ニシノユキヒコの恋と冒険

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412037

感想・レビュー・書評

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  • ニシノユキヒコくんの少年時代から死ぬまでの間、彼と関わりあった女性から見たニシノユキヒコ像を描く(フィクション)。

    女性の視点からしか描かれていないため、ニシノユキヒコ自身が本当はどんな性格なのかをいまいちつかめないが、そんなとらえどころのない人生を彼は歩んでいるような気がした。
    人を本気で、心から愛するということができない彼は、やっぱりいつも孤独感みたいなものを抱えているように見える。
    果たして彼は幸せだったのかな。

  • 図書館で借りたもの。
    男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが切なく胸にせまる、連作短編集。

    ニシノユキヒコは『するりと女の気分の中にすべりこんでくる』種類の男性。
    魔性の男だな~。
    でもちょっと関わりたいよね。。笑

  • 謎多き少年ニシノの恋の物語。
    愛とは何なのか考えさせられる不思議なはなし。

  • ひさびさに恋愛モノを読んだ気がする。

    ニシノユキヒコ・・。

    読んでる最中は、
    まるで私もニシノユキヒコを好きになりそうな気がしたけど、

    読み終わる頃には、すっかり興味を失った。

    本の中に出てくる、
    たくさんのニシノユキヒコを好きになった女の人達と
    同じように。

    でも、
    だからといってニシノユキヒコが嫌いなわけではなく、

    やっぱりたくさんの女の人達のように
    何かの拍子にニシノユキヒコを思い出しそうな気もする。

  • 捉えどころのなくて、女ったらしで、ほっとけない、ニシノユキヒコ。
    西野くん、西野さん、ユキヒコ、幸彦、ニシノ。その呼び方の数だけ明らかになる彼の姿。なぜか嫌いにはなれない。
    彼にとって人生は、愛を探す冒険だったのかしら。

  • ひらがなの使い方が自然でいい。実はこんなの好きだ。

  • 連作短編10編。女性の目から見た西野幸彦の人生
    ニシノさん『パフェ』夏美とみなみ、死後のひと時
    西野君『草の中で』中学時代、山片さん
    ユキヒコ「おやすみ」上司で奇麗な真奈美さん
    幸彦『ドキドキしちゃう」大学時代カノコ
    西野くん『夏の終わりの王国」小説家例
    ニシノ『通天閣』昴とタマ
    ニシノくん「しんしん」同じマンションのエリ子さんとナウ
    ニシノくん「まりも」省エネ料理の会サユリさん
    西野さん「ぶどう」江ノ島の愛
    西野くん『好き銀体温計』土管の好きな御園さん
    呼び方がいろいろあって(同じのもあるけれど)、西野幸彦のその時の関係性が表れていて、まあ恋愛遍歴の時代が分かったりもするのが面白かった。

  • 基本的に、いわゆる、スケコマシの男性の話なのだけど、スケコマシ、としての名言がたくさん描かれています。
    西野さんは、○○(女性の名)のどこがいいの?と聞かれ、
    ああ、僕もそれを誰かにおしえてほしいんだよ、との返答。
    そんなこと言われたら、聞いた方が困ってしまう。

     決して、ギラギラとしたスケコマシ、ではありません。
    自然な、流れるような、爽やかなスケコマシです。
     さらに、自分が振る側には、決してならない。
    ならない、のか、なれない、のか、も微妙。
    女が放っておかない男、っていうのは、こういう人のことをいうのでしょうか?
    自分の周りにいないか考えてみたけれど、何度も考えてみたけれど、いないよなぁ…
    でも、いそうな気にさせてしまう、作者がすごいと思いました。

  • おすすめいただいて読んでみました。
    図書館へレッツゴ〜

    最初のパフェーが川上弘美さん独特の世界がよく出てたなぁって思います。
    ニシノくん。私、あなたの気持ちがよくわかる。
    でも彼と付き合うと寂しいだろうなって思う。
    だけど・・・愛するって怖いよね。ホントよくわかる。
    ニシノくんの女の子版って、きっとなかなか受入れられないだろうな。
    男の子と女の子じゃ同じ事してても違うんだもんなぁ。
    ちょっと不公平。
    私も誰かを愛したいな。でも・・・愛ってなんだろ(笑)
    読みやすくてスラスラ読めちゃいました。

  • 敏感なようで鈍感だったり。明るいようで暗かったり。愛情深いようで冷めてたり。女の子はみんな好きになっちゃうだろうな。自分だったら…って考えてる時点で夢中になってる(°_°)おそるべし。。ニシノユキヒコ。

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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