- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104431014
感想・レビュー・書評
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ツッコミどころは多いんですけど、
当時はバトルロワイヤルも出てきた後ぐらい(うろ覚え)で、バトロワよりも短くまとめられている。
ホラーミステリー大賞の第1回受賞作かなんかで
映像化も賞品にあったけど、これは無理だろうなって思ってました。
凶悪な生徒達に対する無敵のおばさん教師の復讐劇 ラストまでの展開が色々とあって読ませる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1回ホラーサスペンス大賞大賞受賞作。生徒を人質に教室を占拠した女教師の話。
D組の担任近藤亜矢子は卒業式を明日に控えた生徒たちに笑顔で銃口を向ける。あなたたちは人質だと言われ、最初バカにして笑っていた生徒たちも1人目が何の躊躇もなく亜矢子に殺されると、とりあえずは黙って彼女の指示に従う。
だが亜矢子は知っていた。彼らが子供の皮をかぶった化け物だということを。そして前代未聞の監禁事件に挑む警視庁捜査1課弦間は、亜矢子の罠によって部下を失いながらも確実に教室へ近づいていく。一体亜矢子の目的は何なのか? タイムリミットの翌日12時が刻々と近づくなか、亜矢子は生徒たちに血の制裁を1人、また1人と下していくのだった――
生徒たちがどいつもこいつもヤクザ級の不良。これではどっちが悪者かわからないくらい。とはいえ、やはり理由はあれど、亜矢子の行為にはどうしても不快感が伴う。
よく練ったストーリー展開でラスト二転三転するのは面白かったが、動機がね。あまり説得力がない。
あとこれは書き方の問題なんだけど、やたら漢字を使いたがるのが気になった。たとえば「残念乍ら」は「残念ながら」でいいじゃん。こんなのはまだまだ序の口で、作品中何度もいらないところで漢字を使ってるので、読むリズムを崩された。 -
どなたかの感想で、無駄に一般的ではない漢字を頻出させる為、読むリズムが崩れるという感想があった。
確かに「乍ら(ながら)」や「頓に(とみに)」、「眦(まなじり)」「飽く迄も」等、あまり使わない。
読むリズムは崩れるという感想には共感できた。
本作は第1回ホラーサスペンス大賞とのこと。
選考委員の宮部みゆき氏が『本作を一読して「バトル・ロワイヤル」を思い出した。』と記載していたし、自分も『バトル・ロワイヤルに近い内容を読みたい』と思って本作を手に取った。
ただ、正直、「ぅ〜ん。。。」と言った印象で終わった。展開が広がらないというか、先が無いというかそんな印象を受けた。勿論、「悪の教典」とも異なります。ということで、3.5よりの☆3です。
あと、「ヘリウム24」って結局、何⁇
ヘリウムの原子記号は2じゃなかったっけ⁇ -
苛烈な内容。ある少女の死から始まった、復讐劇。復讐というのは生ぬるい。まさにタイトルの通り粛清だった。一切の情け容赦がなく徹底的に、容易く殺されていく生徒たち。復讐ものにありがちな痛快という雰囲気はなく、重苦しい雰囲気が漂う作品。だが、面白い。
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図書館のビブリオバトルで紹介された本って事で展示されており、面白そうだったので借りて読んでみた。
初読の作者さん。
復讐の話。揃いも揃って最低な奴らばかりいるクラスだった。あ、一人例外いましたっけ。
最初、シュチュエーションが3年A組っぽいと思ったけど、明らかに殺しちゃってたので全然ちがいましたね。
少年法といい、日本は未成年に甘すぎることは常々感じていたので、この本をたくさんの未成年の人たちに読んでほしいけどそういうことをしでかす人たちはそもそも本読まないですね。 -
おもしろかったです!
ぐいぐい引き込まれました
主人公の女性教師が短期間に戦士に鍛えられたようで
その行動がすごかったです
また周到な準備も万全で、教室立てこもりから
警察との交渉などぬかりなかった
そして最後に明かされる諸々の***
復讐のための殺人劇でした
この著者の作品は、以前に「てのひらに爆弾を」を読んで
面白かったのでこの作品も気になり読んでみました
その他の作品も気になります -
「バトロワ」はパロディー。樓主としては残酷描写云々より3年B組金八先生製作サイドがクレームを付けなかったことの方が奇蹟だと思うのだけれど。
「粛正の扉」は真面目に真面目に研究してオリジナルを作ろうとしたもの。
この二つを一緒に比べるのは土台無理。エンターテイメントパロディーと現代社会戯画だったのだから。
「粛正」は可哀想だった。(話というよりその作品の取り上げられ方が)
「バトロワ」の方が面白いのだ。その後に「粛正」は出てしまった。若い子達が支持するのは圧倒的に「バトロワ」だった。なぜなら、彼らは感情移入しやすい。主役は普通の子供達であったから。
「粛正」は教師が主役で、殺されても仕方ない生徒達がどんどん殺されていく。だから、読んでいて心が痛まない。むしろいっそ気持ちよいぐらいだ。しかし、そうして気持ちよく人を殺すために、その生徒達の個性は薄く乏しくなってしまい、射的の「的」みたいになってしまったのだ。こちらの物語は大人が支持をする。
娯楽小説だから、「バトロワ」が面白いのは当たり前だ。「粛正」には、樓主の偏見かも知れないけど『俺は真面目にお堅く、現代社会の縮図を書いてるんだぜ!』という気位の高さがある。ところどころの、別にひらがなでいいじゃないという文字を漢字で表すところなどに、(そしてルビを振らなかったり)、排他的な作者の気持ちをくみ取ったのだけど。
「粛正」はだから、万人受けを狙わない硬派であった、とも言える。これが超軟派の「バトロワ」と対比されてしまったから、可哀想なのだ。 -
発表当時、教師に危害を加える生徒の話が問題になっていた。これは逆に教師が生徒に危害を加えたら?という発想から書かれた作品。
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殺人鬼と化した女教師の目的とは…?
出版の時期的に、バトル・ロワイアルと比較される事が多かったそうですが
いま読んだ私の感想は、女教師の暴走という共通点から「告白」を思い出しますね。
ていうかそっくり…?