仮想の騎士

著者 :
  • 新潮社
3.50
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本棚登録 : 97
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104424016

感想・レビュー・書評

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  • 第12回 日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞

     導入部分で登場する、イタリア訛りのあるフランス語(文章は関西弁)を操る『ジャック・カサノヴァ』なる人物が主人公かと思ったが違った。いつも美女と間違われる『デオン・ド・ボーモン』という騎士階級の人物(男性)が主人公。
     カサノヴァが気に入って読み始めたが、読み進めるうちに「カサノヴァってもう出てこないの?」という疑問が浮かぶが、ちゃんと出てきたので一安心。
     上に挙げた2人の他にも、内気なルイ15世や、事実上の政権掌握者ポンパドゥール夫人、ロシアの女帝エリザベータに、謎の人物サン・ジェルマン伯爵などが登場。
     歴史に疎い為「これは史実なのか?」というのが最後まで読んだ感想。試しに『デオン・ド・ボーモン』や『サン・ジェルマン』などで検索してみる。・・・どうやら事実のようである。
     内容は1751~57年のフランスが舞台。時代背景などが当時の事件や出来事とリンクしていて、豆知識なども満載。勉強になります。
     歴史小説という感じを受けず、ファンタジー仕立てでさくさく読めました。

  • 2000.01.01

  • 初めてであったのは中学のとき。
    怒涛の展開についていけぬまま(特に後半)わーーー!ってなってるうちに読み終わっちゃったというのが正直なところ・・・
    (もっとも、私は本読んでるときに「わーーーー!」ってなるのが好きなので、あんまり深く読み込んだり考えたりしない性質ですが。)

    高校でも読みました。
    読書感想文を書いたような・・・「仮想」ってとこにポイント置いて書いたんじゃなかったかな?違ったかな??

    うん、で、また最近読みまして。
    もう「わーーー!」ってはならなかったな(笑)
    でも十二分に楽しめました。
    設定が好みだったんだろうな。あと、文章も。
    上等な感じではないけれど、さらっと、でも匂いが残るような言葉の選び方です。
    何度も出てくる百合の香のイメージかもしれないけど。

    舞台はロココ時代のフランス宮廷。錬金術も絡んだりして、なんとも妖しい雰囲気のなかでストーリーは展開します。

    その後のデオンが気になって気になって・・・!!!
    斉藤さん、その後本出してないんですよね・・・。


    「彼は権力に犯されたのだ」っていう1文が。
    初めて読んだときから、ものすごい印象に残ってて(笑)
    今回も、笑ってしまいました。
    (彼は美形ゆえに、密書を渡す相手である女王様に夜伽(男でもそういうのかな?)を命じられてしまうのですよ。騎士の使命感から・・・・・。)

    ちなみに、イタリア語は関西弁で表現されてます。
    なんかイメージに合うんだなぁ。

  • 無知な為、実在の人物とは知らずに、帯の「日本ファンタジーノベル大賞」の文字に惹かれて読みました。
    ファンタジーにときめきや爽快感を求める私には、重要な部分以外はあらすじの様に進んでいく文章は詰まらなかった。
    ロシア副宰相の姪エカテリーナ嬢以外の人物にはなかなか好感が持てず、読み進めるのも後々の展開に期待をしていなければ苦痛に近い。

    実在した本人について調べたうえで本の内容を鑑みると展開の面白さも多少理解出来たが、小説として、あらすじっぽさはやっぱり好みではない。

    けれど、「知らぬは本人ばかりなり」的な展開は純粋に好きです。

  • 第12回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
    18世紀フランスに実在した女装もした騎士デオン・ド・ボーモンを描く。
    とにかく美貌~といっても本人にはたまたまのこと?
    子供の頃は、少女としか思われない。
    男の服を着ていても、乗馬のためかと思われるほど。

    ルイ14世亡き後、幼いルイ15世にかわって実権を握ったのは、ドルレアン公。
    ドルレアン公が起用したジョン・ロウの政策で、経済は破綻した。
    ルイ15世は大柄で役者のような美男、最愛王と呼ばれた。
    美男だったことしか歴史に残っていないという王…
    国王の従兄コンティ親王にデオンは仕え、いわばスパイのような仕事をすることになる。
    騎士(シュバリエ)とは、貴族では一番身分が低い。
    身分違いの幼なじみ、ロゼクロワ侯爵の娘クリスティーヌに、恋文を送ることが生き甲斐だった。

    デオンは、国交のないロシアに密使として乗り込むために女装するのだが。
    スコットランドからフランスに亡命した外交官ダグラス・マッケンジー師は毛皮商人に化け、ボディガードのデオンは、その姪のリア・ド・ボーモンとして同行。
    ところが刺客に襲われ、ダグラスは脅えて国境まで逃げ帰ってしまう。
    デオンは単身、都に乗り込む。
    女帝エリザヴェーダのフランス語の読書講師となることに成功するが、女帝はいっこうに講義を受けようとはしない。
    ピョートル大帝の娘でロシア第一の美貌を誇る女帝は、美人が嫌いだったのだ。
    実は男性だと明かし、若い美男なら好きな女帝の機嫌を取ることに成功する。

    カザノヴァやルイ15世、ポンパドゥール夫人、ロシアのエリザベーダ女帝、同じ時代の大物をどんどん登場させ、歴史のおさらいにも?
    ヴェネツィア出身の大男ジャック・カザノヴァが大阪弁を喋るのも妙に板についていて、おかしい。

    後半は、ファンタジー色が強くなります。
    またたくまに宮廷で人気を博すようになったサン・ジェルマン伯爵は、謎の人物。
    彼に病気を治して貰うと不死になってしまうという噂が立つ。
    デオンの家庭教師だったこともあり、まったく老けていない様子に驚くデオン。
    じつは錬金術師だった…
    サン・ジェルマン伯爵がいるところへ、王や寵姫、カザノヴァまで、一堂に集めたあたりは圧巻。

  • なんかちょっと物足りない…。

  • ルイ15世が統治するパリで、女性以上に美しい騎士デオンの物語。NOVA1の「ゴルコンダ」が面白かったのでこちらも。西洋史には詳しくないので全く知らなかったのですが、実在の人物をモデルにしていたことを調べて知りました。デアンの不幸な巻き込まれ体質などのコミカルな展開だけでなく、終盤の予想外の展開が素晴らしかったです。読み終わって初めてタイトルが実に秀逸だったと感じさせられました。アルケミーもですが、作者は駄洒落が好きですね、絶対。

  • 確か中高生くらいのときに読んで、すごく惹きこまれてぐいぐい読んだ挙句に、最後にどんでん返しを食らってもうびっくりした。
    そのあとロシア史の本を読んでて、主人公が実在の人物だということにもびっくり。

  • NHK・FMのラジオドラマ青春アドベンチャーで聞いたのがきっかけです。
    ラジオドラマも面白かったけど、原作も負けず劣らず面白いです!

    登場人物は実在した人達なんでしょうか?どこまで史実に沿っているのかは分かりませんが、それでもとっても楽しめます。
    とにかく登場人物がみんな個性的で、展開もドラマチックできらびやか。なのに不運な主人公が不憫で不憫で・・・。ラストは救われるのかと思いきや、衝撃の結末が待っていて、それでも運命を受け入れる主人公が素敵です。

  • 絢爛豪華(歴史上の人物とその配役が)、怪しくて妖しい、軽やかで気づけば闇のなかにいる。歴史ファンタジー。
    ルイ15世の時代(七年戦争とか三枚のペチコートとかあのへん)。仏露間を行き来する(不本意ながら)女装の密使。

    催眠術師メスメル、寵姫ポンパドール夫人、なによりルイ15世の造形が良い意味でファンタジー、かつ人間として魅力的で大好き。
    話の展開も軽妙で緩急が付いてて、カメラが年表レベルに引いたり、デオンの記憶にまで寄ったり。ファンタジーとして大事と思うけど、要所要所でうすら寒く薄暗く。

    とても気に入って何度も図書館で借りて結局買った。

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