しゃばけ

  • 新潮社
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本棚登録 : 2717
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507016

作品紹介・あらすじ

江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 妖が見え、身守られてもいる若旦那。薬を求めてきた客に襲われるが、その後同じような事件で薬種屋が襲われていき。

    前から気になっていたシリーズ。体の弱い若旦那と幼い頃からそばについている妖の手代二人。いかにも頼りない若旦那は、当初ボソボソと愚痴ともつかぬ感じで話すので、どうかなという感じもあったけど、徐々に胆力にあるところと、他人への思いやりも見えてきていい感じのキャラクターと思えてきた。

    妖や菓子屋の永吉とのやり取りも良いテンポで、シリーズの作品も読んでいきたくなった。

  • 初めて畠中恵さんの「しゃばけ」読んだ。作品名も作者名も出始めの時から知っていたけど今になってやっと読んだ。このあと続々とヒットが続いているけどその魁の作品、さすがに面白い!一気に読み終えた。二昔も前に出た本だけど全然色褪せてない。食わず嫌いだったのが勿体ない気持ち 笑。

  • 江戸の大店「長崎屋」の一人息子「一太郎」。

    生来、体が弱くすぐに寝付いてしまう一太郎の出生の裏にある
    大きな秘密と、妖が見える謎が血生臭い事件と絡み合いながら
    人と妖の世界を楽しく、切なく、一気に惹き込んで見せてくれる
    しゃばけシリーズが大好き。

    妖よりも恐ろしい人の世界。
    人の欲にはきりがなく、時に自分の身さえ滅ぼしてしまう。

    100年を過ぎ大切にされてきた"物"には魂が宿り、付喪神へとなる。
    人が不老不死の夢を見るように、"物"は付喪神になることを願う。

    命あることはとても大切で、本能としても"生きる"ということを
    欲してしまうけれど、根幹だけに囚われて
    欲で目の前が見えなくなってしまうのは本末転倒でとても切ない。

    限りある時間を大切にしながら、その時間を周りにいるみんなと
    穏やかに幸せを持ちつ持たれつしながら大切に生きたいなと
    しゃばけを読むたびに心から思う。

    生きる命、生きたいと願った命、生きて欲しいと願われた命。
    すべてすべて大切で、生を受けるということは
    うれしいことばかりではないけれど、今ある命も、消えてしまった命も
    すべてが交わって1つの世界であることを忘れずにいたい。

    一太郎の優しさがすべてをあたたかく解いてくれるといいなぁ。

  • とうとう「しゃばけ」シリーズを読むことにした。
    体の弱い薬屋の若だんなと愉快な妖たち。一太郎はほとんど寝たきりという程体が弱いという割には、結構しっかりとした考えや知識を持っていて、頼もしいとまではまだ言えないが、今後シリーズを読んでいく上で好感の持てる主人公だった。周りの妖たちがまた愛すべきキャラクターばかりで、続きを読むのが楽しみだ。
    早速、家で物音が聞こえたら「鳴家だな!」と思うほど影響受けやすい私(笑)

  • <目次>


    <内容>
    『しゃばけ』シリーズ第1弾。なるほど、面白く、謎も伏線からうまく書けている。ちょっと前半がたるいかも知れないが…。

  • だいぶ続刊が出てるので、本当に今頃なのだけど。
    Twitterで見た鳴家のかわいいかわいいイラストに惹かれて読み始めました。
    イラストを裏切らない、魅力的なキャラクターと面白いお話。
    途中からわくわくが止まらなくなって後半一気に読み上げました。

    続きも楽しみ!

  • 今までに読んだことのないジャンルで、江戸時代の登場人物と、その時代の言葉で物語が進む話(フィクションだけど歴史小説みたいな)。なんでこの本を借りようと思ったのか、記憶をたぐりよせてみるとNHK『グレーテルのかまど』でこの本と、おかきが紹介されていたからだったように思う。
    こわごわと読み始めてみたけれど、意外とこれが面白い。主人公は朝の連続テレビ小説『らんまん』に出てくるような大店の若だんな、一太郎。一太郎にはなぜか妖の手代が二人付き添っていて、なにかと面倒をみてくれる。そんな一太郎が殺人事件の犯人(下手人)と鉢合わせし、その後も命を狙われて…というあらすじ。
    なんだかハリーポッターの日本版?と思うくらいに、展開がわくわくするし早く先が知りたいという気持ちにさせてくれる。妖という人間ではない存在と、人間が力を合わせて戦うという展開は鬼滅の刃のようでもあり…。ぐいぐいと引き付ける文章力はこの作家さんの力量さんだろうなあ。そして表紙の絵がかわいらしくて、この妖怪はこれかな?などと見比べて考えるのがまた楽しい。日本の江戸時代の日常を知ることができるのも楽しい。火事に対する備えとかぼてふりとか。
    この先、シリーズがたくさんありそうなので楽しみがひとつ増えてうれしい!

  • 個性的な妖(あやかし)たちの魅力は言うまでもないことだけど、冒頭の江戸の夜の闇の濃さの描写にぐっと引きこまれました。

  • シリアスなものが苦手なわたしはこれぐらいのポップか小説は読みやすくて楽しかったです。
    学園ものとかが好きなので江戸時代を舞台にしている感じはあまり好みではないかなと思っていたのですが、読んでいると登場する妖達とのほっこり可愛い感じに癒されました。

    シリーズものになってる理由もなんとなくわかりました。妖達が可愛らしくなってきます。

    最後の話のオチとしては弱いので、推理的どんでん返しみたいなのは期待してはいけません。

  • 体の弱い若旦那と妖怪たちの謎解き物語。若旦那体弱くて頼りないけど、ハートフルな感じ。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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