私の嫌いな10の人びと

  • 新潮社 (2006年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784104397037

みんなの感想まとめ

考えることの重要性を説いた本であり、著者は「バカ」とは何かを鋭く掘り下げています。著者の考えに共感する読者は多く、特に「利口であっても考えない者はバカ」とする視点に、深い理解を得ることでしょう。表面的...

感想・レビュー・書評

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  • 著者の考え方と自分の考え方は非常に近似なところがある。冷めていると言ってもいい。著者はバカを徹底的に嫌うが、それはバカであることそのものではない。その人自身がバカであろうが,利口であろうが考えない者はバカである。逆にバカであっても、考え続けるひとはバカではない。言えば、スカラーとしてのバカはバカではないが、ベクトルとしてのバカはバカである。孔子の「過ちて改めざる、これを過ちという」やソクラテスの「無知の知」と言っていることは近い。知っていると思い込み、間違っているという可能性を省みずに行動したり思ったりすること、人をバカという。

  • 表紙を見て
    ・笑顔の絶えない人
    ・みんなの喜ぶ顔が見たい人
    ・いつも前向きに生きている人
    ・物事をはっきり言わない人
    この辺は確かに私も嫌いだなぁと思った。例えば、笑顔の〜でいうと、接客のときの笑顔とかずーっと微笑みっぱなしの店があったんだけど、こちらもそれに合わせなければいけないのか、という妙なプレッシャーがあった。ニュースや身近な出来事について、世間的には何故か是とされているんだけど、本当にそんなにいいもんかな?、などとすぐ疑問に思ってしまう人にはなかなか共感するところが多い本なのではないだろうか。

    ・「おれ、バカだから」と言う人
    これは私にも思い当たるところがあるので、見直したい。でも、知識量の多い人などと話すと、どうしても自分の無知加減が晒されてしまい、つい言ってしまうのである。著者の仰るとおり、そんなこと言わんでもバレてるわけですが。

    理屈だけ言わせると痛烈な物言いで気に障る読者もいるのかもしれないが、はなむけの言葉を書くエピソードを読むとなかなか深みのある人だなと思う。表向きの当たり障りない言葉でなく、「ほんとうのこと」を綴ったという文章は辛辣だが温かい。

  • 気分が落ち込んでいる人、またはそうなりやすい人。
    おまけに嫌なことがあったり、理不尽なことがあった人。
    この本は読まないほうがよいかもしれない。

    言い方がアグレッシブなものだから、それなりに広い心か覚悟をもって臨まないとこちらの身がもたない気がする。

    周りに流されず、己の考えや思想を伝えること。
    言うのは簡単だが、現代社会ではこれを実行することが難しくなっている。
    世間でいう「常識」が、そうさせているから。
    「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。」とはよくいったものだ。

    ぬるま湯から抜け出したい。熱湯大歓迎という人は、よんでみるといいかもしれない。

  • 笑いと皮肉が満載の、中島義道ワールドが存分に楽しめる一冊。書名に「嫌い」とありながら、取り上げるのは世間からは「好ましい」と思われている人たちばかり。「当人がその思想をどれだけ自分の感受性に基づいて鍛え抜いているか」という一節に、笑いと皮肉だけではない、著者の信念を感じた。

  • 共感できる部分がとても多くて、読んでいて楽しかったです。
    私の性格の方向性は著者と似ているんだと思います。

  • 観点が面白かったですがここまで強くなれない。
    でもこの人の別の本も読んでみたい。

  • わりと好きでよく読んでいる哲学者さんの本。
    この本に限らず、彼の本は読んでいて「そんな捻くれた考え方しなくてもいーのになー」って思うんだけどw、でも、一般的な人たちの考え方や常識に僕たちがどれだけ妄信的で欺瞞的になっているのか考えさせてくれる。
    そーゆー意味では読む価値は充分にあるし、1つの考え方としてとても興味深いです。

  • 分かる。でもそれってなかなか口にできない。

  • 考えることを怠って生きてきた私に、グサリと刺さる意見ばかりだった。
    もっと自己理解を深め、個性を大切にしていきたいと思った。

  • ◆筆者の姿勢は、よくいえば自分で徹底的に考え自分を貫くということ、わるくいえば、(多数派の人びとが思い描く”社会”にとって)反社会的としかいいようがありません。ところが、そんな筆者が描く「嫌いな人」だからこそ、多くの読者はこの本から、世間で「いい人」だとされている人びとの裏側にひそんでいる気持ち悪さを感じ取ってしまうのかもしれません。その点では、ちょうど、セーターの内側に毛虫を入れるような本です。

    ◆じつはこの本に現れる10の人びと(下部に記載)は、”自分にとって”ポジティブな考え方だけを受け入れ、ネガティブなものに対しては拒絶するかフタをし続ける人、といえるのではないでしょうか。そのポジティブな考え方はおおむね世間にあるものであり、それを無抵抗で受け入れることは、「自分」で感じ考えることを放棄しながら生きてゆくため(つまり楽に生きる)のもっとも簡単な手段なのです。そして、ずるがしこい一部の人は、そこにネガティブなものがあることにも気がついているのに、むしろそれを自己肯定の糧にしてしまう。この本で挙げられている「嫌いな人」からは、そんな気持ち悪さが感じ取ることができると思います。

    ◆『中には「ほんとうのことを書いているのは中島先生だけだ」とさえ言ってくれる人もいました。ただそう言うだけの人、そして自分は依然として因習と慣習にがんじがらめになった言葉を発している人、そういうずるがしこくて不誠実な人に正確に矛先を向けて、私は書いているのに! (p. 52)』

    * 目 次 *
    1章:笑顔の絶えない人
    2章:常に感謝の気持ちを忘れない人
    3章:みんなの喜ぶ顔が見たい人
    4章:いつも前向きに生きている人
    5章:自分の仕事に「誇り」をもっている人
    6章:「けじめ」を大切にする人
    7章:喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
    8章:物事をはっきり言わない人
    9章:「おれ、バカだから」と言う人
    10章:「わが人生に悔いはない」と思っている人

  • 著者である哲学者による嫌いな人に対するダメ出し集。あーゆー人が嫌い、こーゆー人が嫌い、と続く。分かる部分も多いけれど、かなり手厳しい。大多数の日本人に対してダメ出ししている。
    基本的には、浅はかな押し付けと逃げの姿勢が嫌いらしい。つまりは良く考えろと言っているんだろうな。楽をしないで一生考え続けろと。
    僕は何となく嫌いな人がいるが、何故嫌いかを理解することができたので、非常に為になった。
    ただし、読むと精神衛生上よろしくないのでオススメしません。

  • 自分の価値観や考え方を他人に押し付けようとする人、私も好きじゃない。

  • 人には様々な考えがあることを考えさえてもらえる一冊です。

  • 「自分の頭で考える」という実感を、思い出させてくれる。

  • 偏屈にも、陰陽2パターンあるように思います。ひとつは、どことなく可笑しみのあるタイプ、もうひとつは、孤高の「上から目線」タイプ。今まで読んだ中島さんの本では、後者の印象でしたが、この本だと、むしろ前者。読みやすく軽やかでした。

    さて、著者の「嫌いな人びと」とは(目次より)
    ・笑顔の絶えない人
    ・常に感謝の気持ちを忘れない人
    ・みんなの喜ぶ顔が見たい人
    ・いつも前向きに生きている人 
    (はじめの4つだけでも噴き出してしまいます。あと6つ続く)

    「まとも」な「みんな」は、こんな内容にはムカムカするでしょうけれど、「世の大多数と信念や趣味がずれている」私には、(全部が全部同意はしないけれど)ある種、自分の思いを代弁されたようなすがすがしさがありました。

  • 2013.1

  • 面白すぎ!笑った笑った!

  • この人の文章…スッゴい破壊力

    一般的に「善良」と認識されているタイプの人の持つ欺瞞を次々と正面からまっすぐに、そしてどこまでも正直に暴いていきます。

    例えば、
    笑顔の耐えない人、常に感謝の気持ちを忘れない人、みんなの喜ぶ顔がみたい人、いつも前向きに生きている人…などなど。

    みなさんは「それの一体どこが悪いの」
    と思われるかもしれないが、
    中島氏の「嫌い」に思う点は、それをすべての人に対して要求するということなのである。

    あるいは、本当のことから目をそらしているということ。
    彼らは、人生で何が起ころうが、見ないように考えないようにしているのです。


    本人も言うように相当「ひねくれた」人間であろうが、決して裏はない。


    真面目に読んだら、自分が善良だと信じて疑わない市民のみなさんは凹むことでしょう。

  • 偏屈な中島氏の偏狭なエッセイ。書いてある理屈は全部理解できるし事実でもあるし支持したい部分もある。だが、笑顔でハッピーでいいじゃないか はっはっはっは とも思う。欺瞞でも

  • 若いときはこういう人生態度がかっこいいと思っていた。読み直すとゴミだね。

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰.
著書に, 『カントの時間構成の理論』(理想社. のち改題『カントの時間論』講談社学術文庫),『モラリストとしてのカント1』(北樹出版. のち改題『カントの人間学』講談社現代新書),『カントの自我論』(日本評論社. のち岩波現代文庫), 『悪について』(岩波新書),『悪への自由──カント倫理学の深層文法』(勁草書房. のち改題『カントの「悪」論』講談社学術文庫),『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫), 『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎)ほか.

「2024年 『その二 「純粋理性」の舞台裏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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