俺俺

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104372034

感想・レビュー・書評

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  • ほんの気まぐれでオレオレ詐欺を働いたら、その母親が俺の母親としてやってきた。慌てて実家に帰ると、そこには俺と同じ顔した『俺』がいた……。

    ジャケ借り。
    ミステリーかとおもいきや、ホラー?SF?
    同僚も友人も上司もおふくろも姉も、見ず知らずの誰かさえ『俺』化して、記憶が混線して、アイデンティティを失っていくさまが丁寧に執拗に描かれていて、鬼気迫る筆致がこわい。
    一緒に混乱しかけるけど、結局全部俺の記憶なのだから混ざっても問題ないような気すらしてくる。
    周り中全部自分だったらそりゃ気も狂うわ。
    読み返したいとは思わないタイプの本だけどなかなか面白かった。

    映画化の話を聞いて特報みたけど、この文章を再現するのは難易度高い。

  • あ? 誰かと入れ替わったの?
    と読んでいたら周りは俺だらけ。
    えー、自分に似てるようで似てない!?
    訳がわからず……。
    自分に似た人なんて会いたくないや。

  • なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺。俺がどんどん増殖する。
    前半は、やや現実離れの設定に違和感というか、ついて行くのがやっと(キモチがね)でしたが、はまってくると、

    この異常な世界が<なんかわかる>相手の中に自分を見るというデジャブが日常でも行われていることだと気がつく。そして行き着くところまでいってしまう。暴走感はありますが。

    でも、着想よりなにより、この作品で一番素晴らしいのは石田徹也の<燃料補給のような食事>が表紙になっていることだ。世界観の一致。
    本作も表紙もどこか時代の本質を上手に抜き取っているのだな、と思わずにはいられない。

  • なんだこれは。頭おかしくなりそうな本。読んでいくうちにSF、ホラーというのかな、不条理!生まれ変わりですらなく、もうぜんぶ俺だから、削除されたら別の俺になる。
    装画がとてもしっくりくる!マックならなおよかったけど。

  • 個性、存在価値、いろいろ考えさせる感じなんだけど、ストーリーが難解で恐くて、ついてくだけで精一杯。
    映像化ってどうなるんだろ…!?

  • 2012/12/22読了。
    オレオレ詐欺の話かと思ったら、それはただの始まりに過ぎなかった。
    ジャンルはホラーになるのだろうか?怖かった。

  • 面白い…けど実写化できるのか? 妙に改変されそうで怖いんだが。

  • 俺、俺ら
    ゴーリキー、ベケット、安部公房の延長

  • 初星野先生。
    他人と意見が合致すると「お前は俺なのか」と言いたくなるけれど、そうではなくて自分ばっかりの世界は驚く程に気楽であると同時にどうしようもなく息苦しいだろう。

    石田徹也の「燃料補給のような食事」が装丁に使われていることが素敵。話の世界観とぴったりすぎ。

  • 世の中みんな自分ならいい世界になる。。そんなことはない。自分の角度から見る自分。他者からみる自分。見る角度によって異なるから世の中が平和になることは決してない。

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著者プロフィール

1965年、 アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、 早稲田大学卒業。2年半の新聞社勤務後、 メキシコに留学。97年 「最後の吐息」 で文藝賞を受賞しデビュー。2000年 「目覚めよと人魚は歌う」 で三島由紀夫賞、 03年 『ファンタジスタ』 で野間文芸新人賞、11年 『俺俺』 で大江健三郎賞、15年 『夜は終わらない』 で読売文学賞を受賞。『呪文』 『未来の記憶は蘭のなかで作られる』 など著書多数。

「2018年 『ナラ・レポート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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