神たちの誤算

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104470020

作品紹介・あらすじ

不妊治療、妊娠中絶、出生前診断…。人の「いのち」に関わる日々の中、ボストンの病院で働く女医・久保田春生の悩みは深い。人が神の役割を演じることは許されるのか?生殖医療の現場を舞台に、連続する日本人女子留学生の変死事件を縦糸にして、生き方を模索する女性の姿をミステリー・タッチで描く書下ろし長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 中絶はたしかに赤ちゃんの命を奪っているが、世の中にはいろいろな理由があってどうしても中絶せざるおえない場合があるからただやみくもに「中絶はいけない」といって反対するのはよくないと思う。

    神の存在ひとつで片付けられるほど私たちの命は単純じゃなく、いろいろな事情とか、理由があって存在している。
    だからといって神の存在をまったく無視してクローンや遺伝子を操作するのもよくない。確かにそうすることによって幸せになる夫婦が増えるのかもしれない。けれどもこの世は「しょうがない」と妥協する事で保たれてる幸せもあるのではないか。きっと何もかも妥協せず、何でもつくりだせる世の中になったら何かが壊れてしまうだろう。

    神の存在に執着しすぎて考えをせまくするのもよくないけれど、神の存在を無視してやたらに命を操作するのもいけない。

    結局神とは存在しているが、むやみやたらにその存在を主張しない「沈黙の存在」であることが一番いいのではないかと思った。

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著者プロフィール

エッセイスト、翻訳者、洋書レビュアー。1995年よりアメリカ在住。
自身でブログ「洋書ファンクラブ」を主幹。年間200冊以上読破する洋書の中からこれはというものを読者に向けて発信している。
2001年に小説『ノーティアーズ』(新潮社)で小説新潮長篇新人賞受賞。翻訳書には、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(糸井重里監修、日本経済新聞出版)、スナイダー『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、ソルニット『それを、真の名で呼ぶならば』(岩波書店)など。著書に『新・ジャンル別 洋書ベスト500プラス』(コスモピア)、『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』(亜紀書房)、『アメリカはいつも夢見ている』(KKベストセラーズ)など、多数がある。

「2023年 『男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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