タタド

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 157
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104509027

感想・レビュー・書評

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  • エグイ。官能的というか。強くて飲めないお酒みたい。
    そのくせブツッって終わる。こわい。

  • まるで詩を詠うように情景が語られる。猫もオカダも海藻も、夏みかんも、赤いカーネーションの花束も、危うい、不穏な空気を濃密にする。そして、終わりの始まりかもしれない「決壊」は、この舞台設定では彼らが少しでも救われるために必然だったのかもしれない。

    擦れていく精神、自覚せざるを得ない肉体の衰え。色々なものがあきらめきれない心に、悲しいかな体力が追いつかなかったり・・・。登場人物たちの年代といい、海辺という舞台といい、わが身に近くてそのまま痛いほどによくわかっちゃって、こわかった。。。。

  • 短編が3つ。
    自然と目の前に情景が広がる。どれも短い作品だけど強烈なインパクト。特に二編目に惹かれました。海のもつ抗えない魅力と、同じくらいの恐ろしさ。波の音が聴こえるみたい・・・夫は無事だったのだろうか。

  • 最後の短編が一番よかった。

  • 静かな、大人の雰囲気のある作品集。
    どこかひやりとするような、不安感がよぎるようなところが好みだった。

  • 魂を奪おうとする
    鎌をもってみんな必死にぐいぐい奪おうとする
    どんな人間もそうなんだ

  • この作家の文章には安心して身をゆだねることができる。
    作中人物の、人との距離の取り方に共感できるからだろうか。

    大満足。

    『45文字』が特に好き。45文字でいろいろな物を切り取ってみたいような気がした。






    作成日時 2007年08月21日 03:57

  • 表題作『タタド』は川端康成賞受賞作ということで期待していたのですが…私はあまり好みではありませんでした。収録された3編の中では『45文字』が良かったです。自分ならどういうキャプションをつけるか、つい考えてしまったり…。/(2008.01.31読了)

  • 不明瞭な境界の上を延々と漂っている感じの三篇。遠くにあるようで、時々ちらつく死のイメージがずっと消えなかった。

  • 「タタド」
     なりゆきに身を任せるのは作為?

    「45文字」
     キャプションをつけるという行為。

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著者プロフィール

小池 昌代(こいけ まさよ)
詩人、小説家。
1959年東京都江東区生まれ。
津田塾大学国際関係学科卒業。
詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『夜明け前十分』、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)、『野笑 Noemi』、『赤牛と質量』など。
小説集に『感光生活』、『裁縫師』、『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『ことば汁』、『怪訝山』、『黒蜜』、『弦と響』、『自虐蒲団』、『悪事』、『厩橋』、『たまもの』(泉鏡花文学賞)、『幼年 水の町』、『影を歩く』、『かきがら』など。
エッセイ集に『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)、『産屋』、『井戸の底に落ちた星』、『詩についての小さなスケッチ』、『黒雲の下で卵をあたためる』など。
絵本に『あの子 THAT BOY』など。
編者として詩のアンソロジー『通勤電車でよむ詩集』、『おめでとう』、『恋愛詩集』など。
『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集02』「百人一首」の現代語訳と解説、『ときめき百人一首』なども。

「2023年 『くたかけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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