1000の小説とバックベアード

  • 新潮社 (2007年3月30日発売)
3.35
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784104525027

感想・レビュー・書評

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  • ええっと、タイトルが面白かったんで手に取ってみました。
    そしたら三島由紀夫賞受賞してびっくり。
    内容の方も、どんだけすごいのかと期待しすぎてしまいました。
    最初に期待しすぎちゃだめですね。

    物書きに、小説家と片説家とやみの3種類があるのは面白いです。
    作品内の蘊蓄で、作者自身がすごい読書家さんなのも伺えます。
    でもちょーっと好みではなかったかな?
    勢いのある作風でしたが、後半のとりとめのない話になってくるとついていけなくなりました・・・。

  • 最初は主人公の語りがなんとなく村上春樹のような雰囲気だな~って思いながら読んでいた。物語としては前半は割りと面白かったし読みやすくてテンポ良く進むので良い感じだった。ただ急にキレだしたり主人公の性格がいまいち掴めないのがちょっと気になる。図書館での話はちょっと羨ましい気がする。

  • 一般的に物書きというと「小説家」という肩書きがつくが、ある特定の人だけに絞ったテーマで文章を書く肩書きの人を、この世界の中で「片説家」という。この「片説家」なる人物が主人公の物語。

    「片説家」は特定の世界にしか開かれていない世界なので、「小説」というものに対して、ひどく卑下しているような印象を抱く。

    主人公の木原もその一人だったが、ある女性から「自分の文章を書いて欲しい」と、いつのまにか忘れていた感情を揺さぶられるような要望をもらう。

    「小説家」または「小説」というものが、世界といかに繋がり、そのために責任を生じて、煩わしさを感じるものであるかが、「片説家」というはじめてのフィルターによって、気付かされ新鮮な気持ちになる。

    同時に、卑下していた自分からなんとか脱却、考えを改めることができると、主人公が勇気を出して、乗り越えていく様が、応援したくなる。


    普段何げなく読んでいる「小説」というものに真に考え、迫った文章であり、「小説」の価値や存在に対して新たな視点で考えさせられ、不思議な感覚を覚えた。

    物事の視点は非常に、珍しく読むのが億劫になるかと思ったが、著者の技量によるところだと思うがすらすら読めた。

  • 片説(へんせつ)家は、小説家と似ているようで本質がまるで違う。片説家はグループを組み、皆で書き、読者ではなく依頼人一人の為に物語を書くのだ。
    二十七歳の誕生日、片説家を首になった主人公の元を一人の女性が訪ねてくる。失踪した妹を探す彼女はある依頼をしてくる。「小説家になってみませんか」

    はたして著者は、小説が好きなのか嫌いなのか?はたまた好き過ぎて憎んでいるのだろうか?
    小説の現状を憂いているのか、希望を持っているのか?
    小説家を称えているようでもあり、自虐しているようでもあり、数多くの小説家志望者を励ましているようでも卑下しているようにも見える。
    言ってみればよく分からない。話自体が『バックベアード』のような存在。
    何はともあれ、私は本を読めば心を揺さぶられるし、楽しいので幸せなんだと思った。

  • 初読:2006年11月7日(『新潮』2006年12月号)
    再読:2017年12月27日(文庫)

    (再読時の感想です)
    『こどおこ』に続いてこちらも再読。なんとなく、今の色々つらい自分には丁度良い感じの読み応え。
    「文字だけで書かれたドタバタコミック」とは宮本輝の評だけれども、改めて読み返すと当たらずも遠からじという感じがする。
    ただ、やはり当時のいわゆる『ファウスト』勢が担っていた、ある種の若年層向け純文学というか、サブカルチャー的リタラチャーというのは、結局十分開拓されないまま終わってしまった感じがして、非常にもったいないなと思う(あの当時のテンションのまま活動を続けているのは舞城くらいだけど、やはりペースが落ちてしまった)。ユヤタンもすっかり寡作になってしまった…。最近新作出たけど。

  • 【189】
    2016.3.20
    再読。
    佐藤友哉の作品の中で一番、文学文学してる気がする。作家として働いていく決意表明のような作品。
    そういう意味では私小説のよう。

  • 佐藤友哉氏のおもしろ小説『1000の小説とバックベアード』を読了。オーダーを受けてその人や企業の為に文書を書く片説家という職業があるという設定の中、片説家として働いた会社から解雇され、ある結社が作っている小説家になろうとしてなれなかったひとを幽閉する図書館に連れ込まれてしまうところから物語は始まる。一瞬難しい展開かと思いきや話は主人公がもう一つの結社”日本文学”に導かれ旅をしながら小説家になるという決心をしていくという不思議なストーリー。ファンタジー小説なんだろうが、ちょっとサスペンス的要素もあり、小説というテーマと結びつけたファンタジーなのでかなり面白く読めました。文章を書きたいと思った事がある人にはおすすめです。

  • 小説が好きな人は読んで欲しい本だと思いました。

    小説家と片説家とやみ
    バックベアード。

    ストーリーの世界観は唯一無二。
    でもそれよりも、筆者の佐藤さんの小説に対する気持ちが刻々と伝わってきました。
    「普通に販売されている普通の小説を、普通に推薦されている普通の小説を、普通に売れている普通の小説を僕は普通の気持ちでもう読めない」

    小説とは何か?小説家とは何か?
    なんて考えても仕方ないけれど、きっと名作を生み出すために、考えちゃうんだ。
    そういうのを考えるうえで、この小説ができたのかなと思いました。

  • 作家を目指すひとには、響く。

  • よくわからなかったけど、面白かったです。

    伏線もなく、村上春樹を思わせる強引ともいえるような展開で勢いのある作品でした。概念が伝われば物語の論理性は必要ないというような気概を持ってると思います。

    作品を作るという行為を続ける人はその文化に対して誰もが愛憎入り混じった感情を持つものなのかもしれないですね。
    佐藤友哉さんは小説を愛しているのだなあと思いました。

  • 小説を書けないことを小説にする、というのは小説としてありなのか。

  • 読了。佐藤友哉の作品は、なんだかんだいって、つい読んじゃう・・・・

    今回もそんな感じで・・・実は好きなんじゃないか?!とか思いながらも、いやいや、こういう作風は受け付けないのだよ。と・・・せめぎ合う。

    本書もだれか一人のために物語を書く「片説家」と「小説家」、そしてその間から顔を出す「やみ」をめぐり、主人公がうろうろする小説。

    小説を愛する雰囲気をひしひしと感じた。

    結末はなんだかきれいにとはいかないまでも、それなりに収まった感じで、「なんだかようわからんな?」という感じ。
    ただ、不完全燃焼ではなく、これはこれでいいのかなー。と不思議な読後感はいつものことで。たぶんそういうところが好きなのかもしれない…

  • なんだかよく分からなかった。

  • 難しいなぁ・・・。
    頭がついていかない。文字を拒絶する。
    頭がうねうねする。文字が遮断する。

  • 死にかけの作家・佐藤友哉渾身の一撃。
    クリスマス・テロルでやっちまった佐藤が講談社を離れて純文学向けに書いた今作は相変わらずオチが破たんしてはいるけど、図書館を抜け出すくらいまでは良かった。

  • なんのために小説を読むのかと聞かれると上手く説明できないのだなぁ。
    『言語』とは魔法なのだと思う。
    そんなにダイレクトに人間の五感に訴えられるのなら
    小説どころか今使ってる言葉すらいらないのでは。
    図書館に幽閉、というのが村上春樹の「ふしぎな図書館」を連想する。
    新しい小説の可能性って何だろう。

    感想がまとまりません。今の職場が出てくるよ。笑

  • 僕は「片説家」。「小説家」と違って、純粋に「特定の個人に向けて物語を書く」仕事だ。そこにあるのは、創作とはいえないリクエストとマーケティングだけ。いや、正確には「片説家」だった。四年間この仕事をしてきたが、今さっき解雇されたのだ。27歳の誕生日だというのに…。あてもなく過ごしていたところへ、「私のために小説を書いて欲しい」という女性が現れた。奇しくも、失踪しているという彼女の妹は、かつて僕のいた会社が、片説の原稿を渡した相手だという―。

    あらすじ抜粋

  • 特定の個人に向けて物語を書く「片説家」を解雇された僕。その僕に小説を書いて欲しいという配川ゆかりと、その行方不明となっている妹、配川つたえ。京王プラザホテル地下にある図書館とバックベアード。日本文学、そして1000の小説とは何なのか。

    小説について考えさせられる。設定や物語の進行は意味不明だが、読みやすい。でも最後には何だかよくわからない感じが残った。

  • 片説家の話
    なんか小説についてぐだぐだいう話
    あんまおもしろくないわ

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著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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