ソラシド

著者 :
  • 新潮社
3.57
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本棚登録 : 604
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104491049

作品紹介・あらすじ

拍手もほとんどない中、その二人組は登場した。ひとりはギターを弾きながら歌い、もうひとりは黙々とダブル・ベースを弾きつづけた。二人とも男の子みたいな女の子だった。彼女たちの音楽は1986年のあの冬の中にあった――。消えゆくものと、冬の音楽をめぐる長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • すごくいい。
    すごく好き。
    出来ることなら★を100こ並べたい。

    ものすごく優しいお話。
    でも、ちょっと寂しい。
    そして、じんわりと温かい。

    「おれ」は探し物をしている。
    いや、「おれ」だけじゃなく、みんなが探し物をしている。
    探し始めた時には自分が何を探しているのか正確なところは分からない。
    だんだんと見えてくる。
    そうすると最初にイメージしていたものとは違うものだったことが分かってくる。
    いよいよ探し当てたと思い、「そうだったのか」と納得しようとすると、また新たな探し物が始まっている。
    気付かないうちに。

    「この物語はこういう物語です。」と言い切れません。
    ただ、とても美しい物語です。
    とても美しいものが描かれていると思います。

    • takanatsuさん
      ぴちほわさん、コメントありがとうございます。お久しぶりです♪
      この小説は本当にオススメです!
      機会がありましたら是非お読みください♪
      ぴちほわさん、コメントありがとうございます。お久しぶりです♪
      この小説は本当にオススメです!
      機会がありましたら是非お読みください♪
      2015/02/02
    • yocoさん
      こんばんは^^
      こちらのレビューを読んで本書を読みました。素敵レビュー過ぎて、読み終わった後に見返すと書かれていることが改めてよくわかる気...
      こんばんは^^
      こちらのレビューを読んで本書を読みました。素敵レビュー過ぎて、読み終わった後に見返すと書かれていることが改めてよくわかる気がします。
      静かで少し寂しげなんですが、心地いい音色もあり温かさもあり、美しくもいい小説でしたね。
      素敵なレビューありがとうございます^^
      2015/02/17
    • takanatsuさん
      yocoさん、コメントありがとうございます。
      この本の好きなところを言葉にするのが難しくて、なんだかよく分からなくなってしまったな…と思っ...
      yocoさん、コメントありがとうございます。
      この本の好きなところを言葉にするのが難しくて、なんだかよく分からなくなってしまったな…と思っていたのですが、わかる気がすると言って頂けて本当に嬉しいです。
      yocoさんのレビュも読ませて頂きました。
      この本の空気が伝わってくるレビュでとても好きです。
      そうそう、そうなんですよね!と頷きながら読みました。
      映画になったら私も絶対観たいなと思います。
      でも本が好き過ぎて、これ以上には好きになれないかも…とも思いますが…(^^;)
      2015/02/18
  • 雨の様に降り注ぐ
    幾千もの言葉を
    日々、ぼんやり目にしつつも
    思わず(はっ!)と、手で受け止めたくなる様な
    キラリに出会う事がある。

    それは自分だけに光るキラリ。

    音楽好きの彼が
    パラパラ捲っていた雑誌に掲載されていた
    ほんの小さなコラム。
    その記事がキラリと光った。

    (誰?聞いた事もないアーティスト…)
    それがソラシド。
    どうやら女性2人のデュオらしい。

    彼女達のコメントや弾いている楽器も気になる…

    早速NETで調べてはみたものの、
    彼女達は派手な活動をしていなかったらしく、
    全く手がかりがつかめない。
    でも、
    何故か追っかけずにはいられないし、
    そうせざるを得ない事情も出来た。

    それから
    彼がソラシドの足取りを巡る物語は
    まるで何千枚ものレコードを並べ(勝手に思い描いております。)
    一枚、一枚、のんびり視聴でもしている旅の様な展開となった。

    活字を追っているだけなのに、
    頭の中ではゆるいメロディーが勝手に流れ出す。
    ザ、ザザザ…時折味のある雑音まで混じりながら。

    なかなか出会えないソラシドだが、
    キラリ光った時点で、もう会っていたのではないだろうか…

  • 吉田さんの本を読むといつも静かな気持ちになる。まわりの空気が濃くなって、優しくなる感じがする。それがすごく好き。
    大事なものは意識しなくても側にあって、でもそれに気付かないで探してしまうものなのかもしれない。
    どんな話なの?と聞かれたらうまく説明できないけど、素敵な本だよと答えられると思う。

  • 耳元で心地いい音楽を聴いた後のような、すごく素敵な気持ちで読み終えた本でした。
    全体的に落ち着いたトーンで、コーヒーの茶色から始まり、ニューヨークのグレイ、冬の吐息の白、と浮かび上がるシーンが美しくて、なんとも言えない不思議な世界に迷い込んだようです。

    過去と現在、現実と空想が入り混じった世界は、映像がとにもかくにも美しい。古着屋とバー、世界の果てのような白い荒野、ダブル・ベース「エレファント」、1つ1つのシーンがにくいくらいに素敵で、とにかくうっとり。これは、映画化してほしい。
    美しいシーンも然ることながら、本書に登場する音楽を聴いてみたい。

    音楽には疎い私ですが、とある場面では鳥肌が立つくらい全身ぞわっとしました。読み進めるうちに、本当に耳元に音楽が聴こえる気がしてきます。

    冬を切り取ったような冷たさと一緒に、じんわりとした温かさが同時に楽しめることも魅力的だし、音楽で震える空気感も病みつきになります。

    装丁もすごく素敵で何度も眺めてしまいます。冬に読むのにお勧めな1冊でした。

  • もう まだるっこしいなぁ
    と 思うか
    いいねぇ このまったり感
    と 思えるか

    もちろん 後者になれる人は
    独特の浮遊感が
    なかなか たまりませんでしょうねぇ

    小説の筋というよりは
    そこに描かれている雰囲気を楽しむ
    そこが
    この 小説を楽しむコツでしょうか

    それにしても
    表紙の レコード は
    どんな 音楽 なのだろう と
    ずいぶん 気になってしまいます

  • 意見は言葉で出来ているけど、

    思いは言葉になりにくいよね。

    ***********************

    前半は「これずっとこんな感じなのかな?(まあいいけど)」と思って読んでいたら、主人公によるソラシドの物語が書かれ出して、がらりと変わった。特にキーとなる双子の話が出てきたところから、胸がきゅーっとなった。きゅーっと。


    ”ひとたび存在したものは、誰かの中で生き続ける――”

    わたしには、妹がいるけど双子じゃなくて、妹が困っていたら助けてあげたいって思うけど、きっと双子の兄弟っていうのはそれ以上にお互いを思っているんだと思う。だって、自分の分身、片割れ、だもんね。想像でしか気持ちを汲んであげることができないけれど、自分の分身が消えるということは、自分の中に戻ってくるってことで、それは消失ではないんだと思う。なくなってしまったものの不在を嘆くのではなくて、自分の中に存在させる。ちょっと眠るからあとは頼んだよ、起こさないでくれよ、と。


    ”「いえ、私のことなどもう忘れてください」と、彼らが望んだとしても、彼ら自信、この世から消え去ることは出来ない。”

    わたしも誰かの、そのような存在になれたらいいなと思った。

  • 吉田篤弘先生の長編初めて読んだな・・・
    おおまかなエッセンスはいつもの吉田ワールドだけど、大筋のある長編だとこんな風になるんだな・・・

  • あらすじ
     おれ「ヤマシタ」は多分50歳代前半。若い頃は写真週刊誌のレイアウトを担当し、今はライター。音楽、特にレコードが好きでお金のすべてをつぎ込んでいた。亡くなった父親の後妻は自分より1つ下で、今26歳の腹違いの妹がいる。
     ある日、ふと26年前の雑誌から、ダブルベースの女性デュオ「ソラシド」を見つけ、当時その音楽を聴いたことがなかったことから興味を持つ。自分が住んでいた「空中長屋」、まずいコーヒーの喫茶店、デュオのソラとカオル、二人に音楽を依頼した映画監督などに思いを馳せながら行方をたどる。

     面白かったー。ぜひまた読みたい作品。吉田作品にしてみたら、ストーリーがあるし、登場人物の気持ちもわかりやすい。別にストーリーがなくても好きな作家だけど。四半世紀前って昔だよねーと思いながらも、変わらないものや、まだ動こうとしているものもある。いろいろだなーと思いながら読んでいることを楽しむ作品。

  • 謎の女性デュオ・「ソラシド」。
    1986年と現在をリンクしながら、彼女達の足跡をたどる主人公ヤマシタと、腹違いの妹・”オー”。
    レコード、不味いコーヒー、ダブルベース、小さな映画館…。
    雑多なものは淘汰され、洗練されつくされたように一見見えても、実はひっそりと息づいていたりする。あの頃の冬の空気と共に…。
    路地裏の雑貨屋のような、独特の空気感が漂う物語です。

  • ソラシドという女性デュオを探す。
    C0093

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著者プロフィール

吉田篤弘(よしだ・あつひろ)
1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている。著書に『フィンガーボウルの話のつづき』『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『木挽町月光夜咄』『電氣ホテル』『台所のラジオ』『金曜日の本』『神様のいる街』『あること、ないこと』『雲と鉛筆』『おやすみ、東京』など多数。

「2018年 『おるもすと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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