- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104555055
感想・レビュー・書評
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三世代にわたる警官一家の歴史を淡々と書ききった大作。
戦後すぐに警官となった安城清二。
上野界隈は浮浪者で溢れていた時代から次第に復興していく有様が描かれます。
軍隊帰りで、民主主義の時代に希望を抱いて、息子には民衆の英雄という意味で名付けます。
駐在として人望を集めるが、天王寺の火災の時になぜか現場を離れ、鉄道事故で死亡。現場を離れたために殉職扱いにはされなかったのでした。
息子の民雄はその時、8歳。父と同期の血の繋がらないおじ達の援助で高校を出て、警官に。
父のような駐在になりたかったのだが、心ならずも公安の仕事で、北大に入学してまで学生運動のスパイに入り、神経を病むようになってしまう。
父の死の謎を解くのが、警官になった目的の一つだったが…
2007年9月発行。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
親子3代の話。
前編は入りやすい -
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長編にしては 3部作の趣で読みやすい。
下巻に続く -
警察官からみた戦後史といった趣きで、ある意味面白く懐かしく感じながら一気に読んだ。
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戦後の時代の描写が興味深い。
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第二部民雄になると、するすると一気呵成に物語が展開。今後が、期待できる。
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昭和二十三年、上野署の巡査となった安城清二。
管内で発生した男娼殺害事件と国鉄職員殺害事件に疑念を抱いた清二は、跨線橋から不審な転落死を遂げた。
父と同じ道を志した息子民雄も、凶弾に倒れ殉職。
父と祖父をめぐる謎は、本庁遊軍刑事となった三代目和也にゆだねられる……。
戦後闇市から現代まで、人々の息づかいと時代のうねりを甦らせて描く警察小説の傑作。