風が強く吹いている

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1330
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541041

感想・レビュー・書評

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  • アニメを見ていたので、内容は全部知っているんだけれど、箱根駅伝のとこはもう涙涙のグズグズだった。箱根駅伝は良いぞ……。
    走の心の成長、強さを知る1年が本当に充実していてこんな分量で終わっちゃうの?!ってなった。特に青竹のメンバーが最初にハイジに半ば脅されて(?!)走ることになった時に、走ることが普通であり、当然の行為ではないと走が初めて知った驚きは言葉にはしないけれどもすごい大きな気づきだったと思う。
    メンバーそれぞれ抱えているものがあって、箱根に出ることにそれぞれ意味があって、でも襷を繋いで行くことの目的は皆同じで。
    勝ち負けではない、みんなで繋ぐことに大きな意味があるって。もうその言葉だけでサッポロビールのお正月のCM思い出してしまって涙出る。箱根駅伝を見るのは正月の恒例行事なので、毎年チェックしているけれど、見え方がまた変わってきそうだし、ますます箱根駅伝が好きになった。そして走ることにも。

  • 図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたい一冊となった。

    他の方の書評を読んだ(Amazonなど)が、辛口の評価も少なくない。その大半が「リアリティのなさ」であった。

    確かに寄せ集めの集団、しかも多くは素人。
    で予選会を通過し、最終的には信じられないような結果を残すのだが、そんなに箱根は甘くない、作者は箱根駅伝をなめている、愚弄すらしている。
    そんな強烈な批判を述べる方もいる。

    それもまた一理。

    確かに“カンタン”に本選出場を決めたような印象があるし、五区の選手なんか、本当にそんな状況だったら走れるわけがない、といった「突っ込みどころ」はままある。

    しかし、だからといって、箱根を軽視しているか、愚弄しているかというと、答えは「NO」である。
    そんなに安易に本選出場できるほど、箱根は甘くないと思うからだ。これを読んで、「なんだ、箱根って案外楽に出れるんじゃん。」などと思う人はいないと思う。10人の走る様を読めば読むほど、自分の全てを賭けて挑戦する価値のある、尊いものだ、と思えてくる。

    この作品はドキュメンタリーではない。箱根駅伝という素材を通して、一つのことに賭けることの意味や値打ち、走ることの意味、仲間との連帯感などといった、青年期だからこそ味わえる感動や瑞々しさを表現する作品なのだと思う。

    僕はむしろ、本物の箱根駅伝でテレビに映らない下位の大学の走りやその裏にあるドラマにもっと触れたくなった。来年の箱根駅伝を早く見たいと思った。そして、走ることの喜びをあまり感じないまま終わった僕の高校時代に戻りたいと思った。

  • 今更?と思われるしれないけど、私にとっては今読むべき本だった!!むかーし小出くんと林くんの映画を見た。その頃若手俳優の沼に片足突っ込んでいた私は、今でこそ著名駅伝俳優の和田まーくんが、舞台をやっていたのも知っていた。

    時は流れて大学駅伝ファンになって早一年。ハーフマラソンや10kmのタイム、関東インカレ、各大学記録会、予選会。そして箱根駅伝の大手町から芦ノ湖、芦ノ湖から大手町への景色。このイメージができたから、何も知らずに映画を観たあのころの私よりもずっとずっと楽しめた。
    駅伝は「観戦」するものだと当然思っていた。20kmを超える距離を走る彼らは、1時間もの間何を観て、何を考え走っているのだろうか。そんなことも垣間見れたような気持ちになった。

    これが書かれた2007年と、現在の箱根駅伝は大きく違う。携帯電話はスマートフォンになり、インターネット上で生配信がされる。ラジオはradikoで聞けばいいし、Twitterの情報はすごく早い。当日の選手変更も、選手たちの意気込みも、ぜんぶスマホひとつ。沿道で応援する人たちは目の前を選手たちが走り抜けるその瞬間の、その前の後ろのドラマをリアルに応援できるのだ。
    葉菜ちゃん、2019年にきて一緒に応援しようよ!ってかんじ。

  • たった10人の弱小陸上部がお正月の箱根駅伝を目指す。

    設定としては、ちょっと有り得ないかも、と思いながらも、夢中で読みました。

    およそ走ることには縁遠かったその他の竹青荘の面々、過去に問題があり、箱根常連校に進まず寛政大に進んだ走とハイジ。
    厳しい練習をつみ、濃い1年をすごした結果のラストシーンは感涙でした。
    ハイジを心から信頼する走と、走の走りに心底惚れ込むハイジ。
    二人の関係性にグッときます。

    表紙がいい。
    読み終えてから眺めると、更にいい。
    針金人形ってああいう形状だったのですね~

    年明けの箱根駅伝が、今回も更に楽しみになりました。

  • 暴力に犯罪と落ちこぼれに落ちこぼれた元陸上選手、走がハイジや竹青荘に住んでいる仲間と箱根駅伝を目指す物語。

    こんなに自暴自棄になっても、人生はやり直せるしどんなに私たちが汚点を犯しても、人生は止まらず毎日やってくる。ただただ、前を向いて全力で頑張るしかない。何か大きなもの大切なものを得ようとすると、そんな簡単にいくものではない。ひたすらもうダメだとなるまで自分を追い込みもがくことで得ることは我慢強さを教えてくれ、今後の人生においての心の筋肉になると思う。

  • 泣ける。理性で抑えたけど!
    スポーツに興味ないのに箱根駅伝を見ようと思わせた一冊。
    THA☆青春
    自己犠牲ものは好きじゃないけど
    もう走れなくてもいいから、走りたいとか。
    そんなチャンスがあることにも。

    寮、仲間、日々の練習、家族の不和、疎外感、ちょっとのラブとか、花火にも沢山の人にもビビるニラとか
    もうもうもう!って言いたくなるし
    笑えるとこも多い。
    走(かける)と走るの入り混じる文章で段々
    はしるんだか、かけるんだかごちゃごちゃになってきたり。

    そんな簡単に箱根駅伝に出れるなんて都合良すぎとか、区間新記録を十分で塗り替えるとか、って思いながら
    一緒に見ちゃう。頂上。

    ニコチャンの針金人形はカバーのイラストが無いと
    ただの針金だと思ってた。

    難儀なものだな、走ることを選んだ人間というのは

  • 性悪女に引っかかり役者生命を絶った小出恵介が出ていた映画を見てしまったため、随分長い間積ん読になっていたが、アニメが始まりだしたので改めて読んでみた。流れからいくとバッドエンドで終わってしまいそうに読者を誘導しておいて、素晴らしいハッピーエンドに持ってくる三浦しをんの手腕は流石だ。関西以西では全く話題にもならない箱根駅伝だが、何度も開かれた競技だと言ってる割に関東の大学に限定しているのはいかがなものだろう、やはり全国放送するなら日本に限らず全大学に解放すべきだ。

  • 箱根駅伝を扱った小説と言えば、三浦しをんの 「風が強く吹いている」が秀逸である。たった10人の素人集団が予選会から箱根駅伝出場をめざすという、現実にはあり得ないような設定の物語だが、個性的な学生たちがランナーとしてめざめ、真剣に箱根をめざすようになっていくさま、頂点をめざす姿に心を打たれる。

    長距離ランナーには単なる「速さ」ではなく、「強さ」が求められる。「走る」ことは、「生きる」ことそのものに重なっていく。

  • 久々に思い出して読んだ。

    泣いた。各区間で全て泣いた。

    涙脆くなったのかもしれない。それでもいい。
    本当に素敵な光景を見せてもらった。

  • 読むたびに、こんな厚い本だったっけ?と思ってしまう。
    あっという間にストーリーに引きこまれて、
    一気に読んでしまうから。

著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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