さよならクリストファー・ロビン

著者 :
  • 新潮社
3.71
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本棚登録 : 523
レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104508020

作品紹介・あらすじ

お話の中には、いつも、ぼくのいる場所がある──いつも考えている幼い少年と、なにかを書く仕事をしているパパ。「お子さま携帯」が時々「けいほう」を鳴らす日々。ぼくは何でもパパに聞き、パパは一緒に考える。物語をめぐり、あらゆる場所を訪れ、新しい物語の誕生に立ち会う。「虚無」と戦うものたちの物語。

感想・レビュー・書評

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  • この作家さんに中高生くらいで会いたかった…と思う。
    そうすれば私の読書人生はもっと変わっていたと思う。
    出会ってから、本に対しての向き合い方がほんの少し変化したように思えたりする。

    さよならクリストファー・ロビン
    峠の我が家
    星降る夜に
    お伽草子
    ダウンタウンに繰り出そう
    アトム

    【第48回 谷崎潤一郎賞受賞作品】

    なんかいい。読んでいて引き込まれてしまって2日で一気に読了。面白かった。高橋さんが書く世界観にいつも吸い込まれてしまう。なんだろうこの感じ…。自分でもよくわからないけど。

    「アトム」の中で〈おとうさん〉が言う「この世界には、おそらく、正しいとか正しくないとか、そんな区別は、ほんとうは存在しないのだろう。」(209ページ)が、ずっしりと胸に残った。

    引用文献:『飛ぶ教室』『ほんとうの空色』『わすれられないおくりもの』『くじらぐも』『国家』『銀河鉄道の夜』『哲学』『いまファンタジーにできること』

    この引用されている作品のことを知っていると、もっともっと深く読み込めるんだろうけど、…自分の足りないところがちょっと残念。物語の中に物語が入っていて迷宮みたいな状態、それがどんどん崩壊していくところは『雲上雲下』とか『エッジ』にも共通していて夢中になってしまった。今年は高橋さんをもう少し読んでいきたい。

    メモ:『~超「小説」教室』から『危険な読書』⇒この本。
    ところどころ父親くさい。いい意味でも悪い意味でも父性を感じた。

  • これは夢なの?

    微睡の中、夢と現実が行き来するとき、物事のストーリーは曖昧になりつかまえたはずのつながりも、ゆるゆると解けてばらばらになっていく。思考は繰り返し、時間の流れも行きつ戻りつ。

    夢の世界も心の奥底で流れる思いが反映しているはず?作品で描かれる世界のモチーフは何だろうと考えるのだけれど、つかみどころがなく、幻想的な世界が広がっていく。現代版「不思議の国のアリス」のような雰囲気。

    表現の試みが多様で、こんなに自由な文章表現、構成もあるんだと感心することしきり。うまいなあ。

  • お話というか空気を読んでいるみたい。
    (よく言う空気を読むじゃなくて)
    ええと、風景をもぐもぐする…というか
    情景をもぐもぐするというか…。
    お話に入り込むのではなく
    そこにあるお話に触れているような感覚になる1冊でした。
    こういう感覚になる本、私にとってとてもとても大事なのです。
    出会えてよかった!

  • ごめんなさい。何も感じとることができませんでした。
    懐かしい思い出との決別?それは子供たちの未来を願えばこそ?
    これを読んでトイストーリーを思い浮かべた僕はまったくの的外れな捉え方なのだろうか。
    いや、ほんと。ごめんなさい。
    でも好きです。高橋さん。

  • 春樹嫌いかつ高橋好きの層がよく理解できない(・・・が、わたしもか)。比喩ー構造セル一緒じゃん。言ってる中身なのか。

    さよなら:『ウエッ! まずい!』言ってる!
    こう語る高橋は実在している(語る以上は)。

    峠の我が家:かつての子どもの「お友だち」がたどりつく「ハウス」。源ちゃんの父性にはぐっとくる(…そのベクトルに共感できないことあるが)。

    星降る夜に:重松清もびっくりタイトルだが、先生にささげたい設定だ!朗読はどうしても母親の記憶(というルール)、泣きたくなるな。
    ここから、震災後掲載ということに注目したい。書いたのは前かもしれないが、単行本化にあたり加筆修正、の記がない以上、高橋氏には無視できない事実だったはずで。

    お伽草紙:「ぼく」ランちゃんの弟「キイちゃん」と「ママ」は亡くなっている。「けいほう」のなか、「退避室」から逃げて、ランちゃんは「かんがえる」。
    アトムは原子だものなあ。ラストのパパの言葉は祈りみたい。

    アトム:「お伽草紙」につながって。ていうかつながって「いた」(動作じゃなくて状態、というか)。

  • 眠りにつく前に語られる曖昧な世界
    たくさんの童話がちりばめられているけれど
    ぼくたちはだれかがかいたおはなしのなかにすんでいてそんざいしない
    ふわふわとした言葉たち
    虚無?
    眠くなったよ
    よくわからないよ
    さようなら高橋源一郎
    ≪ 続いてく お話の中 きみとぼく ≫

  • 2012.6.17読了。

    平成版ネバーエンディングストーリーかと思いきや、もっと想像力を酷使して遊んでいる。ル=グウィンの引用があって、思わずうなる。

  • 最初っから
    進まないので
    止めました

  •  なんか久しぶりに著者らしい作風の作品を読んだような印象。
    「けいほう」や「アトム」からはあの震災も連想される(ちょうど震災を挟んだ前後に「新潮」に掲載されている)。
     6篇の短編集のようにみえるが、全短編で一つの作品ととらえた方がわかりやすいかと思う。
     ラストの汽車(あるいは汽車の中らしき状況)あたりの状況設定や物語の構成は「ゴーストバスターズ」を思い出させもした。
     五つ星を付けるには、もう少しググっと圧倒されるものが欲しい。
     そう思えるのは、僕の中に「高橋源一郎ってこんなもんじゃないだろう!」という確信があるから。

  • 当に高橋源一郎の小説、としか自分には形容できない… 浮かんでは消える断片。意味を持つことを拒否するかのような言葉たち。それなのにひたすらに心地よい

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著者プロフィール

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎賞を受賞。

「2018年 『作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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