- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104541041
感想・レビュー・書評
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良かったです。しをん先生が人気作家なのが頷ける。
ツッコミどころはもちろんあれど(いや、みんな急に強くなり過ぎじゃね?とか^^;)、そんなことはいいよ。
と思えるくらい、「物語に引き込まれたー!」とシアワセになれる読了感。
これぞ読書。
駅伝のくだりは、ついつい伴走している気分。
走とハイジ以外の一人一人の心象風景を、ここで詳細に語らせたわけですね。
キャラ立ちはどれもこれも漫画チック、ある意味類型的ではありますが、それを補う心理描写の説得力。
走の成長に、素直に共感してしまいました。
駅伝のラストは泣いたよ……
何より、駅伝に興味がわいた。これってすごいことじゃないですか@@
惜しむらくは女の子キャラにさっぱり魅力がなかったこと^^;
作者の意図的なものか、と思えなくもないが……
山口晃さん(好きvv)の装丁画が超素敵。
シアワセなお話をありがとう、しをん先生。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
純粋に感動しました。私はスポーツにはまるで関心がなく、W杯すら一度も見なかったという非国民なんですが、素直に楽しめました。
この小説に関してはなんの前知識もなくて、しいていえば三浦しをんさんの小説が良いということだけ聞いていたので、冒頭で駅伝の話が出てきた時には正直やめようかと思いました。
しかし、引き込まれましたね。はじめはウォーターボーイズがちょっと真面目になったような雰囲気だと思ったし、ありきたりと言えばありきたりな青春小説なのですが、きっと著者は物凄く丹念に取材したのだろうということが伝わってきました。
未経験and無知の私にも、駅伝がどういうスポーツでどれほど過酷なのかが少しわかったような気がします。
少なくとも以前のように陸上経験者の前で「走るなんて、なんでそんな辛いだけの事を好んでするか理解できない!」などと暴言を吐く事はもうないと思います。というか、反省しました。
走ったものにしかわからない辛さ、清々しさ、団結力、責任、幸福感など、とても繊細に、美しく描かれていて、思わず涙がでました。
なぜか走やハイジのではなく、神童の走るシーンが一番心に残りました。
私もスポーツをやっていたら、こんな感情を得ることができたのかなあ。
どんなに理屈をこねても、身をもってしか語れないことってあるのだろうと思います。人間は頭が良い生き物だと思いますが、やっぱり本質は身体であって、その美しさを表現できるのは、最大限に使いこなせる(その為の努力をした)人間なのでしょう。
机上の空論は机上の空論でしかない。
堕落した生活をしている私にとっていろいろと身にしみるというか、喝を入れられる小説でした。「努力だけでは駄目」だなんて言葉は本当の努力をした人でなくちゃ言ってはいけないんだよなあ。
無理して批判するなら、ハイジの人間性についてですかね。
こんなによくできた人間を出していいのかと。人間ってこんなに綺麗なものかな?なんて。あと、こんなに上手くいくことってあるか?みたいな。
まあ小説ですからね。
これが単純なハッピーエンディングだとしても、私は割と好みです。なんといってもラブコメ好きですから(笑)
この本を陸自関係者が読んでどう思うかは知りませんが、わたしは、特に駅伝を知らない人が読むべき本だと思いました。ただの正月の行楽行事には思えなくなるはずです。ランナーを尊敬します。
ということで、来年の正月は最初から駅伝見るぞ! -
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「私も走りたくなりました。」
三浦しをんって、こう言うの書かせたら、ホント巧い!(私も、ちょっぴり走りたくなりました)「私も走りたくなりました。」
三浦しをんって、こう言うの書かせたら、ホント巧い!(私も、ちょっぴり走りたくなりました)2013/07/24
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大好きな作品がまたひとつ増えました。
何度も何度も鼻の奥がツンとし、時に涙があふれるほどに、
感情移入してしまい、読了後の余韻に浸っています。
現在、中学校で使用されている「新研究(受験用副教材)」の中に文学教材として収録されています。
ちなみに、抜粋シーンは、きっとここだろうと思っていた場所でした。読んだ人なら想像できるでしょう。
こんなに素敵なお話で勉強できる子供がうらやましい半面
すばらしい作品だからこそ、純粋に楽しんで読んでもらいたいと思います。
お勧めの1冊です! -
ボロ学生アパートの住人が10人揃った。さぁ、箱根駅伝を目指そう!
登場人物がそれぞれ素敵に描かれています。
王子・ムサ・ジョータ・ジョージ・神童・ユキ・ニコチャン・キング・走(かける)・ハイジ
10人の青竹荘チームが襷をつなぐ。青春が香る、気持ちのいい作品です。
この作家の本は、バリエーションにも富んでいて飽きない。 -
箱根駅伝が大好きなわたしにとって、最高の一冊。10人で目指す無謀ともいえる箱根駅伝挑戦を、10人それぞれの人間味あふれる表現で書かれていて読みすすめるのがもったいないくらいに楽しかったです。個性的な10人のドラマがすてきで、駅伝に魅了されたランナーたちが、仲間のために襷をつなぐ。それぞれが襷を受け渡す場面が涙でます。
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飽きもせず毎年毎年この時期に
必ず読んでしまう -
大好きな作品。箱根駅伝が好きだったこともあり、さくさくと一気に読めた。若者が一体となって一つの目標に突き進む。読後に残るものは爽快感。本当に素敵なお話しだった。夢はいつか叶うと信じて進む、真っすぐさが愛おしいと思わせる一冊でした。
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走ることでしか到達できない高みがある。
弱小・寛政大学に集った十人。彼らは箱根駅伝を目指すことになる。
まず、一人一人のキャラクターが立っている。個性的で、それぞれのバッググラウンドがきちんと描かれていて絵がパッとすぐに浮かんだ。
次に走っている時の辛さやランナーズハイがよく描かれている。運動選手というと豪胆な性格が多いのかと思いきやそうでもないのだと思った。
青春小説には様々な種類があるが、本作ではスポーツを題材にして見事感動的な作品に仕上げている。人間は2本の脚でどこまで走れるのか。挑む事とは何なのか、実に読み応えのある一冊だ。 -
爽やかな読後感。駅伝は正月にテレビで見ていたが、一人ひとり、チーム毎にドラマがあるんだな。そして1年かけて、予選会とか合宿とかいろいろあるんだなと知った。来年の駅伝は、注目してみたいなと思った。