スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 43
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104370030

作品紹介・あらすじ

差別の中で育ち、高校時代を強制収容所で過ごした日系二世。GHQ所属の「アメリカ兵」として、戦後日本に赴任したジャズマンは、灰燼に帰した両親の「祖国」で何を見たのか。後に日本文学研究者の道を選び、信長も寵愛した「幸若舞」などに「日本人の血」を探ったその生き方から、戦中戦後の日米の姿に光をあてる。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は日系アメリカ人ジェームズ・T・アラキの評伝。太平洋戦争で強制収容された一人であり、陸軍情報部日本語学校の教官。惜しまれつつ除隊し、戦後日本にビ・バップを伝えたJAZZ奏者(ジミー荒木)。そして古典学者の顔も持つ。驚いた。

    有刺鉄線を経て合衆国に忠誠を誓い陸軍へ。敗戦による来日後、昼は連合国翻訳通訳部、夜はジャズメンとなる。日本人ミュージシャンたちは、フレンドリーなアラキを敬愛した。軍でのエリートコースも保障され、高名な楽団からの誘いもあったが、別の道を選ぶ。

    アラキが選んだのはUCLAバークレー校で日本中世文学を学ぶ道だったのである。信長で有名な幸若舞をおいかけ、研究は能、文楽、芭蕉へ広がる。井上靖の作品の英訳も手がけている。研究で何度も来日する姿は、自身を探る旅でもあったのではないか。

    筆者は、日米のゆかりの地に足を運び取材を重ね、資料を丁寧に発掘している。本書は一人の北米移民の軌跡から現代史を複眼的に捉えた秀逸な一冊である。筆者の前著『ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後』(新潮社)と併せて読みたい。了。

  • 原田和典の書評から「。世界水準といわれて久しい日本のジャズ界だが、彼の指導がなければ、その発展は今の何倍も遅れていたに違いない。」「文学関係者から“剃刀(かみそり)ジム”と恐れられていた」
    全文はサイトで↓
    「ジミー荒木の功績追う」 評・原田和典(音楽評論家) 9月23日北海道新聞より
    http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/

  • 日系2世のジミー・アキラ.戦後の日本にチャーリー・パーカーのジャズを教えた話が骨子だが、米兵としての側面も詳細に記載している.ジャズに関しては旧知のプレイヤー名が出てきて楽しめたが、アメリカでの収容所の話が冒頭に連続している点はやや閉口した.

  • (欲しい!)
    朝日書評「今年の3点」 2012/12/23

  • ジャズと日系人強制収容所とは、意外な組み合わせ。

    ジミー・アラキなる人物の存在は初めて知った。日本のジャズはこの人物に負うところが大きいらしい。

    なんとも魅力的な人物で、ジャズに疎くても、楽しめる一冊になっていると思う。

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