ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2014
感想 : 259
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507078

感想・レビュー・書評

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  • 春の寂しさ。

  • 今まで読んだこのシリーズで一番好きやなぁと思った。人の狡さも不安もいとおしく思えるもんなぁ。

  • 生と死の狭間をしょっちゅう行き来している病弱若だんなのお話
    しゃばけシリーズ第6弾!
    若だんながついに三途の川の淵に辿りついたり
    光徳寺の寛朝の弟子・秋英が初めての妖相談を任されたり
    母・おたえと藤兵衛の縁談が決まるまでのお話が聞けたり
    若だんなが陰陽師の操る式神に襲われたり
    兄・松之助の縁談が決まり、栄吉が修行に行く事になり、寂しい若だんなのもとへ桜の花びらの妖・小紅が現れたり
    今回は、特に生と死がテーマのものが多く、重いテーマと妖たちの無茶苦茶な言動がバランスよく描かれていて、個人的には一番好きな短編集かもしれない。
    中でも最後の『はるがいくよ』は小紅の余りにも早い成長を目の当たりにした若だんなが、どうしても小紅を死なせたくないと奔走する姿や、それにいい顔をしない兄や達の姿が薄桃色の花びらに包まれているように優しく描かれている。
    若だんなが最後に言った「ごめん」という言葉まで辿り着いたとき、思わず涙がこぼれそうになった。

  • しゃばけシリーズ。第6巻。短編集。鬼と小鬼・ちんぷんかん・男ぶり・今昔・はるがいくよ。
    若旦那が三途の川まで行ってしまう「鬼と小鬼」、寛朝御坊の弟子秋英が主人公「ちんぷんかん」、若旦那の母おたえの回想録「男ぶり」、陰陽師登場「今昔」など。
    しゃばけシリーズを読み進めいていくと、常に過る不安が「はるがいくよ」に集約されている。命の長さはそれぞれ違うと言うのが胸を締め付けるほどに切ない。死にやすい若旦那をあの世に行かせまいとする手代の仁吉や佐助の心痛もさることながら、寛朝御坊のお説教が分かり易くて読者もなだめられている感じ。せめてこのひとときが楽しく愉快であれと思ってしまう。やなりが場も心も和ませてくれるのがいい。

  • しゃばけシリーズ久しぶりに読みました。
    もしかしたら過去に読んだかもしれない。
    もしかしたら読んだかもしれませんがたとえ二回目だとしても大変楽しく読めました。
    若旦那愛されてるとほっとします。あと家鳴りかわいいきゃわわ。
    最期のお話はちょっとしんみりしちゃいますね。
    春画欲しい。

  • 可もなく、不可もなく。

  • 今回は生死に関わる話が多かった。特に最後の話は最終的な展開の予想がついていなかったので、切ない気持ちになった。

  • しゃばけシリーズ第6弾
    特に死についてのテーマ性が高い1冊。

    ・鬼と小鬼
    若だんな、ついに冥土へ…!?
    長崎屋が大火に包まれてしまい、煙を吸い込んだ若だんなが…あわわ。
    渡る者、戻る者、残る者…特に残る者の、取り残されるという恐怖心・孤独感から、人間と死との関係性を改めて考えさせられる話。

    ・ちんぷんかん
    寛朝唯一の弟子、秋英が牛蒡とけなされる話…
    じゃなくて、自身を知り少し成長する話。
    アタシも狛犬とかお獅子が見えたらなぁ〜と、若干本気で思った。

    ・男ぶり
    おたえと藤兵衛の縁談に至る経緯。
    いるよね〜そーゆー男…(辰二郎)とそーゆー女。ま、それも大事な経験ですよね。

    ・今昔
    松之助兄さんの縁談が進む話。
    そんな事より、お雛ちゃんが白粉をやめた話が気になります。

    ・はるがいくよ
    小紅との出会いと別れ。
    手代の兄や達の気持ち…
    最後は分かっていても、その気持ちを考えると、涙が…。

  • 江戸時代 妖(あやかし)達と若旦那の江戸奇行。
    体の弱い若旦那の周りに集まる”あやかし”たちが良い味出してる。

  •  大人気の「しゃばけシリーズ」なので、図書館の順番待ちがすごかった。
     ようやく読むことが出来たが、今回は「生きること、死ぬこと」について
     考えさせられる話が多かったように思う。特に一作目で、若旦那が三途
     の川まで行って戻ってくる話には仏教の教えがかなり書かれていた。
     最後の「はるがいくよ」は、桜の花びらから生まれた「小紅」が、桜の花
     が散るまでの短い一生を生きて、さっと散ってゆく姿が描かれている。
     いままでのほわ~んと温かい話だけでない深みを感じさせられた本。
     畠中さんは1959年生まれで、今年48歳。
     そろそろそういうことを考える心境になったのだろうか。

  • しゃばけシリーズ第6弾は短編集。そういえば長篇はテレビドラマになってますが、短編はなりませんね。起承転結としては短編面白いと思うんだけどなぁ。1時間ドラマなら充分だと思うんですけど…残念。   

    ・大火事で長崎屋も火に包まれた。逃げる途中で煙を吸い込んでしまった若旦那は気を失い…気付いた時には冬吉や末松など子供らのいる賽の河原に、あの世に来てしまっていた。けれど、一緒に連れてきてしまった鳴家たちをなんとか帰さないと…。―――「鬼と小鬼」
    ・妖し退治で有名な僧・寛朝の元には多くの相談事が持ち込まれてくる。とてもひとりでは捌き切れないし、ということで唯一の弟子・秋英が六衛門の話を聞くことになったのだが、娘が絵の中の男に夢中になってしまったのだと言う。―――「ちんぷんかん」
    ・一太郎は妖しであったおぎんの孫であり、母・おたえも妖しの血を引いていた。彼女が藤兵衛と結婚するきっかけとなったのは、縁談相手・辰二郎の叔父の家に突如卵が現れるという不可思議な事件からであったのだ。―――「男ぶり」
    ・若旦那の兄・松之助の縁談が進んでいた。火事のあと真新しくなった離れで話していると式神が紛れ込み、鳴家や若旦那に襲ってきた。使い手のにっくき陰陽師探しの最中、縁談相手・玉乃屋にも現れたらしいと分かり…。―――「今昔」
    ・離れの庭に桜の古木が植えられ花が開きかけた頃、赤ん坊が現れた。小紅と名づけられた彼女は桜の花びらの精で、それ故に成長がとてつもなく早く短い命。一太郎はなんとかならないものかと手立てを探すのだが…。―――「はるがいくよ」
    以上、5作の短編集。

    悪いことの後には良いことが…ということか、松之助の縁談が進み、三春屋の栄吉も跡を継ぐために他の店に修行に行く予定になる。いいことなのに…寂しい。若旦那の気持ち分かります…。人との別れは寂しいよね…たとえまた会えるとしても。でも若旦那もいつか…と考えてようやく気付くことができるんですね。病気がちでどうしても人生経験の乏しくなっちゃう若旦那だけど、それでも周囲の人間と妖怪に囲まれて、ちゃーんと成長しています。ほろり。
    それにしても若旦那の薬はどこまで苦くなっていくのか、非常に心配です。いくら妖しの血を引いてたって、そんなけったいな原料の薬を飲んで大丈夫なのかしら。そして金治(貧乏神)はどんな凄まじい味に変容させたんでしょうか…。薬を飲みなれた若旦那がギブアップするほどの味っていったい…(汗)

  • ネタ切れ、ではないよね…?
    マンネリ化してきたのか自分が成長したのか、しゃばけからのあっと驚く展開やらキャラクタの魅力はあまり。
    一太郎のお人好しさが少しずつ鼻につくようになってきたような。いくら箱入りだからといってそろそろ成長しなくて良いのか。
    寛朝と貧乏神で補ってはいるのだろうけれど。
    ただし文章はあいかわらずやさしい。優しい、のか易しいのかはわからなくなってきた。

  • 相変わらず面白い。若旦那があの世にいよいよ逝っちゃう話とかの5話の短編集しゃばけシリーズ。最初のしゃばけの頃から比べると一段と病弱になっている。笑えない位病弱。何せ臨死体験しちゃいますしね。切ない話もあるしね。

  • ≪内容覚書≫
    「鬼と小鬼」
    火事の煙を吸い込んで、意識を失って、
    目覚めたらそこは三途の川。
    うっかりついてきてしまった数匹の鳴家だけでも
    返してやろうとがんばる若だんな。
    果たして無事長崎屋に返してあげられるのか。

    「ちんぷんかん」
    広徳寺の寛朝の弟子である秋英さんが中心のお話。
    若だんなの相手で手が離せない寛朝に代わり、
    秋英が相談の相手をすることに。
    しかし、相談相手の様子がおかしく…?

    「男ぶり」
    若だんなのお父さん藤兵衛さんと、
    お母さんおたえさんの馴れ初め。
    たくさん縁談の話があったおたえさんは、
    どうして長崎屋の奉公人だった藤兵衛さんを選んだのか。

    「今昔」
    火事で全焼した家屋の新築祝いに松之助さんの縁談にと、
    嬉しい知らせが続く長崎屋。
    しかし、式神や貧乏神の金治が現れ、なんだか不吉な予感。
    松之助さんの縁談はどうなる?

    「はるがいくよ」
    桜の花びらの精・小紅と若だんなの交流のお話。
    人の何倍もの早さで流れる小紅の時間を止めようと
    がんばる若だんな。

    ≪感想≫
    安心の短編集。
    「鬼と小鬼」では、ついにここまで来ちゃったかと。
    いずれ、彼は、来るだろうと思ってた。
    どこでも冷静で、周りに優しい若だんながすてき。

    「男ぶり」は、結婚について考えさせられた。
    惚れた男より、惚れてくれた男と結婚する方が、
    女は幸せなのかも。
    しかし、藤兵衛さんみたいな男に、
    惚れられる可能性の低さに、泣いた。
    おたえさん、うらやましい。

    「はるがいくよ」は、若だんなが珍しく、
    聞きわけが悪くて、最初は違和感。
    そういうものなんだね、とあっさりするかと思ったんだけれど。
    最後、仁吉や佐助の気持ちを考えて謝る若だんなに
    思わずほろりときた。

    しゃばけは、こういう短編の方がやっぱり好きだ。

  • 火事ネタ多いな。

    寛朝様と貧乏神が好きなのです。
    しゃばけシリーズは後味が悪いのがないからさっぱりした気分になれる。

  • しゃばけシリーズの短編集。
    「鬼と小鬼」
    若だんなをぶてる少年って貴重すぎる。
    冬吉はまた出てきてほしいな。
    仁吉や佐助が側にいるときにぶったらどうなることやら。
    「ちんぷんかん」
    英秋がこれまた良いキャラだなぁ。寛朝様に振り回されるポジション。
    「男ぶり」
    若だんなの両親の馴れ初め。結構好きな話です。卵の謎はいまいちだったけど。
    「今昔」
    妖怪vs陰陽師。貧乏神が良い味出してます。
    「はるがいくよ」
    しんみり。

  •  若だんなが三途の川を(また)渡りかかったり、さくらの妖がつかわされてきたり、式神が若だんなを襲ったり(松之助が結婚したり)、若だんなの両親のなれそめやら、寛朝と弟子の話があったりの短編集。

     妖に対抗する力をもった寛朝の、ふてぶてしい、けれど筋の通った性格が恰好良い。
     若だんなと黄泉で出会った冬吉はどうなったのかしら。また後のシリーズで出てきたりするのかなあ。

  • すっかり安定感が出てきた物語。
    今回は一段と読ませます。
    面白かったし、続きを早く読みたい!
    すっかり私の生活に一太郎や鳴家が入り込んだ感じ。

  • (収録作品)鬼と小鬼/ちんぷんかん/男ぶり/今昔/はるがいくよ

  • 鳴家がかわいい
    三途の川の渡し賃まで詳しくかかれており、勉強になった。

  • 長崎屋が火事に巻き込まれて消失した上に、初っ端から若だんなが三途の川を渡りかけるという衝撃の一冊。実際はあっさり復活なさったが。全体的に切ないお話が多い印象。特に最後の「はるがいくよ」は大事な人の旅立ちと別れを描いているので、このシリーズの終着点を何とはなしに予感させた。

  • 7/21/11図書館

  • 図書館で借りれたのはここまで。
    最後は携帯小説になっていました。

  • 大事な一冊。

  • 短編集。最後の話がよかった。のほほんとしている若だんなも改めて人と妖の間にある「時間」という、どうにもならない溝について思い知らされたんではないかと。短編集の中では珍しく、すっきりしない終わり方をしている。

  • しゃばけシリーズ第6弾。若旦那三途の川を渡る。

  • 面白いんですが、やっぱり過保護な佐助たちがいないと寂しいと思いました。

  • しゃばけシリーズ第六弾。早いものです。相変わらず面白いですが、今回若旦那は三途の川を渡ろうとしたり、式神を使われたり危険な目に会います。小鬼たちも大活躍。安心して読めます。

  • はるがいくよは淋しい。

  • 畠中恵作品13冊目
    しゃばけシリーズ第6弾

    まいどまいどのほっこりあったかいはなし。いっつも鳴家は可愛いなぁ。
    最後の噺での若だんなの台詞「私もいつか、皆を置いてゆくんだね」「本当は私に、茶枳尼天様の庭へ行きなさいと言いたかったんだよね」が胸に響いた。兄やたちは本当に若だんなの事が好きなんだなぁ。
    妖と人では生きる時間が違う。そのジレンマに悩み哀しむ登場人物がいとおしく美しい。



    「鬼と小鬼」
    ――通町一帯を襲った大火に巻かれ意識を失った若だんなが、はたと目覚めると、数匹の鳴家をお供に三途の川縁まで来てしまっていた若だんな。そこにいた末吉とともに冥土から生き返る。

    「ちんぷんかん」
    ――妖退治で有名な広徳寺の僧侶、寛朝の愛弟子である秋英のはなし。

    「男ぶり」
    ――若だんなを甘やかす旦那様の藤兵衛と、奥様のおたえの馴れ初め。

    「今昔」
    ――大火で全焼した家屋を新築した長崎屋。その祝いの最中に松之助の縁談が決まったことを知るが、この縁談と式神騒動が絡んで大騒ぎ。

    「はるがいくよ」
    ――新築した長崎屋の離れの前に植えられた桜の大木から遣わされた花びらの精・小紅と若だんな。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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