


    付き合って、別れて、フッて、フラレて、
    それでもやっぱり人はまた誰かを好きになる。
    苦い経験をしてもまた恋愛する人間て弱い様で強いのかな。


    人は幸せになる為にこんなにもパワフルになれる。
    切ないだけじゃなくて、前に進む勇気も貰えました。
    恋愛というより人生の物語。

  • 何年か前に読んで、ずっと印象に残っていたお話がある
    もう一度読んでみたら印象は変わっていたのだけど、

    でも改めて、読んで思い出したかった気持ちが見つかった。

    恋する人たちの短編集
    ベクトルをどこへ向けるかは読んだ人次第かな?

  • 面白かったです。前のお話でふった人が、次のお話ではふられる、連作短編集でした。
    恋って、その最中では一生懸命ですが、終わってみたらこんなものか、となるのかも。ふったり、ふられたり、わたしもありましたが、今はすっかり離れました。幸せも確かにあったけど、辛く歪な心にもなりました。
    終わってすぐはとても辛くても、きっとまた恋をするのだろうなと思います。いつになるかはわかりませんが、もうしばらくかかるかな…。
    私のつまんなさは私のものだし、私は私以上にはなれない、という最終話の台詞が残りました。
    今、読めて良かったです。皆、幸せになれたらいいです。

  • 連鎖する短編。各短編の視点人物が全員ふられる。連鎖するようにふられていく。

    ”その人のようになりたいと思ってはじまる恋もある。似ているから好きになる恋もあり、あまりにも違うから好きになる恋もある。好きだと言われてはじまる恋も、同情を勘違いしてはじまる恋もある。だれしもそのとき自分に必要な相手と必要な恋をし、手に入れたり入れられなかったり、守ろうと足掻いたり守れなかったりする。そしてあるとき、関係は終わる。それは必要であったものが、必要でなくなったからなのだろう。たぶん、双方にとって。”(P275より引用)

    最後の短編の、最後の最後にこんなことが書かれていた。恋ってつまり、言葉で表すならそういうものかもしれないなと思った。
    恋愛や失恋に限らず、色んな人間関係がある。非凡な存在になりたくて、知りもしない花見客に混じって酒を飲んだりする人もいる。ずっと好きだったミュージシャンと付き合えたのに、別れてしまう人もいる。
    手に入らないもの、手が届かなかったものはいつまでも輝いて見える。銀色夏生さんの本にもそんな文言があったな。

    この世の終わりみたいに思えた失恋、声をかけても無視するほど自分を嫌っていた人、お前は心が真っ黒だと言ってきた高校時代の先生。
    うまくいかなかった人間関係ほど忘れらない。
    生きていくこととは、苦しみの連続なのか。

  • この本は私のために書かれたのかってくらい、ひしひしと伝わってくるものがあった。どんなに痛い思いをしたって、人はまた恋をしてしまうんだ。「必要でなくなった」という言葉だけ聞くと、見放されたような孤独感を覚えるが、この本の終盤に出てきた「必要になったから恋をする」とか「必要でなくなったから別れを告げる」といったような表現には、そのような冷たい合理的さは感じない。「好きな人や恋人が必要、必要でないこと」あるいは「別の人を好きになること」は生きていくなかでごくごく当たり前のことなんだなぁと自然に、何の感傷も感じさせずに、すっと心に入ってきた。相手の「必要」を守りきれなかった。ただそれだけのこと。それだけのことなのに、好きな人と気持ちが通わないことは「股裂き」になるほど辛くて苦しくてみじめで情けなくて、死んでしまいたくなるほどで、存在を否定されたような気持ちになって。でも彼らはまた、恋をする。あんな思いをしたというのに。私もいつか、本当いつになるか分からないけど、きっとまた恋をしてしまうんだろうな。

  • 苑子は大好きなくまちゃん(ヒデちゃん)にふられ
    ひでちゃんは大好きなユリエにふられる
    ユリエは大好きな(だった)マキトの元を離れ
    マキトは束の間の居候、キマコに何故かこころ惹かれる
    キマコは久信にフラレテ
    久信は苑子に大好きな文太をとられて悲しい気持ちになる

    ふったりふられたりでつながる男女男女

    失恋した時の
    痛くて寒くてフラフラな感じがよみがえる心持ち

  • 6人の男女の失恋物語。
    それぞれが様々なかたちの恋愛を経験したことで
    無駄な恋愛のように思えて、実は成長している様が面白い。
    自分を振った、あの人はどんなことを考えて自分と付き合っていたのか。
    なぜ、好き同士なのにうまくいかないのか。
    なぜ、あんなに辛かったのにまた恋愛をしてしまうのだろう。
    といった思春期永遠の謎に迫る名作。
    また、忘れた頃に読み返したい。

  • 最後の「乙女相談室」が1番好きな話だ。
    こずえ同様ふられっぱなしの人生で、しかもずっと忘れられない人がいた。想い続けることはいけないこと良くないことだと思っていた。でもこの本を読んで前向きになれたきがする。あの人は私にはもう必要ないのかも。「必要でいるということを、守りきることができなかった」。ずっと恨んでたけどこちらこそごめんなさい(笑)
    別れてそこで話が終わりじゃないのが良かった。恋人と別れてもふってもふられても人生は続いていく。そこが描かれていた。
    友達が別れそうだからこの本を紹介してみようかな。

  • 短編の恋愛小説。
    短編だけどそのお話ひとつひとつがつながっていて、ひとつの物語になってます。
    恋愛リレー小説とでも表現したらいいのかな。

    まず1話目の「くまちゃん」
    その主人公の20代の女性は学生時代の友人との飲み会で一人の男性と出会う。
    彼がくまをプリントしたTシャツを着ていて、その後もいつもそのプリントTシャツを着ていることから彼女は彼を「くまちゃん」と呼ぶ。
    彼女はそのくまちゃんと別れた後、偶然にも「くまちゃん」の深部に触れることになる。

    という話から始まり、次はそのくまちゃんが主人公になり別の人との恋愛話が進んで行く。
    そして次のそのくまちゃんとつきあっていた女性の話が・・・と続いていく。

    最初、「あ~つまらない本だ」と思いました。
    これは失敗した。
    斜め読みしたところ、1話の最後で「なるほど」と思いました。
    そして2話目で「あれ?この男の子、1話目に出てきた子?」と思い、面白いかも・・・と思い始めたのは3話目あたりから。
    読み終えての感想は、とても考えられた設定で中々楽しめたということ。

    面白かったのは、「ふられた側」の話から始まり、「ふった側」の話へ続くという点。
    そして主観を変えるとこれだけ人物の印象って変わるんだってこと。
    これ、同じ人物?
    と思い、そのギャップが面白かったり、ちょっと不自然に思えたりしました。

    恋愛って、もちろん相思相愛なわけだけど、思いが等分ということはない。
    どちらかがどちらかを少しか、多くか強く思う。
    そして思ったほうはやはり弱い立場なんだな・・・とこの本を見て思いました。

  • 前の話で相手を振った人が、次の話では振られてしまう、連続フラれ小説。

    …ということを知って、面白そうだと、つまり各話の主人公が振られることを期待して読んでいたのに、
    やっぱり、痛かった。
    振られる予感、別れの気配を感じさせる場面場面で、苦しくなった。

    相手に合わせ、尽くし、そして恐れる。
    惚れたもん負け、という言葉がまさにピッタリだと思う。

    どの話もとても良かった。個人的に一番好きなのはゆりえちゃん。
    槇仁と久信はなんだか似たようなイメージになってしまっている。どっちもアーティストだからかな。

    仕事や成功についても毎回書かれている。
    成功ってなんだ。人生ってなんだ。
    自分はいったい何なのか、何者になるのか。
    相手がなければ恋愛は出来ないけれど、自分がなくても恋愛は出来ない。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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