風が強く吹いている

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5588
レビュー : 1329
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541041

感想・レビュー・書評

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  • 純粋に感動しました。私はスポーツにはまるで関心がなく、W杯すら一度も見なかったという非国民なんですが、素直に楽しめました。

    この小説に関してはなんの前知識もなくて、しいていえば三浦しをんさんの小説が良いということだけ聞いていたので、冒頭で駅伝の話が出てきた時には正直やめようかと思いました。
    しかし、引き込まれましたね。はじめはウォーターボーイズがちょっと真面目になったような雰囲気だと思ったし、ありきたりと言えばありきたりな青春小説なのですが、きっと著者は物凄く丹念に取材したのだろうということが伝わってきました。
    未経験and無知の私にも、駅伝がどういうスポーツでどれほど過酷なのかが少しわかったような気がします。
    少なくとも以前のように陸上経験者の前で「走るなんて、なんでそんな辛いだけの事を好んでするか理解できない!」などと暴言を吐く事はもうないと思います。というか、反省しました。
    走ったものにしかわからない辛さ、清々しさ、団結力、責任、幸福感など、とても繊細に、美しく描かれていて、思わず涙がでました。
    なぜか走やハイジのではなく、神童の走るシーンが一番心に残りました。
    私もスポーツをやっていたら、こんな感情を得ることができたのかなあ。
    どんなに理屈をこねても、身をもってしか語れないことってあるのだろうと思います。人間は頭が良い生き物だと思いますが、やっぱり本質は身体であって、その美しさを表現できるのは、最大限に使いこなせる(その為の努力をした)人間なのでしょう。
    机上の空論は机上の空論でしかない。
    堕落した生活をしている私にとっていろいろと身にしみるというか、喝を入れられる小説でした。「努力だけでは駄目」だなんて言葉は本当の努力をした人でなくちゃ言ってはいけないんだよなあ。
    無理して批判するなら、ハイジの人間性についてですかね。
    こんなによくできた人間を出していいのかと。人間ってこんなに綺麗なものかな?なんて。あと、こんなに上手くいくことってあるか?みたいな。

    まあ小説ですからね。
    これが単純なハッピーエンディングだとしても、私は割と好みです。なんといってもラブコメ好きですから(笑)

    この本を陸自関係者が読んでどう思うかは知りませんが、わたしは、特に駅伝を知らない人が読むべき本だと思いました。ただの正月の行楽行事には思えなくなるはずです。ランナーを尊敬します。
    ということで、来年の正月は最初から駅伝見るぞ!

  • いつも細切れで読んでいるのですが、面白くて早く続きが読みたくて、早起きしてまで読み進めてしまいました。
    私も走りたくなりました。
    (読み終わるまで「三浦をしん」だとおもってました、ごめんなさい)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私も走りたくなりました。」
      三浦しをんって、こう言うの書かせたら、ホント巧い!(私も、ちょっぴり走りたくなりました)
      「私も走りたくなりました。」
      三浦しをんって、こう言うの書かせたら、ホント巧い!(私も、ちょっぴり走りたくなりました)
      2013/07/24
  • 大好きな作品がまたひとつ増えました。
    何度も何度も鼻の奥がツンとし、時に涙があふれるほどに、
    感情移入してしまい、読了後の余韻に浸っています。
    現在、中学校で使用されている「新研究(受験用副教材)」の中に文学教材として収録されています。
    ちなみに、抜粋シーンは、きっとここだろうと思っていた場所でした。読んだ人なら想像できるでしょう。
    こんなに素敵なお話で勉強できる子供がうらやましい半面
    すばらしい作品だからこそ、純粋に楽しんで読んでもらいたいと思います。
    お勧めの1冊です!

  • アニメを見ていたので、内容は全部知っているんだけれど、箱根駅伝のとこはもう涙涙のグズグズだった。箱根駅伝は良いぞ……。
    走の心の成長、強さを知る1年が本当に充実していてこんな分量で終わっちゃうの?!ってなった。特に青竹のメンバーが最初にハイジに半ば脅されて(?!)走ることになった時に、走ることが普通であり、当然の行為ではないと走が初めて知った驚きは言葉にはしないけれどもすごい大きな気づきだったと思う。
    メンバーそれぞれ抱えているものがあって、箱根に出ることにそれぞれ意味があって、でも襷を繋いで行くことの目的は皆同じで。
    勝ち負けではない、みんなで繋ぐことに大きな意味があるって。もうその言葉だけでサッポロビールのお正月のCM思い出してしまって涙出る。箱根駅伝を見るのは正月の恒例行事なので、毎年チェックしているけれど、見え方がまた変わってきそうだし、ますます箱根駅伝が好きになった。そして走ることにも。

  • 今更?と思われるしれないけど、私にとっては今読むべき本だった!!むかーし小出くんと林くんの映画を見た。その頃若手俳優の沼に片足突っ込んでいた私は、今でこそ著名駅伝俳優の和田まーくんが、舞台をやっていたのも知っていた。

    時は流れて大学駅伝ファンになって早一年。ハーフマラソンや10kmのタイム、関東インカレ、各大学記録会、予選会。そして箱根駅伝の大手町から芦ノ湖、芦ノ湖から大手町への景色。このイメージができたから、何も知らずに映画を観たあのころの私よりもずっとずっと楽しめた。
    駅伝は「観戦」するものだと当然思っていた。20kmを超える距離を走る彼らは、1時間もの間何を観て、何を考え走っているのだろうか。そんなことも垣間見れたような気持ちになった。

    これが書かれた2007年と、現在の箱根駅伝は大きく違う。携帯電話はスマートフォンになり、インターネット上で生配信がされる。ラジオはradikoで聞けばいいし、Twitterの情報はすごく早い。当日の選手変更も、選手たちの意気込みも、ぜんぶスマホひとつ。沿道で応援する人たちは目の前を選手たちが走り抜けるその瞬間の、その前の後ろのドラマをリアルに応援できるのだ。
    葉菜ちゃん、2019年にきて一緒に応援しようよ!ってかんじ。

  • 暴力に犯罪と落ちこぼれに落ちこぼれた元陸上選手、走がハイジや竹青荘に住んでいる仲間と箱根駅伝を目指す物語。

    こんなに自暴自棄になっても、人生はやり直せるしどんなに私たちが汚点を犯しても、人生は止まらず毎日やってくる。ただただ、前を向いて全力で頑張るしかない。何か大きなもの大切なものを得ようとすると、そんな簡単にいくものではない。ひたすらもうダメだとなるまで自分を追い込みもがくことで得ることは我慢強さを教えてくれ、今後の人生においての心の筋肉になると思う。

  • 箱根駅伝を全く知らなかったが、これを読んですごくドラマチックでおもしろいことを知った。
    走(かける)とハイジのゴールのシーンはドキドキした。

  • 泣ける。理性で抑えたけど!
    スポーツに興味ないのに箱根駅伝を見ようと思わせた一冊。
    THA☆青春
    自己犠牲ものは好きじゃないけど
    もう走れなくてもいいから、走りたいとか。
    そんなチャンスがあることにも。

    寮、仲間、日々の練習、家族の不和、疎外感、ちょっとのラブとか、花火にも沢山の人にもビビるニラとか
    もうもうもう!って言いたくなるし
    笑えるとこも多い。
    走(かける)と走るの入り混じる文章で段々
    はしるんだか、かけるんだかごちゃごちゃになってきたり。

    そんな簡単に箱根駅伝に出れるなんて都合良すぎとか、区間新記録を十分で塗り替えるとか、って思いながら
    一緒に見ちゃう。頂上。

    ニコチャンの針金人形はカバーのイラストが無いと
    ただの針金だと思ってた。

    難儀なものだな、走ることを選んだ人間というのは

  • 正月の箱根駅伝好きには楽しく読めるいわばスピンオフ小説という感じ。

  • 箱根駅伝を扱った小説と言えば、三浦しをんの 「風が強く吹いている」が秀逸である。たった10人の素人集団が予選会から箱根駅伝出場をめざすという、現実にはあり得ないような設定の物語だが、個性的な学生たちがランナーとしてめざめ、真剣に箱根をめざすようになっていくさま、頂点をめざす姿に心を打たれる。

    長距離ランナーには単なる「速さ」ではなく、「強さ」が求められる。「走る」ことは、「生きる」ことそのものに重なっていく。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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