むすびつき しゃばけシリーズ 17

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 809
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507252

作品紹介・あらすじ

箱根に出かけた病弱若だんなの身に、一体何が? 累計800万部を超える「しゃばけ」シリーズ最新刊! 自称「若だんなの生まれ変わり」という死神が、三人も長崎屋に乗り込んできちゃった! その上、前世の若だんなに会ったことがあると言い出す妖が続出? 前世の若だんなって、いったいどんな人だったの〜? 妖は長い時を生きる。けど、人はいずれ……。だけど、みんなと一緒なら、明日へ行ける! 大人気シリーズ第17弾。

感想・レビュー・書評

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  • しゃばけシリーズ17作目。
    今回のテーマは「生まれ変わり」でした。
    貧乏神の金次が若だんなの前世と出会っていたという「昔あった人」がよかった。
    「むすびつき」では、ならば自分もと若だんなとの前世の縁を主張する鈴彦姫が可愛い。
    相変わらず、妖たちにとても愛されている若だんなでした。
    最後の「こわいものなし」は、短いスパンで輪廻転生を繰り返す男の話。お笑い話のように書かれているけど、これは結構怖い。すぐ生まれ変わるとはいえ、その都度死んでるのだから…。神様のすることは斜め上すぎる。何度も人間に転生しているらしい若だんなはよっぽど運がいいのか、日ごろの行いがいいのか、両方かな。
    こうして明治の世の「えどさがし」に繋がって行くんだな。
    人と妖では生きる長さが違う、ゆえにいつか別れはくる。だけど、生まれ変わってまた会えると思うと夢があるし、若だんなと妖たちの絆はずっと続いて行くものだと思いたい。

  • 自称霊媒師に「あなたの前世見てあげましょう」なんて言われたら、絶対にインチキで金目当てだ。
    しかしそれが、しゃばけの世界では…いや、若だんなのまわりの出来事だったら信じてしまう。

    家族のように一緒に過ごしている妖(あやかし)たちだけれど、彼らはひととは違うことわりの中に生きている、と若だんな時々自分に言い聞かせるかのように思う。
    その一つが、「時間」の観念。
    生きては死に、生まれ変わり…
    ただの口説き文句でなしに、前世の自分に想いを寄せる人や、転生をそばで見守っていた人もいて…

    ただ、人生一度きりだからいいという面もあると思うし、甘えかもしれないけど死んでご破算になるからやり直しがきく面もあるだろうし、前世の責まで追いたくないな…
    そんなことを考えてしまう。

    いつもより若だんなの影が薄いなあ…
    たくさんの転生の中の一つの人生、みたいに思えてしまうから?
    この本は過去の話ですが、明治のお話の先も知りたいです。


    『昔会った人』
    金次が今、長崎屋にいる縁とは…
    最初のお話だから王道。

    『ひと月半』
    若だんなが箱根に湯治に行ってひと月半…
    居るべき人がいないことで思わぬ騒動になる、長崎屋の離れ。

    『むすびつき』
    自分もどこかで、若だんなと“前世の縁”があったらいいなと思う、付喪神の鈴彦姫。
    本体の鈴がある神社の昔の神主が思い当たるが…

    『くわれる』
    栄吉は餡子にこだわらず、せんべい屋になればいいと思うんですよ。
    そして、鬼の青刃が健気。
    青刃の“青”は青い鳥の青?
    そばにいる幸せに気づいてあげて。

    『こわいものなし』
    夕助さんの転生が、落語みたいで面白い。
    いや…百万回生きたねこ…かな?

  • <目次>


    <内容>
    今回のテーマは「生まれ変わり」。若旦那の何代も前の「若長」が出てきたり、若旦那が死んだと死神(とのそのニセモノ)が出てきたり、付喪神の「鈴彦姫」が自分の本体のいる神社のいわくについての物語や悪鬼が若旦那と結婚すると言ったり、最後は輪廻転生を願う「人」と大物主神のお話まで。今回はテーマと各回のお話がうまくかみ合っているようだ。面白かった。

  • 長崎屋の離れの妖たちがなぜ若だんなにひきつけられるのか。前世との結びつきに関連があったとは。
    もみじと青刃のその後が気になるが。
    表紙のイラストは可愛くていつも眺めてしまうが、今回何のことだろうと思ったら、夕助のことだったのかとわかった時はなるほどーと思った。

  • 若だんなと妖たちのむすびつきは、きっと強くて優しい

  • 気に入ったセリフ
    「強い立場を得たからといって、そのものが偉くなったわけではない。何度も言っているのに、人は簡単にそのことを忘れてしまう」(寛朝さま)

  • 昔会った人/ひと月半/むすびつき/くわれる/こわいものなし

    もう20年になるのか。。相変わらずの世界のなかで、読み手としてももうさほど変化を求めてはおらず、なんかやさしいものに触れたい気持ちのときに手にとりたくなるしゃばけシリーズ。
    この1冊はなんだか“転生、生まれ変わり”みたいなことがキーワードだったなあという読後感。
    鬼のもみじさんはまた出てきてほしいキャラだった。親御さんまで出てきてほしかった。
    安定のほんわかシリーズvol18。

  • 何作目か前から、ちょっと飽き始めたのかな。
    最初の頃のワクワクが減ってしまった。
    次作から読もうか悩むけど、しゃばけファンとしては、続けようかなー。

  • 若旦那が大好きな妖たち。でも彼らの寿命は何百年単位。
    だから、若旦那に生まれ変わる前に会っているかどうか?というか、会っていたい!という妖たちが可愛いです。

  • シリーズ第17弾は輪廻転生がテーマ。
    テーマは大きいがちと平坦な印象。
    いつかじっくり1作目から続けて読み返したいものだ。

    [図書館・初読・11月13日読了]

  • しゃばけシリーズも第17弾。
    本作では輪廻転生がテーマか。以前、転生した若旦那を妖たちが待ち続けるという回があったが、それに通じる気がした。

  • 若だんなの生まれ変わりが今回のテーマかな。
    鈴彦姫が可愛くて。
    でも、一生懸命なあまりに、そこに気付かないのね(笑)
    なんだか微笑ましい。
    もみじさんの、あやかしゆえの思い込みに苦笑い。
    その後の騒動は、ちょっと切ない。
    若だんなより先に栄吉の将来の方が先に動くかな。
    がんばれ。栄吉。
    今回は、兄やたち、ちょっとおとなしめだったかも。

  • しゃばけシリーズ。今回は前世がテーマ。長く生きる妖と、命の短い人間それぞれの生き方、そしてその間の絆を深く感じさせられる物語です。
    お気に入りは「こわいものなし」。ここだけの登場だけれど、夕助のキャラがなんとも絶妙。まさかそんなことになってしまうとは! だけれど。彼はこれで満足なのかなあ。ある意味これこそがとんでもなく怖い状況じゃないかという気もするのだけれど。落ち着くところに落ち着いた気はするかな。

  • 今回のテーマは“生まれ変わり”と“転生”。
    相変わらずの妖たちが大騒ぎ(^^♪
    序・・・・・・・・・・・・・・・若だんなは二百年前どこにいたの?
    昔会った人・・・・・・・戦国時代の貧乏神が出会ったのは、蒼玉と
       二人の男。その出会いから合戦に巻き込まれた貧乏神と
       若だんなの縁とは。
    ひと月半・・・・・・・・・湯治に出掛けた若だんなが死んだ?
       生まれ変わりだと訪れたのは三人!それも死神だって?
    むすびつき・・・・・・・鈴彦姫が前世の若だんなと思ってた人。
       調べていくうちに彼女のいる神社の危機と向き合うことと
       なる。果たして失せ物の金は見つかるのか。
    くわれる・・・・・・・・・前世の若だんなに会いに来た、鬼女のもみじ。
       彼女と於りんちゃんが攫われてしまい、若だんなと
       悪鬼の青刃は知恵を絞るが、そこに栄吉の悩みも絡んで・・・。
    こわいものなし・・・今生の事を覚えたままの転生を願う、夕助。
       ある事件に巻き込まれて命を失うが、ひょんな事情で
       若だんなたちの前で転生を繰り返すことになる。そして。
    終・・・・・・・・・・・・・・・私は今、ここにいる。皆と一緒に。明日へ!
    「しゃばけ」シリーズ第十七弾。
    人の生と妖の生の長さは違う。転生しても会えるのか?
    人では無い生き物に転生しているかもしれない。
    でも今は皆と一緒にいるから・・・と若だんなは考えます。
    うん、大丈夫。縁があるから。
    「えどさがし」のように皆が探してくれるよ(^^♪

  • 仁吉の「この文の主、馬鹿なんですかね。栄吉さんから作り方を奪って、同じ味のあられや味噌団子を売り出したら、誰が人さらいかわかってしまうでしょうに。」に爆笑。何度も読み返して笑ってしまった。

    若だんなが、村長やお寺の御坊から生まれ変わっていて、貧乏神や悪鬼に縁があった、というのは興味深い。
    「肉体」としてはおぎんさまの妖の血をひきつつ、「魂」はこれまでの縁を持ち続け、「肉体」と「魂」が、「妖」というつながりを持ってこの世に命として生じる、というのが奥が深い。

    全てを捨ててもいいほどの出会いを願っていた若だんなは今、ずっと一緒にいたいと思い、生まれ変わってもずっといたいと思う妖達がいるんだと思うと、胸にくる。


  • 毎年、お正月が終わるころに読んでいるのだけど、なぜか今回はお盆の前に読むことになりました。

    あの世界に遊びに行くのに、お盆もよいです。

    今回は前世の話ということだけど、誰それの前世がどんなんでって話は控えめで、いろんな角度で生まれ変わりを扱うお話が中心でよかったです。
    あの世界は、あの世界のまま、あるのが好きです。

  • 913-H-17
    閲覧

  • しゃばけシリーズ、17作目。

    今回は生まれ変わり、輪廻転生にまつわるお話。若旦那と兄やや妖したちとの間の前世や後世での関わり合いをもう少しドラマチックにガッツリ読めるのかしら、なんて勝手に期待していた分、ちょっと肩透かしを食らった気分。とは言いつつ、相変わらずの妖したちの可愛さでほっこりできるし、あまり若だんなに危機が迫らない分、安心して読めます。可愛らしい妖したちに対して、神様たちは意外とドライで人間的な配慮がないのが面白いところでもあるし、怖いところかも。

  • むすびつき
    輪廻転生を繰り返す中でのむすびつきのお話。
    結びついていたり、結び付いているかと思ったけど違ったり。

  • シリーズ17作目で、今回の5作のテーマは「生まれ変わり」。特に全体としては進展なし

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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