終わり続ける世界のなかで

著者 :
  • 新潮社
3.45
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本棚登録 : 80
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104506026

作品紹介・あらすじ

1999の年、7の月…ノストラダムスの予言どおりには、世界は終わらなかった。「伊吹ちゃんは、今も世界が滅びるって信じてるの?」日本ファンタジーノベル大賞受賞から10年。迷いながら生きのびる伊吹の心の軌跡を辿り、同時代の魂に問いかける、渾身の長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • ノストラダムスの予言通り1999年に世界が終わると信じてしまった1969年生まれの少女が「その時」を超えるまでの物語。
    小学生時代は親友と共に世界を破滅から救おうと考え、高校時代は親友との距離に悩み、大学では「世界救済委員会」のサークル内で人間関係に悩み、社会に出てからも自分と世界との関係の狭間で揺れ動く主人公。
    冒頭を読み始めて「苦手かも」と思ったものの、読みすすめたらぐいぐい引き込まれた。
    彼女の考えが私にとって「痛い」のは私が「口先原理主義者」で彼女の考えがよく判ると共に「そのように」生きてこなかったから。

    終章で主人公は一応の決着を見るが、この先も彼女は周りの人々に影響を受けながら傷つき、傷つけ生きていくのだろう。
    「みんなが一人で一人はみんな」なのだから。

  • タイトルに惹かれて読んだ本。
    ノストラダムスの予言に怯えた少女がその後どう生きたかを描き、人生とは何かを作者なりに伝えた本。
    ノストラダムスの反論やいくつか出てくる宗教に対する反論など、作者の考えが如実に表れて、「なるほどね。」と思いながら読むことが出来ました。
    共感できる部分も出来ない部分もあると思いますが、生きていくということをもう一度考えるきっかけになると思います。
    悩める人におすすめ。

  • 読みながら、どんどん登場人物がイヤになってくるのに、最後まで読んでしまった。

  • 電子書籍で読了。

    小学生の時に偶然テレビ番組で知った「ノストラダムスの大予言」に影響され、終末思想にとらわれてしまった女性の半生を描いた小説。

    何とも不思議な肌触りの物語で、おそらく読者を選ぶタイプの小説かと思うが、主人公と同世代の自分としては、比較的すんなり世界観に入っていくことが出来た。

    主人公のキャラクター設定も、基本ネガティブで自主性に欠け、人によってはもどかしく感じられるのだろうが、様々な人々との出会いと別れを通じて、少しずつ自分なりの生き方を学んでいく過程が丁寧に描かれており、テーマはさておき、一人の少女の成長物語として読むべき作品だろう。

  • 難しいー。作中いろいろな考えが出てくるけど
    なぜ生まれたのか、生きていく意味、答えなんかは出ない。全部が正しいのかな。とりあえず頭使う。
    でもなんだかんだで最後まで気になって読んでしまった。

  • なんだかとてもよく分かる気がする。
    真剣に生きるということ。
    真剣に生きるというのは実は辛いことだ。
    人は、常に真剣でいることは難しい。
    真面目でいようとすると、真剣になれない時の自分を責めてしまうこともある。
    主人公と私は同じ年。
    なんとなく主人公と自分が似ているとさえ思った。

  • それでも人生は続く。

    濃い。300ページ以降は一言一言が深い。
    特にP.340は必読。

    終わり続ける、というタイトルは秀逸。

  • 前半、無理かもしれないなと読むのをやめようかと思いつつ、どう終わるのか知りたくて読み進め、結局最後まで興味深く読めたのはやっぱり作家さんが上手なのかな。
    それにしても、前半は特に、気持ちがザワザワしてなんとなく不安感を感じる本だった。

  • 「ノストラダムスの大予言」は中学生の頃にやっぱり熟読したけれど、この作品の登場人物のように「世界が終わる」と思い詰めたりはしなかった。そこがピンとこないので、登場人物の言動にたびたび無理を感じてしまった。しかし、自分が周りとしっくりこない、そんな時期、特定の思いや感じ方にとらわれて苦しい思いをする、その感じはよくわかる。大学の文化系サークルの青臭い感じも懐かしい。これだけゴツゴツした思考の流れをぐいぐい読ませる著者の筆力はすごい。たいした力業だ。ちょっと高橋和巳を思い出した。

  • 日本の直近世紀末の出来事を題材に一人の少女の心の動きが綴られた物語でした。
    モチーフに『ノストラダムスの大予言』、出来事に阪神大震災、オーム心理教事件、バブル期などまさに世紀末的な時事背景の中で一人の女性の心の動きが上手く表現されていました。
    私も多感な思春期15歳(1973年)に『ノストラダムスの大予言』を読みカブレました。知人の兄が『ノストラダムスの大予言』に感化され友人関係や受験に悩む中、尊い命を自ら絶ったことをリアルに思い出してしまいました。主人公とは11年ほどの世代差が在りますが感ずるとこは異て遠からずといったところです。
    誰しも思春期から大人になるまでの間は題名どうり『終わり続ける世界のなかで』という言葉が当て嵌まる時期です。自分の成長の中で周囲でおこる色々な出来事をうまく消化できない、そんな不器用で生真面目で繊細な心を持つ主人公の物語は切なくも人間味タップリの一冊でした。

    読後感=引用:『みんなが一人で、一人がみんな』

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