夕映え天使

  • 新潮社 (2008年12月19日発売)
3.11
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784104394036

感想・レビュー・書評

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  •  ひさびさの浅田次郎の新刊。しかも短編小説集なのです。 表題作を含む全部で6つの短編小説だな。初出は小説新潮なのだな、ふむふむ と思って読み始めた。 ところが最後の作品『樹海の人』はどうも怪しい。なにが怪しいかってこの作品だけ小説ではなくエッセイではないか。 そしてわたしの感想ではこのエッセイが一番面白かった。 イヤイヤ他の小説作品もそこそこ面白いですよ。 でもほとんどなじみの無い登場人物達が、なんだかしごく普通の生活の中で出会うちょっと哀しい物語達は、すごく面白かった とはいえないのであった。 それに比べて最後のエッセイは浅田次郎の軍隊(自衛隊だけど)生活でのとあるエピソードが語られている。 登場人物が有名(浅田次郎だもの)なだけで、へえー ということに、わたしはなった。 興味津々瑠璃色のお話 って奴である。

  • 短編はあまり好きではなく、心に残らなかった

  •  浅田次郎「夕映え天使」、2008.12発行、6話。「夕映え天使」はいい感じで読んでましたが、ラストがあまりにも切ないです。テーマが不明です。「切符」はヘップバーンのような髪のお姉さんに魅かれる小学校4年生の男の子と、仲良しの同級生の女の子、粋なおじいさんもいて楽しめました。「特別な一日」は、可もなく不可もなし、そんな感じです。「琥珀」と「丘の上の白い家」は、テーマ不明です。「樹海の人」も著者の自衛隊への思い入れはわかりますが、私には意味不明な感じでした。失礼しました。
    浅田次郎「夕映え天使」、2008.12発行、再読、6話が収録されています。「夕映え天使」は切なすぎます。「切符」は楽しめました。夫の定年日に合わせて庭の花を咲かせる妻の話「特別な一日」、良かったです。1に花、2に本、3に食事の著者の面目躍如ですね。喫茶店で時効前の店主と定年前の警察官を描いた「琥珀」、あの後、逮捕したら小説ではなくなると思います。「丘の上の白い家」と自衛官時代の訓練の様子を描いた「樹海の人」は、再読後も意味不明でした。

  • 2017.04.07
    よくもこんなに色々な題材の、しかも色々な内容の短編集を書かれるものだと感心した。さすが、浅田次郎さんだ。

  • この方の短編集は好きなものが多かったが、今回はイマイチ。あまり心に引っかからなかったが、好みの問題である。表題の話が一番腑に落ちず、心に残った。彼女はなぜ死を選んだのか、いつか分かるだろうか。

  • さびれた商店街の、父と息子二人だけの小さな中華料理店。
    味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れた天使のような女・純子。
    あいつは線香花火のように儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。
    表題作「夕映え天使」をはじめ、「切符」「特別な一日」「琥珀」「丘の上の白い家」「樹海の人」の6編の短篇を収録。
    特別な一日の普通の出来事、日常の生活に起こる特別な事件。
    (アマゾンより引用)

    何かちょっと意味分かんない話が何点かあった(´・ω・`)
    表題作が一番好きだったかも

  • 短編集。
    後に行くほどましになるけれど、ちょっと言葉遣いとか気になる。奥さんの事を「ばばあ」とか、ちょっとなさすぎるなぁ。

    なかでも「特別な一日」がよかったです。
    定年の最後の日の描写なのかとおもいきや、本当は人類最後の日だった。

    私も最後の日は愛する人の手を取って薔薇の香りに包まれて過ごしたい。

  • 琥珀が1番良かった。

  • 流石浅田作品!!。
    短編でも読ませてくれる!!。
    2014_12_08読

  • まあまあ

  • 短編集。切符、丘の上の白い家が好きかな。理不尽で割り切れない話ばかりで、なんかすっきりしないけど…。

  • いつもの浅田次郎を期待してしまったため残念な感じでした。(*_*)
    こんなSFチックなのじゃなくて、心にじーんとくる浅田小説が、私は好きです。

    白い家のお嬢さんには、ぞっとさせられたぜ!!

  • 短編集。哀愁が漂う世代の話で、少し切ない話ばかり。すごく感動はなかったけれど、いつもの語り口調で落ち着いて読めました。2012/05/07

    五年前にも読んでいたとは。
    定年間際の刑事と時効一週間前の犯人が出会う話と、最後の作者が樹海でもしかしたらもう一人の自分と出会う話がよかった

  •  短編集の最後、「樹海の人」が印象に残った。

     樹海の中での自衛隊の訓練。勿論本番の有事を想定したものであるが、訓練は訓練、局面を設定した上で、やり慣れた同じ事を繰り返すに過ぎない。
     いつ訪れるかもわからない有事、その重苦しい現実を受け入れるための訓練なのだが、本当に有事が訪れるのかどうかは誰にもわからない。訓練という名目がなければ、たまたま樹海に迷い込んだ人間と何も変わりはしない。周到な準備をしようとも、そこで目の当たりにするであろう真実は、常に当事者である人間を圧倒する。それは想定を超えたものではあるのだけど、ひょっとしたら余りにもありふれた光景なのかもしれない。訓練中の通信で話される私的な罵詈雑言のように、読み慣れた書物のように。
     樹海で見たものは、主人公を新たな樹海へと導いて行く。日常生活の中の、物語を創作する営みの中の混沌とした樹海へと。
     その樹海の中に、読者も迷い込んでいくのだろう、これからも。
     

  • 浅田さん、久しぶりの短編集ですね…。
    『鉄道員』ほどのインパクトはありませんでしたが、
    あいかわらず、うまいです…。

    なかでも、「特別な一日」のオチは、かなり意外で、
    あまりパッとしないなぁ~と思っていたお話が…、
    一変しました…。

  • 社員文庫で借りた、短編集
    『特別な一日』で、涙する
    それで、たいちゃんにも読ませた
    六回目の移植の当日に読んだせい?

  • ずいぶん前に読んだので、うろ覚えだけど、寂しくて味わいのあるお話だったと思う。

  • 2冊目の浅田次郎の本だけど6編の短編のうち
    「夕映え天使」はオトコの魅力(?)はにかみがでてやっぱりね~と感心できた。
    残念ながら他の5編は期待はずれだった。

  • 浅田さんの現代物はちょっと臭い、というか
    泣かせようとする気がしていてちょっと敬遠がちだったのだけど
    今回の短編集はすごくよかった
    切なく、昭和の香りがするようだった
    帯に書いている
    人生って、そんなに捨てたものじゃありません。って
    それにしてもちょっと辛いなって感じる内容だったけど
    人の温かさややさしや、しゃいなところがそれぞれ描かれているようで
    読み終わってふぅ〜と安心する小説でした

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

浅田次郎の作品

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