憑神

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104394029

感想・レビュー・書評

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  • 説教臭くなく、でも人として美しく生きることの難しさと尊さを教えてくれる、浅田次郎さんの時代小説。
    幕末の江戸、部屋住から婿に出され、出戻りとなった不遇な身の上の主人公の彦四郎。
    神仏の加護を願い手を合わせた祠は、拝んではならない貧乏神、疫病神、死神の憑き神だった。
    勝海舟や榎本武揚、慶喜など実在の人物の登場により、不思議な物語に現実味が加味されて、面白さ倍増。
    切なさと潔さ、人間の愛おしさが心に残るお話でした。

  • 幕末の時代、旗本である主人公がひょんな事から不幸を齎す三神に取り憑かれる。大分悲惨な内容な話なのにどこかおかしみがありまるで喜劇を観ているようだった。キャラクターそれぞれに愛嬌があり憎めない点は矢張り浅田次郎物。後半にかけて少々手抜きを感じなかった訳ではないがくすっと笑えてじーんとくる一冊。

  • 浅田の「江戸言葉」は、つくづく上手い。
    これで、一杯いけそうだ。
    落語のような新派のような物語だけど、
    映画より、原作のほうが、たぶん絶対に良い、と思う。

  • 投げやりな人生かと思いきや、信念を持って守るべきもののために生を全うする、でも弱さもあり。なかなか面白かった。息子や嫁がもう少しいい人ならば、もっと救われただろうに。

  • 神「貧乏神・疫病神・死神」と人生には色々な神が取り憑く。その時期時期に人は導かれるが、間違うと死神に一直線になる。だから、生きることは生き抜くことだと悟り悔いのない人生を作り上げることかもしれない。

  • -2016/10/24
    運の良し悪しに囚われ、拗ねた生活が続いた。貧乏神疫病神死神という三神と暮らしを共有する吉之助に憧れる。

  • 2015.08.16
    貧乏神に疫病神に死神。この作者ならではの終わり方。武士を描いている。

  • うっかり三巡の祠に手を合わせたばかりに、貧乏神・疫病神・死神に取り憑かれる武家の次男坊「彦四郎」のお話。
    彦四郎という人物像が、前半は「婿入り先から叩き出されやさぐれたニート」から、後半になって「武士の鑑」になったのに違和感を覚えた。
    物語としては面白いが、ラストが綺麗にまとまったと見せかけて唐突で雑な印象なのが残念。

  • 疫病神や死神に取り付かれてしまう話。幕末を舞台に貧乏侍が武士道を忘れず生きて行く。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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