きみはポラリス

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541058

感想・レビュー・書評

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  • 王道を行くというよりは、すこし風変わりな恋愛の話が多くて面白かった。
    ハッピーエンドものと、「おっとこれは…」と不穏な空気で終えるものがある。
    さっぱり、じっとり、受け取り方は読み手次第だが、ストーリーの印象はまるで違ってくる。

    昼ドラ風だったり、文学少女が書いたストーリー仕立てだったり、バリエーションが豊富で面白い。
    同性愛、兄弟、故人、フリーター、犬など、愛の形も様々だ。
    主人公が変われば、恋愛模様もガラッとかわる。
    そこに多様性を見出して、書き上げたのは流石だなぁと思った。

    所々クスッと笑えて、息抜きできるのがいい。
    普通の恋愛小説から一歩外れた、大人でビターな話をお求めの方にぜひともオススメしたい一冊です。

  • 多種多様な恋愛模様を描いた、11編からなる短編集。

    恋愛かぁ
    最近、無いなぁーー。

  • いろいろな愛の形の話...。どのお話もよかったけど『春太の毎日』がすっかり騙されてしまいました。有川浩さんの植物図鑑みたいな出会いなのかと思っていたら...。

  • 様々な愛の形の短編集です。
    ガッツリ恋愛モノもあれば、誰かを想い続けるものもあれば…
    微笑ましい気持ちで読んでいたと思えば、少しゾッとしたり、2人にしか分からない関係性に切なくなったりで、一冊の満足感がすごいです。
    特に好きだったのは、「冬の一等星」です。凪良ゆうさんの『流浪の月』が思い出されました。
    他にも、いかにも怪しい職業らしき彼氏を怪しむ「森を歩く」や、過去回想がなかなかのインパクトの「私たちがしたこと」が印象的でした。

  • 大人の恋愛短編集という感じです。いろいろな愛の形があるなあと思えます。個人的には「春太の毎日」が好きです。ほのぼのとしてます。この作品が好きというのは、私は大人になりきっていないのかもしれません。最初は男二人と女の三角関係かと思わせながら、そういうことかと思わせます。読後感も爽やかです。ええ話やなあと言う感じです。

  • 短編集です。ポラリスは北極星ですよね(冬ソナで覚えた)この本にこのタイトルのお話がでてこなかった。でも読み終えるとわかる。すべてのお話に主人公達にその立ち位置と行く道を照らす北極星が存在します。なるほどです。

  • 秘密めいた匂いのする恋愛短編集。
    きみはポラリスって題のお話があるわけじゃないのねと思っていたけど、読み終えてみてなるほどね~って思いました。
    広い宙でいつも同じ場所で輝いていてくれる星で、道に迷ったものを導く道標。
    自分の大切な場所に辿り着くための道標となる存在。

    思わず笑っちゃうのもあったり、しんみり切ないのもあったり
    イマイチなのもあったけど、素敵だなーってのもあった。
    「優雅な生活」がいちばん好きかな。
    次点で「私たちがしたこと」「森を歩く」「冬の一等星」、最初と最後の寺島君と岡田君の。

    巻末の「お題」「自分お題」一覧を見て見返すと、なるほどね~って感じでおもしろかったです。

  • 世界は色々な愛に満ちている。自分には思いもよらない愛の形も。それに触れられて気付きをもらえる本でした。
    青春、悲哀、コメディ、いろいろなタッチの短編集で、飽きずに楽しく読めました。

  • いろんな形のいろんな愛が盛り沢山。
    最初の話と最後の話の登場人物が同じ。
    岡田君の寺島君への愛は、深いね。
    いや、切ないよ。

    どの愛も、突き詰めると切ないなぁ、という感想。

    想いのベクトルを相手に向けてしまった方が
    辛そうだ。
    けど、そんな風になれるのは羨ましい。

  • 色んな形の愛を描いた短編集。
    思いが強すぎて怖い愛もあるけれど、基本的には、掛け合いが楽しい作品が多い。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-e2b9.html

  • タイトルがとてもよい。小説のテーマとしての「恋愛」にあまり興味がない人間でも楽しめるか不安だったのですが(二次創作では大好きなくせに)、言葉の選び方が達者ですてきだった。一筋の狂気をはらむ「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」が好き。

  • 恋愛をテーマにと頼まれることが多いので、それならと恋愛だけをテーマにした短編集。
    といっても、いかにも典型的な男女の恋愛とは限らない…むしろ、変わった所をついてくる作品ばかり。
    古い時代の片恋を描いた「骨片」なんか好き。
    最初と最後は同じ人物で締めくくってます。
    風合いと味の違いを楽しめば○!

  • 様々な恋愛模様の短編小説集。しかし最初の伏線が最後で回収される。
    自分としては森を歩く、と春太の毎日がほのぼのとした感じで読んでいて快かった。
    君はポラリスという題名の短編はないが、全編通して、誰かへの想い、誰かへの気持ちがポラリス(北極星)のように今の自分を導いてるんだってことなのかと自己流に解釈してみる。

  • いろんな愛の形がある。

    男と男の愛。
    子どもへの愛。
    愛する人と犯した罪。
    神様への愛。
    死んだ人への永遠の愛。
    夫とは違う人への愛。
    変人との愛。
    ロハスな愛。
    飼い主への愛。
    誘拐犯への愛。
    隠してる愛。

    普通の愛って、普通って何って思うけど、
    ここにある愛は、どれも普通の愛じゃない。

    いろんな愛の形を生み出し、物語にして言葉化できる。
    三浦しをんさんの真骨頂。

    こんな愛でも、愛なんだなって思わせてくれる。
    こんな形でもいいんだなって思える。

  • 三浦しおんさんの短編小説。
    ググったらポラリスって英語で北極星という意味だった。「きみは北極星」ということか。
    なるほど、その通り、それぞれの一番が書かれてる内容だった。

  • 大人の短編恋愛小説です。

    あっさりとした内容が多く、ちょっと日常に
    疲れた時に読むにはちょうど良い本です。

    本の中の言葉に癒され、暖かな感覚を思い出すには良いと思います。

    夢中になって読み進めるというより
    お茶のお供にしたい本です。

  • 心の揺れを描くのがとてもうまい作家さんだと感じる。
    興味深い設定の話が多かった印象。
    同性愛系もいくつもあった。

    「私たちがしたこと」を深夜に読んで、なんだかしんみりしてしまった。
    「森を歩く」や「優雅な生活」はほほえましかった。
    「春太の毎日」は、すぐに人間ではないことに気づく。
    読み出しは軽すぎてあまり好きではなかった。
    「冬の一等星」も瞬間のふれあいが星のきらめきとリンクしていて、なんとなく心に残る。

    面白かった。

  • 無性に恋愛小説が読みたくなったとき、人気上位にあったので買ってみた。初三浦しをん。

    自分が考えていたような甘ったるい恋愛ではなく、そもそも世間一般の(?)恋愛小説でもなかった。
    恋愛小説というと男と女が…と想像しがちだけどそこも取っ払われて、性別種族関係ない恋愛小説だった。

    『春太の毎日』がどうしようもなくかわいくて、でも切なくて、個人的に一番好きです。

  • 11の恋愛短編小説がちりばめられていて、この本そのものが星空のよう。
    BLものは長編で読みたいかも(月魚のように)
    一番好きなのは「優雅な生活」 このふたり何ともほほえましい。
    ★春太がなんてかわいいんだろう

  • 15/04/05
    読みたいなあと思っていた本にばったり遭遇できるのはしあわせですね。ばったり図書館で鉢合わせしました。
    『春太の毎日』がすごく好き。これ星五つ!満点!序盤で春太の正体はすぐ分かるんだけど、うん、すごく好き。

    ・「愛」ってのは、「現在進行形で大切」ってことだったんだなあ (P33『裏切らないこと』)

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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