日傘のお兄さん

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104560028

感想・レビュー・書評

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  • 『無理な約束を、たくさんしよう。最初から無理なんだから、もっともっと。考えただけで胸はずむような、馬鹿みたいな約束をするんだ。』素敵ですね。ずっと一緒にとか胡散臭くって嫌いだったけどこんな考え方もあるんですね。胸はずむ約束を誰かとしたいです。

  • 5つの衝撃的な展開ながら切なくはかないストーリー。特にバイバイラジオスターが好きだった。叶わなくてもいい恋があるんだと実感させられた。

  • 短編集。
    同年代の著者にやられっぱなしが悔しいが、最初の3編を読んで「なんだつまらない文章も書くのか」と安心した。
    しかしそれに続く「日傘のお兄さん」「猫のように」でまたやられた。
    なんでこう、私の心をつかむんだろうか?
    特に最後の「猫のように」は、40のおっさんの話であるにも関わらず、共感できるのがすごい。人類共通の寂しさなんだろうか。

    いつもいつも特にバッドエンドなわけでもないが、何かしこりができる、あるいは浄化される。

  • 「バイバイラジオスター」
     新しい恋に向かうまで
     やっぱ、未練たらしく想うことあるんだね、
     女の人もさ。
     過去のことをさ。
     そのねちねち感がうれしいけどね。

    「すこやかなのぞみ」
     やたら前向きと
     ちょっと後ろ向きの気持ちが戦って
     やたら前向きが勝っちゃった。
     すべて前向きじゃなくて
     後ろ向きな想いもあったから、
     より前向きになれたんだなぁ、って。

    「あわになる」
     この設定がホントなら
     ボクは幾つのボクで、15ヶ月、なにしてるかな?
     と考えたりして…。

    「日傘のお兄さん」
     ちいさい女の子とかみてると
     やっぱ、かわいい。と思ってしまう。
     それってロリコン!?
     まわりからロリコンだって云われたら
     そう…? って思いこむかも。
     なんかキャラつくられたら、崩すの大変かもね。
     この女の子は自分に見えたものを信じて。
     なかなか難しいんだよね、こういう事。
     
    「猫のように」
     いつまでもおぼろげで変な自信を
     抱え込んで生きていきそうだよ、ボクも。
     ひとりで死んでくって、淋しい?
     そう思う?どぉ?

  • バイバイラジオスター…女子大生が新たな出発のため過去に一つのピリオドを打つ。少しセンチメンタルだけどしっかり前を向いている。
    すこやかなのぞみ…なかなかきわどいけど面白かった。彼女の切実なのぞみが女の性欲というものなのだろうか。
    あわになる…評価はこの作品。心を直接マッサージされたくらいの衝撃だけどすごい心が暖まった。味わい深くて興味深いストーリー。霊に普通に接する玲奈さんが逆に怖いけど、それはそれで好きかも。やばい、玲奈さんの子供に生まれたくなってきた。
    日傘のお兄さん…変質者のいたずらなのか違うのか、お兄さんを試すような行動が読ませる。島根に向かう途中辺りからだんだんテンポが落ちていったように感じた。
    猫のように…自虐的なオブセッションは誰も止められない。勝手にこうだと思い込み一人で進んでいく。確かにクリエイターに多いタイプなのかも。ん?猫もそうなのか?

  • 短編集だが、どれも読んでいてヒヤヒヤしてしまうぐらい、まっすぐで、自分の気持ちを信じて行動する若者たちが出てくる。長い目で見てそれでいいの!?と感じる自分は、すっかり大人になってしまっているのだろう。自分の今の気持ちを大事に生きることを思い出させてもらった本だった。

  • 人と人との関わりで生まれる
    暖かい感情が描かれている、と感じた短編集でした。

    人の感情はきれいなものだけでない。
    汚ない感情、惨めさ、多数に紛れて他者を批判する弱さ、
    そういうものも沢山ある。

    でも、ふれると温かくて涙を流してしまう・・・
    例えば、ただただそこに居てありのままの自分を受け入れてくれたり、
    自分が道を見失っている時、大切な人が努力して輝いていることだったり
    (「日傘のお兄さん」・「ハローラジオスター」のような)

    そんなふれあいを私は大切にしていたい。


    この本は、豊島ミホさんが大学を卒業して社会人になる前、
    これが最後の出版になるだろうと思って出した本だそうです。
    だから、とても思い入れがあるのだとあとがきに書かれていました。
    (結局、その後も作家を続ける決断をされています)

    4つとも、小さくでも力強い輝きを放つ素敵な本でした。

  • 文庫版の話は単行本版から大きく修正していると聞いて、読み比べてみようと買ってみた。
    表題作は、正直微妙。文庫版の方がまだ好き。
    繊細さと美しさは単行本版の方が感じられるのだが、それが却って私の中で嫌悪感をそそる。どんな理由があっても、どんなに綺麗に書いてても、いや、綺麗だからこそお兄さんの自己欺瞞が鼻につく。
    特に文庫版にはなかった、お兄さんのあの言葉。あれが嫌悪をそそる原因だな。結局どんなに取り繕ったって言い訳じゃないかと思ってしまった。

    文庫版より好きだったのは「バイバイラジオスター」。著者お得意の、青春時代を切り取った切ない作品。

    全体的に考えると、文庫版の方がどれも登場人物がいい意味で逞しく図太く感じられた。
    これは著者自身の変化が反映されているのだろうか。

  • 表題作『日傘のお兄さん』を含む全5作の短編集。どれも心にじんわりと優しく染み込むようなお話でした。
    この人の本、もっと読んでみたいなぁ。

  • ★3.5

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