鳶がクルリと

  • 新潮社
3.45
  • (4)
  • (19)
  • (28)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 84
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104423026

作品紹介・あらすじ

超優良企業の総合職としてバリバリだった中野貴奈子は上司のひと言に魂を抜かれ、辞表を提出。プーの生活から再就職したのは鳶職人の集合体、その名も「日本晴れ」だった。俗世間からずれまくった異能の職人達が挑んだのは難易度特Aクラスの巨大な現代彫刻の取り付けと会社のユートピアの創造だった…。ひねりのきいた笑いとでっかい感動が炸裂!ひたすら面白い娯楽小説の新潮流。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 偏差値の高い高校を出て、一般的に優良企業と言われている会社で語らいていた主人公が、あることをきっかけに仕事を辞め、鳶の世界に飛び込む話。
    自分の仕事に誇りを持っている人間はかっこいいし、とても粋だ。
    そういう人たちの背中を見て、うっとりしてしまう主人公の気持ちもよくわかる。
    なんとなく背中って自分では知らないうちにいろんなことを語ってしまうと思うからだ。
    話としては、なんとなく詰めの甘さがあるような気もするが、スッキリ気持ちよく読めた作品。

    • kuroayameさん
      仕事に対しての姿勢とか、本当にこれで良いの?など何かにつまづいた時に読むと心がすっきりしそうでは・・・とレビューを拝見させていただき感じるこ...
      仕事に対しての姿勢とか、本当にこれで良いの?など何かにつまづいた時に読むと心がすっきりしそうでは・・・とレビューを拝見させていただき感じることができました♪。
      ありがとうございます。
      仕事の内容は違っても、目標を持ち進む前向きな気持ちなどは同じなので、きっと本から学ぶことが多いのでは?と思い凄く興味を持ちました♪。
      新しい本との出会いのきっかけを本棚から拝見させ頂きうれしいです。
      ありがとうございます★
      2012/11/18
  • エリート企業を退職し、鳶職人の事務所で働くことになったキナコさん。
    どんどん仲間や職場を好きになっていくのが伝わりました。恋の行方も気になるところです。

  • 学生時代は優秀な成績を修め、超一流企業へと就職した貴奈子は、ある日上司の何気ない一言で会社に嫌気がさし退職する。無職となった娘を按じた母・幸子の計略で、貴奈子はおじの会社――鳶の零細企業“日本晴れ”で経理として働くことになる。

    癖どころが集まった鳶職人たちを前に最初は逃げ腰の貴奈子でしたが、人柄や鳶という仕事の奥行きを知る中で見方が少しづつ変化していきます。現場の描写は緊張感に溢れ、仕事上のミスは命取りとなる、という気合いが伝わってきます。そのためか、軍事マニアの風太雷太兄弟のマニアックな会話や、学歴オタクの剛の素っ頓狂な例え話は良い円滑油でした。

    互いにぶつかることがあっても、それは会社や相手を想ってのこと。仕事への向き合い方や仕事仲間やそれを越えた家族のような関係は「粋」の一言です。
    ラストまで気持ち良く読める一冊。

  • 2014/8/30

  • 一流会社の総合職でバリバリ働いていた貴奈子28歳、独身。
    将来に希望が持てなくなり、退職。
    呆然と日々を過ごしたあとで入ったのが、叔父がカシラを務める鳶の会社。
    まったく違った世界に戸惑いつつも、個性豊かなメンバーとともに
    生き生きとし始める主人公の変遷が面白い。
    粋だねー♪

  • 高学歴でエリート企業に勤める貴奈子。ふとした事から仕事への意欲を失い退職してしまう。そんな中母から薦められるまま「有限会社日本晴れ」へ勤める事に。鳶という初めて出会う職業に当惑しながらも魅了されて行く貴奈子。<BR>
    変わり者で個性的な鳶達。彼らの軽快な心意気が小気味良く気持ち良い!!

  • 職人さんって素敵ですよね。戦争話がちょっと長すぎて、読みたくなくなっちゃう感じでした。

  • 明るくておもしろい話です。特にオチがあるわけでもないんだけど。鳶職人の世界にちょっと触れることができます。

  • めっちゃ面白かったです。鳶の方たちのカッコよさにしびれましたし、主人公やその両親の言動が自分の家族を思い浮かべたりしたりして読めました。ツミちゃん可愛いな。

  • 隣の酔っぱらったおじさんの話を二時間正座で聞かされたような読後感。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ヒキタ クニオ
1961年、福岡県福岡市生まれのイラストレーター、クリエーター、作家。1986年、九州産業大学芸術学部デザイン科卒業。大学在学中に日本グラフィック展で奨励賞受賞。1988年、JACA日本イラストレーション展銀賞。1998年にCD-ROMで、ブラウン管で読む小説「ブラノベ」『ブラノベ人生画報』を発表以降、作家業を営む。作家代表作に、2006年に第8回大藪春彦賞を受賞した『遠くて浅い海』。ほかの作品に映画化された『凶気の桜』『鳶がクルリと』、『触法少女』など。2019年10月に、『「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」―男45歳・不妊治療はじめました』 が実写映画化される。

ヒキタ・クニオの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×