ころころろ しゃばけシリーズ 8

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507108

感想・レビュー・書評

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  • 短編集のように書いた長編。
    今まで読んだしゃばけシリーズでは一番面白い。
    神・人・妖各自考え方も生き方も違うところが上手く組み合わされて人情味溢れる話に出来上がっている。

  • 相変わらず体が弱く寝たり起きたり寝たり寝たりの若だんな一太郎
    12歳の時のお話から始まり、突然に目が見えなくなってしまう
    目が見えないながらも、難問を解決する一太郎
    一太郎を救うため、仁吉、佐助の頑張り、相変わらずの鳴家たち
    ちょっと切なくってやさしい、相変わらずのしゃばけの世界
    楽しかった

  • <目次>


    <内容>
    若だんなの目は見えないまま、さらに佐助が若だんなの目のために注目した古枕の妖と夢物語。最後に「生目神」と物語対決。勝者は?

  • 一太郎の12才の時からの因縁の神様生目神,若だんなの目が見えなくなったからさあ大変,最後は落ち着くところに落ち着くが,えっそんなことでとすれ違いの悲しさが残った.

  • はじめての→若だんな、目が見えなくなる

  • 面白い~。

  • いつもながら気持ち良く読むことが出来る「しゃばけ」シリーズ。こんなにひ弱なヒーロー(?)って今までいたかな、と考えさせる長崎屋の一太郎がいいね。

  • しゃばけシリーズ第8段


    ある朝、とつぜん若旦那の目が見えなくなった!
    長崎屋は大騒動

    若旦那の目に光を戻すため
    妖たちが大奮闘

    ほろりとさせ、癒される
    相変わらず読んでてほっこり♪

  • 神様の悲しい愛の物語。神様の時間軸と人間の時間軸から生れた悲恋物語。それに巻き込まれた若だんな。神様 断えるんだ~。

  • 今年の一月に図書館で予約していたものがやっと一昨年回ってきました。
    読み始めたら数時間で読了。

    全5篇からなる本作。
    こうして独立した幾つかの短編が少しずつ結ばれて一つになった一冊、と言うのは読後の余韻が気持ちイイですね。ああ、まとまった。すっきりした。そんな読後感です。

    今回は正に時の流れ、ズレ、浦島太郎現象をちょっとずつちょっとずつ刻まれる内容でした。人間の私でもありますからね。大人になるにつれ、一日、一月、一年が早く感じられるようになり。これがまた更に年を重ねていくと、今度は逆に時間がゆったりと流れているように感じられるんでしょうか。

    生き急ぐ、なんて言葉がありますが。渦中にいる当の本人にはわからないことですよね。基準は己の時間、感覚だけ。

    本作では不本意ながら世話を焼く仁吉、と言うのに非常にニヨニヨさせていただきました。大変おいしくいただきましたよ!
    そして佐助の男っ振りに照れたり(笑)

    ああ、でもやっぱり皆揃って一緒にわいわいやっているのが一番好きです。寛朝さんもすっかり馴染みのファミリーみたくなって。

    全体的に甘酸っぱいような切ないような、キュンとくる一冊でした。

  • 若だんなの目が見えなくなって、仁吉と佐助がそれぞれ頑張る話。
    妖怪多め。でもやっぱり最後は若だんなの推理が冴え渡ります。

  • 読む順番を間違えた(ゆんでめてを先に読んじゃった)とはいえ、

    また夢オチかよ。

    と思わずにはいられない一冊。

    いや、佐助がまさかの同棲してる話がね…。

  • ≪内容覚書≫
    はじめての
    十二歳の一太郎は、熱を出して寝込み中。
    親分が一五歳になる紗衣という娘を連れてくる。
    紗衣の母おたつは、古田昌玄という目医者に
    品陀和気命(ほむだわけのみこと)の社を建てれば、
    目が治ると言われ、高価な七宝の鎮壇具を手に入れるため、
    七宝を結納の品に加えた者を、紗衣の亭主にすると言いだした。
    若だんなは事件を解決できるのか。

    ほねぬすびと
    聞き慣れない音で目が覚めた若だんなは、
    目が見えなくなっていた。
    長崎屋は大騒ぎ。若だんなが全てである仁吉と佐助。
    目を治す方法を探しに行こうとする彼らを説得し、
    仕事へと向かわせる。
    その頃長崎屋は、国元から江戸まである品物を
    船で運ぶ依頼を受けていた。しかし、品物が消えてしまい…?

    ころころろ
    仁吉は、若だんなの大切な物を持つ河童を探す途中、
    小ざさという少女と出会う。
    小ざさは、長生きして母親を見つけるため、
    河童を食べて悪鬼になるという。
    仁吉も初耳のその話をしたのは、河童本人だという。
    仁吉は河童の居場所を知る小ざさを連れて行く事となるが、
    成り行きから人間の子供万太、
    妖のろくろっ首と唐傘まで加わり…。
    苦労する仁吉のお話。

    けじあり
    おたきと夫婦二人で、多喜屋という小間物を扱う
    小さな店を営む佐助は、ある朝、”けじあり”と
    書かれた紙を見つける。
    それから毎日、朝起きると”けじあり”と書かれた紙が
    見つかるようになり、やがて佐助が知らない間に
    店は大きくなっていき…?


    物語のつづき
    仁吉と佐助によって、広徳寺に置かれた神用捕り罠に
    神様が捕まった。それこそ、若だんなの目から
    光を奪った生目神であった。
    生目神は、自分の問いに答えられたら目を返すと約束する。
    人間が嫌いな様子の生目神が気になった若だんなは、
    その訳を知る好機だと考える。
    果たして若だんなは、光を取り戻せるのか。

    ≪感想≫
    一話一話独立しているが、
    若だんなは目が見えなくなる事件が根底にある連作。

    『はじめての』は、現代でもありそうな詐欺のような
    宗教のような目医者の登場にヒヤヒヤした。
    人間、身体が弱ると心も弱るよね、健康一番と思いつつ、
    身体が弱くとも心は強くあろうとする一太郎さんの
    強さを感じた。
    珍しく若だんなが女性にひかれる描写があった。

    『ほねぬすびと』で、若だんなの目が見えなくなる。
    解決するのか…?と思ったら、連作だった。
    しゃばけシリーズは、短編だと思って読んでいると、
    たまにこういう仕掛けがあって、不安にさせられる。
    消えた品物は、まぁ、そういう結末だろうな、と言う感じ。
    それぞれのお話は、どっきりしないんだけれど、
    予定調和を崩されるせいか目が離せない
    不思議なシリーズだな、と、改めて思った。

    『ころころろ』は、仁吉さんがひたすら苦労していて笑った。
    有能な人が困惑している様、っていうのは、なぜか楽しい。
    ふりまわされる仁吉さんもすてきでした。

    『けじあり』では、佐助が主役。なんと奥さん…!?
    全国の佐助ファンの独身女性が泣いたに違いない。
    でも、途中から様子がおかしくなって、最後には一安心。
    これも『ほねぬすびと』と同じで、
    結末はこうなるだろうな、と思っていても、
    なぜだか不安をかきたてられた一作。

    『物語のつづき』。
    ようやく若だんなの目から光を奪った神様登場。
    ……この神様、いろんな点でマヌケさん…??
    若だんなの狙った理由がイマイチわからないままだったが、
    神様も寂しい生き物?だな、と思った。
    いずれ先に死んでしまうであろう若だんなと
    妖たちとの関係を思って、ちょっと切なくなった。

  • 若旦那と生目神様の話。
    しゃばけシリーズ8作目。
    今回も楽しく読めました。なかでも仁吉と佐助、それぞれの話が好きかも。最後の生目神様の問答は少し切ない。

  • 若だんなの目が・・・

  •  それぞれは短編なのですが、メインストーリィは、突然目が見えなくなった若だんな、その原因を突き止め、回復させるべく奔走する妖たち、でした。
     
     若だんな12歳の頃からの因縁がうまく生目神に繋がってました。神様が玉を捜していた理由が切なかった。
     ただ見た目の描写がなくて(たぶん、なかったと思う?)ちょっと神様が想像し辛かった。
     どうも話の流れからして人型なのかな?

     好きな話は「けじあり」
     佐助が夢の中に入り込み(もちろん若だんなのために)おたきと夫婦として小間物屋を営む。その佐助もホントいい旦那だったんだけれど、若だんなが驚いてはいけないから、と大声を出さなくなった佐助っていう件が面白くて。どれだけやねん!という。手代二人の筋金入りの若だんな甘やかしが見てて楽しい。

  • シリーズの中でも好きなほう。
    次が待ち遠しいです。

  • 『しゃばけ』シリーズ第8弾。
    若だんなの目が見えなくなる!神の祟りか、河童のいたずらか。。。
    今回も様々な妖たちが大活躍。若だんなの子供のころに布石が。
    大江戸妖ファンタジー。

  • 林さん本

  • 読んでいて、わずかなまどろっこしさを感じる部分はあるけれど、妖たちのかわいらしさ、人間の思いやり、どうにもできない気持ち、そういうものがとても丁寧に書かれていて暖かい気分になります。
    神様に視力を返してとお願いする時、若だんなは、ほかの目の見えない人のことを鑑みている感じはなかったな、とふと今思いました。心やさしい若だんななら、ほかの人のことも少しは気にしそうなものなのに。気にしすぎかな。

  • 突然目が見えなくなった若旦那一太朗。相変わらずの心配性の佐助と仁吉に妖たち。失明の原因は神様のせいだとわかり浦島太郎など昔話の問答に答える。結局、神様の愛した女性の行方に行き渡り問題解決により一太郎の目が見えるように。ほのぼのからしんみり。

  • わかだんなはかわいいです。

  • しゃばけシリーズ第八弾。突然眼が見えなくなってしまった若だんなの眼を治すために
    妖怪たちが奔走する連作になっています。いつもと違う感じが面白かった。

  • 畠中恵作品14冊目
    しゃばけシリーズ第8弾

    しゃばけシリーズ第6弾「ちんぷんかん」の最後のはなしが、寿命の短い桜の花びら妖に若だんなが置いていかれそして兄やたちを置いていくだろうという予感の話なら、こちらは好いた人間の女に置いていかれた神のはなしで〆。
    ここさいきんのしゃばけシリーズのなかで一番ワクワクしながら読めた。短編だけど、全部生目神つながりのはなし。



    「はじめての」
    12歳の若だんな、初恋の物語。生目社に七宝を奉納する件で現れたお沙衣に小さな恋心を抱きます。奉納は結局目医者の詐欺だとわかります。

    「ほねぬすびと」
    ある日突然、若だんなの目が見えなくなってしまいます。同時に、大名から輸送を頼まれていた干物がかごの中から消えてしまう事件が起こり、兄やたちもてんてこまい。事件は若だんなの推理によって大名側の狂言だったことが判明し、失明は生目神が七宝の代わりに若だんなの目の光をとって行ったからだということを思い出します。

    「ころころろ」
    若だんなの失明に関係のある宝玉を河童が持っていると聞いた仁吉は、河童が捕らえられているという見世物小屋へ行くが、そこに捕らえられていた女の子の人形や妖が見える少年、ろくろっ首に助けてくれと頼まれてんてこ舞い。

    「けじあり」
    こんとは佐助の出番。
    妻と暮らす平和な日々。しかし「けじあり」と書かれた紙が毎朝見つかったり、鬼が現れたり店の様子が日々変わっていったりと不思議なことが起こり──これが、夢の中であったことを思い出します。佐助は、生目神が鬼となった女に与えた七宝の一つを得るために夢の中へ入っていたのでした。

    「物語のつづき」
    神捕り罠を掛けた兄やたち。とうとう、生目神を捕まえます。和だんなの目に光を返してくれと頼んだところ、人間に不信感を持っているらしい神は、若だんなに問答を仕掛けます。物語のつづきを考えろと。桃太郎、浦島太郎に続いて神が出したお題は、神自身の過去のはなし。
    少し留守にした間に居なくなってしまった女がどうしたのか、でした。神自身も知らない結末を若だんなは推理します。
    生目神がちょっとのあいだと考えた期間は人間には長すぎ、女はとうに亡くなってしまっていたのでした。

  • しゃばけシリーズ第8弾

    短編かと思いきや、長編でした
    若だんなの目が見えなくなる話で、周りが頑張る話
    さすがに目の見えない若だんなはあんまり動きませんでした

    「浦島太郎、何食べてたの?」

  • 【しゃばけシリーズ08】

  • 『ころころろ』。名前の可愛いこの小説は「しゃばけシリーズ」、畠中恵の作品の一。今回は妖というよりも、神様や悪鬼にクローズアップしたストーリーだったように思います。悪鬼はどうして生まれてしまうのか、人にとって「神」とはどういう存在なのか・・・。また、一太郎の初恋や生目神(いきめがみ)の叶わなかった恋などもつづられています。何故叶わなかったのか、のヒントは人と神との「時間感覚」の違い!(*´∀`*)ノシ

  • いつも通り!安定して楽しい!

  • 全編を通して失恋がテーマっぽいかなと。とりあえず仁吉さんが可愛いかった!

  • これは連作集というより長編といった方がいい気がします。最初から最後まで物語の筋が通ってるし。仁吉さんが珍しく困惑している様子が面白かったです。それと最初のページの阿修羅化した鳴家のイラストが好きです。

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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