春の数えかた

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104510016

作品紹介・あらすじ

自然界の不思議、生きものたちの行動、人と自然の関係などなど、動物行動学者による発見に充ちたエッセイ。「波」好評連載『猫の目草』待望の単行本。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館。何だか入っていけず、中断。2018/1/10

  • 春をことほぐ 山裾 タンポポ平面 性 
    赤の女王がいう。同じ場所にいるには走り続けなければならない。病原体に抵抗のある突然変異が生じたら早く広める必要がある。そのためにオストメスをつくり、混ぜ合わせる。
    →ルイスキャロルの童話をたとえに使った。
    単純に努力し続ける必要がある、ということではないが、
    直感的にそうとらえてしまう。


    ファッションは差違化と帰属化、



    同性への攻撃性、しかし、過剰ではなく。 葉の臭いがダニを呼ぶ。
    桜が芽をつくるのは前年の夏。
    アゲハがミカンの端を70枚たべる オオカバマダラの大越冬 正しい選択でも時間とともに意義がかわる
    夜はが りんし 
    カマキリはたまごで雪深さを予知する 

    利己的な遺伝子 
    →リチャードドーキンス。利他的に見えても実は自分の遺伝子を残すための行為を説いたもの。
    カマキリはオスが交尾の後食べられるが、栄養になることで自分の遺伝子を残すことができる。



    二次植生 生態系、自然は絶えない競争
    蝶は気温プラス5度。30~35度でよくうごく。
    セミは連続の打楽器 概日時計  
    南極のペンギンにデータロガー  

    潜函病 空気が気化して泡が脳血管につまり、しぬ。

  • 動物や植物はどうして春を知るのか、そもそも彼らの春は何なのかを記した短編エッセイ集。動植物昆虫に興味がある方向け、ほのぼのした春にまつわる話ではない。はてさて、どうにも既視感があると思ったら、日高敏隆選集を先に読んだからだった。

  • ★★★★★
    自然の「共生」「生態系」「調和」に対する疑問が面白かった。
    生物は種のみか一つ一つの個体が、果てしないシェア争いをして生き残りをかけ絶え間ない競争をしている。
    生き物に仲良く助け合ってという概念はないのかも、たとえ傍からそのようにみえたとしても、と。
    その他、生き物を主体とした、自然エッセイ集。
    (まっきー)

  • ハヤブサが何故都会に住めるか? 高層ビルの壁は、彼らの住む断崖によく似ている。カモメなどを餌にしているが、都会でも断崖の下には狙える餌がある。

    屋久島のお年寄りの話を聞けば、特異な自然のことがわかるのではないか?という試みは、失敗した。何故ならば、島の人々は殆ど何も知らなかったから。幕府によって、貴重な財源である森に立ち入ることを禁止されていたから。

    彦根の自然や、虫や動物との世界を行き来して語られる日常や実験の話。
    日常の近くに多様な世界があるんだなあと感じる。

  • 鱗翅学会会長さんだけにチョウや蛾の話題がおもしろい。
    チョウに春型と夏型がある理由、チョウが半恒温動物だというこ
    となどを教えてくれます。昆虫の生態に興味がある人、ぜひ一読を!

  • 自然の生物多様性とは調和の上に成り立っているのではなく、生きものたちの果てしない競争とせめぎあいの結果としてできあがったものである。

  • 季節がら、表紙と題名にひかれて読んでみた。特に「春と動植物」というくくりの本ではなかったが(蝶の話が多かった)、世界のいろいろに向けられる科学者の好奇心が感じられ、穏やかな気持ちになれる本だった。

    好奇心にはなにかしらの愛情が含まれているから、なんとなく「すきだあ」という空気が漂っていて、気持ちを和ませてくれるんだと思う。

  • 動物学者の著者の生物や自然を見る目は鋭くてあたたかい。
    一章が短いのでいつでも気軽に読める。
    内容もいいし文章が比較的平易なので中学受験によく出題されるのも納得。

  • 小説っぽいタイトルだけど動物行動学本。挿絵もすてき。

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著者プロフィール

総合地球環境学研究所 所長

「2007年 『アフリカ昆虫学への招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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