ねこのばば しゃばけシリーズ 3

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507030

作品紹介・あらすじ

犬神や白沢、屏風のぞきに鳴家など、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるは、お江戸を騒がす難事件の数々-愛嬌たっぷり、愉快で不思議な人情妖怪推理帖。名(迷?)脇キャラも新登場で、ますます賑わう「しゃばけ」シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • あっさりした解りやすい文章が非常に読みやすかったです。短編だったのも読みやすかった理由かもしれません。

  • <目次>

    <内容>
    しゃばけシリーズ第3弾。これも小説新潮連載は2作で、あと3作は書き下ろしなんだね。「産土」は佐助が長崎屋に来るまでのの前日譚。ちょっと哀しい話。タイトル作の「ねこのばば」は、仏教界の裏事情なのだが、最後は少しいい話で終わる。たぶん広徳寺の寛朝は今後も出てくるのでは?

  • 4-10-450703-2 c0093 ¥11300E

    ねこのばば
    しゃばけシリーズ 3.

    2004年7月20日 発行
    2004年12月25日 9刷

    著者:畠中恵(はたけなか めぐみ)
    発行所:株式会社新潮社



    ちゃきんたまご
    花かんざし
    ねこのばば
    産土(うぶすな)
    たまやたまや

  • しゃばけシリーズの三作目で、五編が収録された短編集です。

    病弱ながらも、事件を解決に導く高い推理能力を持つ若だんなと、個性豊かな妖(あやかし)たちが活躍するこのシリーズは、時代小説が苦手な方でも十分楽しめるのではないかと思います。

    事件の裏側に潜むものに、背筋が寒くなったり、ただただ悲しくなったりするのですが、若だんなの優しい人柄から滲み出る温かな気持ちが、読者の救いになっているのではないでしょうか。
    何より、妖との強い絆が感じられるところが
    良いですね。

    シリーズ一作目から二十年以上経っても、多くの方が読まれているこのシリーズを、いつかは読破したいと思っています。

  • 久しぶりのしゃばけシリーズ。三春屋兄妹を扱った最後のたまやたまやが良かったです。

  • 金次でる。於りんちゃんでる。
    産土はホラー、好きな話

  • 幼馴染が嫁いでゆく話が印象に残った。
    他の話もさらっと気負わずに読めて、面白かった。

  • 978-4-10-450703-3
    C0093¥1300E.
    2004年7月20日 発行
    2007年12月20日 第24刷
    著者:畠中恵(はたけなか めぐみ)
    発行所:株式会社新潮社.

    目次より
    茶巾たまご  小説新潮2004年2月号
    花かんざし  小説新潮2004年6月号
    ねこのばば  書き下ろし
    産土(うぶすな) 書き下ろし
    たまやたまや   書き下ろし
    ----

    茶巾たまご
    病弱な一太郎のはずが人並みにご飯をお代わりする。妖の手代たちも不思議がる。
    茶巾たまご 紙に卵を割りいれ、茶巾絞りにしてゆで、紙をはずした後しょうゆをたらし、もみ海苔をかける。もしくは葛餡をかけて青のりを振る。どちらも一太郎の大好物ではあるが今日のそれにはたっぷりと白砂糖がかかっていた。好きでは無い食べ方だったが無理やり食べされられると砂糖の中から金の粒が出てきた。
    この処商売の方も上々の運び、その原因は何だろうと・・・。
    この処の変わった出来事は下男が一人増えたこと。小売りもする海苔問屋から追い出された男だった。大むら屋は主人夫婦に次々死なれ、店の屋台骨は大揺れ台所は火の車だった。のこされた娘二人の処へ乗り込んできた商い素人のおじ夫婦が店を潰していた。
    そんな店から出てきた金次、はガリガリに痩せて人間の干物の様、なんとも貧相であった。大むら屋の残された娘の一人と一太郎の兄松太郎との縁組の話が持ち上がりかけていたがその娘が死んだと知らせが来た。無くなった姉娘お秋の文箱が無くなっていると言う・・。
     金次は貧乏神だったが大層良くしてくれた家には福の神として働く、しかし金次は出て行ってしまった。待遇が良すぎて居心地が良くなかったようだ。それ以来一太郎は従来通りの体調に戻る。
    金次との碁の勝負は負けぎみのままだ。火鉢の上のヤカンから白い湯気が出ている霜月の離れだった。

    花かんざし
    於りんと言う少女が鳴屋を捕まえたきり離さない。
    材木問屋の娘だった。主の弟とその許嫁のおしろい屋の雛が於りんを待っていた。
    於りんは主の妹の子どもで貰われてきた。於りんの母のおたかはキツネつきでとうとう於りんの子守のおさいを殺してしまう。おたかが於りんを追いかけ回している処を妖達が於りんを保護した直後おたかは川へ落ちてしまう、慌てて引き上げ医者に連れてゆく。その後、おたかは弱って死んでしまうが夫や於りんの事が分かる程正気に戻って穏やかなひと時をすごした。
    病床にあっておたかは小間物屋を呼び於りんの好きな花かんざしをいくつも買ってあげていた。大人になった於りんが優しかった母を覚えているといいが・・。
    選びたくない道しか目の前に無いとき、人はどちらを向いて、足を踏み出すんだろうか・・・。

    ねこのばば
    若旦那お気に入りの桃色の雲が無くなった件
    猫又が好と久慈に捕まった件
    坊主が縄も無いのに末の木で首をつって死んだ件

    見越入道からもらった桃色の雲が見当たらない。猫又のおしろが知り合いの小丸と言う猫が寺に預けられた。小丸は猫又になりかけていたためお札が貼られた堂から出れずにいた。寺の松の木に派手な巾着がたくさんぶら下がっていたと言うがこの日は小僧が一人縄も無いのに首をくくっていた。寺には若旦那の店以外からも合わせて千両以上の金が寄進されていたのにかわらの葺き替えはされている様子は無かった。
    寺の若い小僧が和尚の付き人で外出した際に吉原の女どもに騙されて金を作って届けるために寄進されていた金を持ちだし、ばれないように和尚を殺めた。
    その二人の小僧たちは別々に遠方の雪深い寺に預けられた。
    閉じ込められた小丸のために桃色の雲を持ちだした鳴屋達。天井裏の千両箱に雲を入れるために中にあった邪魔な小判を部屋にばらまいた。

    産土(うぶすな)
    犬神 佐助のお話。ずっと一人で歩き続けていた山の中で一人の商人をたすけた事が出会いの始まりだった。
    「・・・鬼も仏もてづくねしして・・・」
    この店の周りで大店が次々と店をたたんでいる。
    そのあおりでこの店でも何かともの入りな状態の時にふしぎな言葉が書かれた紙と一緒に小判があらわれる。
    店が左前になったところは連句の会に入っていて月に一度か二度集まっていた。
    見世物小屋の二階の倉庫の様な所に木偶人形があった。人形たちは身体は木でつくられていたが頭部は土を捏ねで作られていた。木偶人形たちは動き回れる体を持つ命と小判を交換していたがその止め方は知らなかった。佐助は火によって見世物小屋丸ごと浄化した。その後再び歩き続ける日々のうち、狐火を避け無かった事で狐たちに打ちすえられていた処を皮衣(一太郎の祖母)に助けられ子守を言いつけられた。
    (産土は氏神とは別で神道(宗教)にかかわる事柄らしい。)

    たまやたまや
    一太郎の友達、菓子屋の三春の跡取り息子の妹お春が嫁に行くと言う。
    お相手は献残屋(けんざんや)。献残屋戸は贈答品など戴き物で不要な物をひきとり転売する商売で、公方様やお武家さま方などがお客であった。
    一太郎はお春のお相手を見に出かけ面倒事に巻き込まれてしまう。
    お春は相手の庄藏に無くしたキセルを見つけてくれたら嫁に行くと約束した。
    庄藏はあちこちから頼まれごとをされて誤解を受けていた。お侍に追いかけられお園が預けた根付にお侍たちの探し物があった。庄藏の人となりを確かめた一太郎はキセルを一つ渡した。
    子どもの頃お春と一緒に遊んだシャボン玉の思い出。
    お春はまばゆいばかりに綺麗な花嫁となって嫁いでいった。
    お園も妾にと言われていた家に後妻に入った。
    それぞれの落ち着く場所へ。
    嫁ぐお春の姿を見ながら一太郎は家の格が違ったとして、店も両親も捨てても一緒になりたちと言う気持ちになる人と出会えるんだろうか?と漠然と思った。

  • *

  • しゃばけシリーズ3。

    題名が、読み終わってもいまいちピンとこないものが多い。

    『産土』(うぶすな)・・・・なんで?話の中で一回も出てきてないよね?(産土=生まれた土地の守護神)

    『ねこのばば』・・・・猫又は出てきたけど、「ばば」って何?

    『たまやたまや』・・・・???「たまや」って「かぎや」とよくいっしょに言われる花火のときの掛け声??

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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