古道具 中野商店

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1209
レビュー : 224
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412044

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美の作品ってわりと曖昧というか、地に足ついてない空気じゃないですか。あれ、そういう気分じゃないときはイライラしますよね。俺はもっと質実剛健って感じのが読みたいんだ、プロレタリア文学とかその辺がいい、みたいな。一方で、よくわからない気分に揺られたいときはなかなか良いですよね。

    『蛇を踏む』とかと違って超常現象が起きないタイプの作品です。恋愛要素強いです。

    『ニシノユキヒコの恋と冒険』以来川上弘美の描く恋愛についてははっきりとした敵意を持っていて、その感情については本作もあまり変わらないです。流れに流されすぎてるのと、気まぐれすぎるのがよくない。

    けれども、描き出される全体的な雰囲気は、なんとなくセピア調に近く、なんだか読んでいると安心します。

  • サキ子さんの迫力がすごかった。
    中野商店のメンツをみてるとどうしようもないけど魅力的なひとたち、という言葉が浮かんできた。いや、どうしようもないから魅力的なのかもと思ってみたり。
    その考えは作中で「なんかこう、自分のこと、小出しにしてたなあ、みんな。全開じゃなく。」という言葉をみた時認識した。あぁ、どうしようもないと他人に思わせる所まで自分を余すところなく出し切っていること、それでも周りがそれを受け入れていること、そういう関係って魅力的だなと。
    終盤の展開が響いた。祇園精舎の鐘の音・・・ですな。でもどうしようとしない人たちが動き始めるのをみると、同族としては寂しさを感じる。

  • 読み終わったとき、ああなんてしあわせなんだろうなあとしみじみと思った。すごくやさしい終わり方で、心の奥の奥まで満たされていくような、そんな気分になった。
    特別なことなどなにもない、ただの日常なのにどうしてこんなにもいとおしくなるのか。登場人物たちの心の動きが、不器用ながらもひとと関わり合っていく様子が作者特有のゆるやかな文体で書かれてあって、せつなさや幸福感やその他いろんなものを連れてきてくれた。特に、ヒトミのタケオへの想いには涙が出そうになった。すきなのに、うまくいかない。だからやめてしまおうか、けれどやめれない。どうしても、思い出してしまう。ちゃんと向き合おうとすればするほど、相手のことを傷付けてしまう。ヒトミの微妙な心の揺れが、読んでいるわたしの心にも移ってきてつらくなったのだけど、でもあの最後のハッピーエンドでああほんとに、よかったなあと心から思った。

    (277P)

  • 元気が出ないとき、何もしたくないときでも読める本。

    わたし、中野さん、タケオ、マサヨさん他、登場人物はみんなどこか欠けていて不器用で、でもそれぞれが、自分のやりかたで他人を思い合ってるから、孤独なようでちゃんと繋がってる。

    ちょっと都合のいいところもあるけれど、だからこそ無理なく読めた。
    また元気がないときに読みたいな、と思う。

  • 川上弘美『古道具 中野商店』読了。古道具屋に集う、個性的な面々とその日常。文章の中に感情を表現する部分がすごく少ないので、一見淡々としているが、どこか居心地の良さを感じさせる。アマゾンを見てみたら、この著者にはけっこう熱狂的なファンが多いのでちょっとびっくり。

  • 小難しい恋話かと思ったら、古道具屋に集まった人達のユルユルした友情話だった。時間の経過と登場人物の成長や変化に観点を置いたら面白かった。

  • 骨董好きには、たまらないバイトだー
    こんなゆるい雰囲気の人たちに囲まれて、暮らせたらなー
    と考えさせられる今日この頃。

  • "丼"と"林檎"がすき。

  • 005

  • 面白かった。
    登場人物4人の関係性がゆるくて、話している内容もぐたぐだな感じが好きでした。映画を見てるような本でした。

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著者プロフィール

川上 弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞と紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨、15年『水声』で読売文学賞を受賞。ほかの作品に『風花』『どこから行っても遠い町』『神様2011』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『水声』などがある。2016年本作で第44回泉鏡花文学賞を受賞した。


「2019年 『大きな鳥にさらわれないよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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