猟師の肉は腐らない

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 333
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104548040

作品紹介・あらすじ

猟師の知恵に思わず脱帽! こんな豊かな暮らしが山ン中にあるなんて。世界を巡った末に、故郷・阿武隈の山奥に戻った猟師の義っしゃん。愛犬をお供に猪を狩り、岩魚を釣り、灰や煙を使って保存食を作り、冬に備え、危険から身を守る。蜂も蝮もなんだってご馳走になる。自然と生きる猟師の暮らしは、先達から受け継がれた様々な知恵と工夫がてんこ盛り。命の連鎖も身をもって学んだ、驚きの体験記。

感想・レビュー・書評

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  • 猟師さんが書いたのかと思ったけど、

    著者は先生です。

    猟師という仕事は 最近ではなる人も減ってるというので、イノシシなどによっての 農作物の被害とかを 駆除するのも大変になっているそうですが、この本では そういう事よりも 食文化とかについての説明が多かったです。

    単に説明するんじゃなく 猟師さんが どんな風に工夫して その食べ物を加工したとか ウサギにしても 皮から 内臓にいたるまで 全て 使い尽くす 食べつくすことが書かれていました。
    野蛮というより、頂いた命を 丁寧に頂く事が書かれていました。

    肉や 野菜などの 保存の工夫とか
    きちんと継承していかないと もったいないですよね~~

  • 猟師と猟師飯のお話。「灰燻し」「蕗の葉の水音焼き」「植物の熟鮓」「猪肉の燻製」などなど、昔ながらの知恵と工夫がいっぱい。旨みがチュルチュル、甘味がジュルジュル…。めっちゃ美味そう。厳しい自然の中で自由に生きていく逞しさ、素晴らしい。

  • 肉が美味しそう

  • 茨城県北部と栃木県、福島県にまたがる八溝山地の猟師義っしゃんは山奥で愛犬クマと自給自足に近い生活をしている。

    自然の恵みに恵まれ、イノシシ、うさぎ、ドジョウ、などの動物タンパクだけでなく、山菜や果実など利用できるものは利用できるだ利用する。

    原始的というより始原的な生活に見える。鉄砲や火薬、本。服装など文明の利器も利用するところは利用している。

    人間が生きていくということはこういうことなのだということを再認識させてくれる本。

  • 地味に好きな作家、小泉武夫。
    今回は阿武隈の山奥に住む猟師の義っしゃんから、生活の知恵(?)と山奥での暮らし方を教わった1冊。

    猪を狩り、岩魚を釣り、自然と溶け込んだ暮らしぶり。家族は犬一匹のみ。
    夏場と冬場の2回作者は訪れ、その暮らしぶりを余すことなく記している。

    ただの記録ではなく、作者のユーモアあふれる文体に、義っしゃんを身近に感じ、一回は山奥の暮らしをしてみたいなぁと思わせる一冊。

  • 故郷の山で暮らす旧友を訪ね、4~5日間、ともに山河に遊んだ記録である。

    ドジョウだ、兎だ、猪だと獲っては食いまくり、どぶろくを飲みまくる。そして山の暮らしの奔放さに舌を巻き、知恵の深さを思い知る。

    「違法行為」もそのまま書いていたりする辺り、エッセイとも小説ともつかない、何とも味わい深い本である。

  • 登場人物は「義っしゃん」と筆者(先生)あとは猟犬の「クマ」だけです。
    濃厚な自然の匂いのする本で、良くある自然と対峙する張りつめた本ではなくて、自然の懐で生き生きと暮らしている友人の家に遊びに行って、その暮らしの奥深さに心打たれる瑞々しい本です。友情と寂寥が入り混じった心の交流がうらやましいです。
    猟犬のクマの圧倒的な意志力と可愛らしさも胸を打つし、山から川からの恵みを頂く野生グルメもよだれが出るほど美味しそうです。
    最後のシーンも義っしゃんらしい終わり方で、二人の友情がずっと続いていくのも実感できて、こうしている今も物語は続いているんだなあと胸があったかくなる本です。

  • 自然の中で生きる人のファンタジー小説みたいという感想。エッセイではなくフィクション…だと思う。

  • 先生と義っしゃん、クマの友情に乾杯!
    野生の肉、ご相伴にあずかってみたい。

  • 八溝山系の山の中に一人くらす義っしゃんを訪ねる日々の記録。貴重な知恵の宝庫、こういうことは暮らしの中で積み重ねるものなんだろうな。

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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