針がとぶ Goodbye Porkpie Hat

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 637
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104491025

感想・レビュー・書評

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  • 一風変わった雰囲気の短編を、
    とりとめもなく並べているのかと思って読み進めていたら。。。

    お話ごとに添えられた挿画のスタンプをぽんぽんと紙に捺していたら
    いつのまにか、不思議な国の地図が出来上がっているような。。。
    大人のための素敵なスタンプラリーみたいな短編集なのでした!

    目に見えるものに潔く「グッドバイ」と告げ続けながら
    心に引っ掛かったものはすぐ左の掌に書きつけ、日記に残す女性詩人。

    浜の砂が積った人気のない駐車場を「月面」、
    そこにどこからともなく現れる黒猫を「コクテン」と名付ける青年、バリカン。

    「自転車修理人」兼「鳥博士」兼「雑貨店店主」として
    旅人が必要とするものを魔法のように準備してしまうパスパルトゥ。

    30分の1の幸運の贋ルビーの入った乳白色のジンジャーのアイスクリーム。
    『常夜灯が好きになってしまった天使の話』や、
    幸福だった頃の記憶を反芻して毎日用意される「最後から二番目の晩餐」の食卓。

    などなど、吉田篤弘さんならではの、心惹かれる人々や風景が
    ふんだんに散りばめられて

    「ないものはない」パスパルトゥのお店には
    この素敵なスタンプラリーを完成させるためのスタンプ帳も
    きっとあるのだろうな、と想像を膨らませてしまう、不思議な本です。

  • 「針がとぶ。そこに、わたしの聴くことのできない音楽があった。」
    表題作のこの文章に痺れた。
    有るのか、それとも無いのかは、結局のところ捉え方次第。

  • 青い余韻。月を眺めたくなる。

    短いお話が、少しずつリンクしている。
    それは、とても自然に、
    記憶の欠片がキラリとするぐらい静かで小さくて。
    けれど、温かく、なぜか懐かしい気持ちになる。

    針がとぶレコードの、そこにある聴く事のできない音楽。
    聴けない音楽を想像するように、
    見えないものや消えてゆくものを想う人たち。

    この7篇(+1篇)の、繋がり、本には描かれていない物語。
    あるけれどないもの。そこに見える風景や音を、想像しては愛しく想う。

  • 短編集かと思いきや、細い糸で繋がった連作でした。

    「月と六月と観覧車」にミルリトンのイタリアンレストラン・アンジェリーナの皿洗い士・バリカンが出てきて何やら嬉しい。

    「金曜日の本」と、おばあさんの日記の「少しだけ海の見えるところ」が特に好き。
    特に日記の方は、本当にすてきな言葉ばかりですべて引用したいくらい。

  • パストゥルトゥ
    路地裏の猿
    情景が浮かぶ

  • 2017.08.29 図書館

  • 各々エピソードのキーワードが素敵。

  • 小川洋子さんの解説にあるように読み終わったときとても長い旅をしてきたような錯覚に陥るそんなお話。吉田さんの文章にとても惹かれる。雨の日に静かなあたたかい部屋でゆっくり読み返したい。

  • 吉田篤弘さんの本は、特別に興奮するとか悲しいとか感動するとかはないけど、何故か読みたくなります。読むと落ち着く。
    これもそんな本でした。
    短編の一つ一つが、どこかで少しずつ繋がっていてほんのり不思議な世界観。

  • 2014 6/23

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著者プロフィール

吉田篤弘(よしだ・あつひろ)
1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている。著書に『フィンガーボウルの話のつづき』『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『木挽町月光夜咄』『電氣ホテル』『台所のラジオ』『金曜日の本』『神様のいる街』『あること、ないこと』『雲と鉛筆』『おやすみ、東京』など多数。

「2018年 『おるもすと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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