警官の血 下巻

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  • 新潮社
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本棚登録 : 651
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104555062

感想・レビュー・書評

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  • 未読

  • ミステリーというほどの謎はないが、充分楽しめた。この人は直木賞候補だったが最後で残念な結果となった。もう充分に実績もあり完成されている人として今更の受賞は必要ないという事なのか。近代日本の「警察」という組織に父、子、孫が警官として勤めた安城一家。戦後に起きた殺人事件の謎を追ううちに不可解な死を遂げた父。その父の死の真相を知ろうと警官になったが公安のスパイとなった息子。彼もまたその事件の真相に近づいたとき自殺のような殉職をする。そして平成に警官となった孫。彼によって真相は明らかになる。駐在巡査でありながら殺人事件に疑問を持った祖父は、古き時代の警官として地域に親しまれる警官を目指していた。子は望んだわけではないが時代に必要とされ潜入捜査をする。私はこの第2部が一番面白かった。やっと語ることが出来るようになったあの頃の全共闘の物語。ほかにこのことを題材としたものを読んでいないからかもしれないが、山の中のアジトやその中のリンチ事件、もちろん浅間山荘事件やよど号事件はテレビを通してまだ小学生の低学年だったが衝撃の事件だった。当然こんな公安の暗躍も合ったろうという気もして、その中で人格が破壊されそうになる緊張という部分。第3部はやはりあの北海道の刑事の事件が題材でやはりこの人はこれかという気がしてしまったが、それでもまあ楽しめた。読み終わって気が済んだというのが感想というところか。

  • 2008 一気読みしました

  • 噂通り素晴らしい作品でした。細かいエピソードがちりばめられているのですが、それぞれ深く描くことなく淡々と時代が流れていく手法は、好みがあると思いますが、これはこれでいいと思いました。NHKの大河ドラマの年末に放送される総集編(2時間×3本)をみているような感じで(笑)。これを宮部ならそれぞれのエピソードを深く掘り下げて書き込んで、なおかつすべてのことが最後にはつながってくるんでしょうがね。クライマックスである和也の章は読み応えありましたね。ただ最後、和也が監察を受け早瀬とのやりとりを録音したICレコーダーを盾に突っぱねるシーンは必要だったんだろうかね。早瀬との面会の後、父親・祖父の想いが和也のなかで昇華された時点でこの物語は終了のような気がする。読後感を気持ちよくという意味で付け加えるならば、「その後、和也は立派な“警官”になりました、めでたしめでたし」でよかったよね。

  • (2008年4月13日読了)

  • 2008/4
    下巻は上巻に比べて、より複雑な人間関係が描かれていく。3人の対照的な警察官としての立場。そして隠された真実が絡み合ってとても楽しめる一冊と言える。

  • グダグダで終わるのかと思ったけど、あそこまで痛快に終わるとは!

  • 親子三代に渡る警察官の話。
    それぞれの世代が抱える時代を絡めつつも、大きな流れがブレずに読ませる。
    このミス1位も納得。

  • 最も警察組織のことがわかる話だったと思う。一度は目指そうと思った職業、私には出来ないなぁ。

  • 銃弾に倒れ殉職した民雄の息子、和也もまた警官になった。民雄が清二の死について探っていた真実を、また和也も知りたいと思う。正義とはなんなのか?微罪と重罪の線引きはどこからなのか?警官は何をもってその行為を罪となすのか?罪とは何なのか?和也の職務や、祖父清二の友人との会話を通じて罪を憎んで人を憎まずという言葉が浮かびました。3世代にわたる壮大な重みを感じる作品でした。よかったです。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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