ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

著者 :
  • 新潮社
3.78
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本棚登録 : 1963
感想 : 239
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507122

作品紹介・あらすじ

身体は弱いが知恵に溢れる若だんなの、史上最大の後悔。ズレてはいるけど頼りになる妖たちも、今度ばかりは、助けられない?「しゃばけ」シリーズ第九弾。

感想・レビュー・書評

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  • <目次>


    <内容>
    いつも通り。短編5作。図書館で間の刊が貸し出し中で、飛ばして読んだので、若干『?』の部分も。でも屏風のぞきが復活しててよかった。

  • 突然知らない展開となったので、読み忘れた巻があるのかと何度も確認してしまった。

    実に、時の流れの書き方がうまく、著者の構成や筆力に驚く。
    右手に進み、一体何があったのか。詳細は描かれないが、その後の展開、時の遡り方の見事なこと。

    屏風のぞきがいなくなったことの、若だんなの後悔と悲痛が苦しすぎて、いったん読むのをやめてしまった。人生にはそんな後悔も悲痛も起きるものだけれど、やっぱり無い方がいいなぁと、思わず考えてしまう。そして、寂しすぎて、続巻の表紙をWEBで検索し、屏風のぞきがいないか調べてしまった。

    かなめの出会いも驚いたが、生目神様のおかげで時が戻り、左手に進んだこととなった「始まりの日」の章。
    ということはおねとも会っていないことになるのだろうか。
    でも何よりも、本当に何よりも、屏風のぞきが今まで通りであることに感謝が湧いた。あぁ、よかった。驚くほどに、あの妖たちが私にとっても大切な存在になったようだ。

  • 最後まで読んで、ほっとしたけれど、なんだか寂しいような。人生の分かれ道。

  • 前回は、どこか小憎たらしかった生目神様が、今回は若旦那さえ知らぬ内に問題を解決…。明日の敵は今日の味方。若旦那の人柄がなせる技ですね。
    9巻では、色んな意味で大人な若旦那を垣間見れて、少し寂しいよう、誇らしいような不思議な読感がありました。面白かったです。

  • 選ぶべき道をひとつ違えると、その後の人生が大きく変わってしまうというお話。
    最初から急展開で戸惑いながら読んだけど、最後には丸く、というかあるべき所に落ち着いてくれて安心した。
    短編でもあり、長編でもあるような巻でした。

  • 屏風のぞきいいいガクッ
    花見の描写良し。行きたくなった!
    かわいい佐助さんも見れた!

  • 相変わらず安定の面白さ、妖怪たちのキャラもさることながら主人公の朴訥さがとても優しく温かい気持ちにさせてくれます。

    妖怪ファンタジックミステリ?笑笑

    この本をパッとジャンルに分けるならそんな感じ。笑笑!!!!
    妖怪のキャラや登場の仕方から、活躍まで毎度毎度楽しませてもらってます!いろんな神々が出てきたり、カッパやら狐やら狸やらが化かしあったり、なんとも奇妙キテレツな中緩やかに問題が解決してくれる、水戸黄門妖怪版のような、勧善懲悪的ストーリーで安心して、腰を据えて読めます。

    読みやすい。小学館とかでもいけるかんじ。

  • ひさびさにおもしろかった。

    結局すべてはなかったことになったのか。

    でも、次の巻当たりで「どこかで会ったような」という決まり文句でおねとか登場してくるような気がする。

  • 未来を決定づけたあの日あの時へ、時を遡っていくちょっと凝った構成。喪失の回避に安堵しながらも、若だんなにとってこれで本当に良かったのかなぁと疑問にも思う。別れや変化と向きあって成長する強さを見せてほしい。もう大分その頃合いだと思うんだけどな。

  • 若旦那が、タイムトリップ?角を右手に行くか、左手に行くかで出来事が違う!?

  • しゃばけシリーズのif物。
    短編集に近いけど読み進めるに従って時を遡っていくのでちょっと違和感がある話でした。
    若旦那もちょっと成長したような気もするけど、妖たちは相変わらずだし二人の兄やも甘々なので成長した感が薄れてしまってる。それでも若旦那自らが行動する場面が増えたのはいい。
    次に期待。

  • 第九弾。短編集。

    ゆんでめて
    弓手は左、馬手が右。
    左へ進むつもりの道を右に進み、長崎屋の離れへ帰るのが遅れた。その日近くで火事があり、延焼を防ぐため離れは壊された。屏風は損なわれ、修理に出しても職人も仁吉の薬湯も駄目で、老職人に頼むも卒中で亡くなり、屏風は戻らなかった。
    もし早く帰っていたらと何年も後悔していた。

    こいやこい
    七之助の嫁候補が江戸に来る。

    花の下にて合戦したる
    飛鳥山にみんなで花見。

    雨の日の客
    雨続きの日に龍に目を返し、利根川のねねこ河童に会う。
    佐助を照れさせる稀少なタイプ。

    始まりの日
    生目神は若だんなが右に進むきっかけになった小さな祠の主を若だんなに見られないよう姿を隠した。
    若だんなは弓手に進み、屏風達を壊れないように穴蔵に隠すことが出来た。
    生目神は時間を戻ったり出来るらしい。
    生目神が時間を帰るまでの間に出会った人や妖とは何も無くなるのかなぁ。

  • 連作シリーズものの宿命で、キャラが成長していくとやはり別れもあるわけで…ちょっぴりビターになりましたね。

  • しゃばけ版パラレルワールド。

    些細なことが、その後の人生を左右するのだなぁ。
    得るものがあればその分失うことも、失わずにすめば得るものもなく。ひとは押し並べてその両手に見合うだけのものしか手にはできないということをしみじみと感じた。

  • 人生の分岐点・・・と言うには、ほんの些細な事。
    右へ行くか、左へ行くか、それだけなのに、
    誤った方向へ行くと、どうなってしまうのか?
    たぶん、生目神の眼で追った、
    逆行した若だんなの別人生の話で、
    一年ごとの大事な話を連作短編で綴っている。
    ゆんでめで・・・屏風のぞき
    こいやこい・・・恋心
    花の下にて合戦したる・・・皆が集う花見
    雨の日の客・・・おねと不思議な珠
    それぞれの行方&行く末で得るもの&失うものは、
    始まりの日・・・正しい道へ
    行くことによって消えてしまう。
    ・・・で、あっても、どちらの道へ行ったとしても、
    若だんなは事件に巻き込まれてしまうんだな~(^^;

  • ○ゆんでめて
    しゃばけシリーズ第9弾
    短編でそれぞれ独立してはいるが、屏風覗きがいなくなってのお話が前後し、知らない名前も出てくるので少々ややこしい。

    「ゆんでめて」
    屏風のぞきがいなくなった!
    あの日こうしていたら…その後悔を抱えた一太郎の元に、事触れの噂を耳にする

    「こいやこい」
    友七之助の元に幼馴染である許嫁がやってきたが、5人の中からあてなければならず…

    「桜の下にて合戦したる」
    庭で早く咲いた桜の花びらの化身のために満開の桜を見せるため妖たちと初めての花見へと出かけた先で、知らぬ妖に術をかけられてしまう。

    「雨の日の客」
    不思議な珠を持ち自分の記憶も持たない女性が一太郎と知り合い、大雨で避難する事になるのだが…

    「始まりの日」
    あの時こうしていればその後悔がなかった事になったら?
    どこからが無くなってしまったのか、どちらの結末になってもなんだか悲しい。

  • 読了、しゃばけシリーズ9作目。

    パラレルワールド的な作品。

    弓手馬手。

    いま「ゆんで」で文字変換したら弓手ともう一つ左手が出てきてびっくりした!

    「ゆんでめて」は「左手右手」という意味。

    第1~4話で馬手に行った場合のストーリー、最終話は弓手に行った場合のストーリー。

    10作目へは弓手へ行った場合のストーリから続いていく。

    パラレルワールドだから、1~4話で知りあった人たちとはすれ違ってしまうのが残念。

    それとも今後、別の形で再登場はあるのだろうか。

    3話目の花見の時の話が好きだった。

    狐と狸の化かし合いは森見登美彦の「有頂天家族」を思い出した。

    でもやはり、桜と言えば梶井基次郎。

    この本に収録されてるのはそんな物騒なのではなく楽しい宴会風景なのだけれどね。

    弓手を選んで守ったものと、馬手に行き出会ったもの、どちらが大事か。

    難しい問いだと思う。

    ストーリーは若干ネタ切れの感が否めず、技巧に走った気はするが。

  • 20160508

  •  今回は、いつものお話よりも数年先の世界。
     1話目の「ゆんでめて」が4年後、次のお話が3年後……というようにカウントダウンしていきます。
     1つずつのお話は結構ユーモラスなんだけれど、その下敷きにちょっと切ない出来事をはらんでいるから、ハラハラしながら読んじゃう。

     短編集で、1つ1つの話だけ読んでもそれで完結しているけれど、繋がっているので、最後まで読まないと。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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