純情エレジー

  • 新潮社 (2009年3月19日発売)
3.24
  • (20)
  • (54)
  • (104)
  • (27)
  • (8)
本棚登録 : 553
感想 : 85
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784104560035

みんなの感想まとめ

官能的でありながらも、冷めた視点を持つ登場人物たちが織りなす物語は、重苦しさを感じさせずに楽しむことができます。田舎を舞台にした裏テーマがあり、登場人物たちの心の葛藤や、故郷への複雑な感情がリアルに描...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「わかる」と「わからない」が両立する《恋愛未満》の関係 ~豊島ミホ「あなたを沈める海」に見る名場面|話題|婦人公論.jp
    https://fujinkoron.jp/articles/-/4508

    官能小説のおすすめ6選!1人の夜もエッチな気分になれる初心者女子に読んでほしい官能小説を紹介! | comingout.tokyo
    https://comingout.tokyo/155177

    純情エレジ- / 豊島 ミホ【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
    https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784104560035

  • 「エロ」な豊島さんを読みたくて手に取った。官能的だけど、どこか冷めていたり青臭かったりな登場人物らのおかげで、重苦しくなりすぎず読めた。
    でも、個人的に心を動かされたのは、全編を通して舞台に描かれている「田舎」だ。これが裏テーマだろうか…舞台はおそらく東北だろう。県は違えど、豊島さん同様に北東北の片田舎に生まれ育った私には、描かれる田舎の閉塞感が手に取るように分かった。そこで暮らすことの息苦しさを振り切るように都会へ出る。嫌悪感を感じつつも、全てが嫌かといえばそうも言い切れない。それはまんま、私自身もそうだったから。田舎を捨て、東京でライトノベル作家として成功した照が、イラストレーターの彼女に郷里のテレビ番組を見せて言われた言葉。「っつーか、よくこういうとこ住んでいられたよね」「あたし無理。こういう文化レベルの低いとこ。」そのセリフには同意しつつも、なんだかうまく説明できない苛立ちを感じたのだった。照が言うところの、「わかっているけど、飲み込めないものがあった」。他の作品の登場人物も、皆どこかで自分を持て余している…田舎に留まるものも、出て行ったものも、出戻ってきたものも。余計なお世話だけど、豊島さん自身、書きながら揺れていたんだろうかと感じてしまう。
    それが如実に現れている最終話の「結晶」は、読んでいて胸が痛かった。読みながら、愛読していた豊島さんの連載エッセイで、東京から秋田に帰ると突然発表したときのことを思い出さずにはいられなかった。休筆宣言はその後だったろうか。
    「どっか届きたかった気がするのに、今じゃもうわかんない。あのまんまがよかった気がしてきたんだ。なんか。」
    「結晶」のこのセリフが、妙に心に残った。地方出身者だからこそわかってしまうコンプレックス…そんなものを勝手に感じ取り、「結晶」で、東京で再会した同郷の人間との方言での会話のような感覚で、私は豊島さんの小説に強烈なシンパシイを感じていた。できることならまた会いたい。彼女の小説に。

  • 豊島ミホはほんとに(なぜこの二人は惹かれ合っているんが…わからない…でも惹かれ合っている…)を最高に魅力的に書くなあと思う。純情エレジーは短編集でそのうち2作品が同じ世界軸の話になっている
    再読になるのだけど、何年ぶりだろうか…。『女による女のためのR-18文学賞』という女性の書き手に限った文学賞を知ったのは豊島ミホがきっかけだ。その第一回で読者賞を受賞したのが彼女である
    ためらいのない性描写と罪悪感なく性的なことを楽しむ女性の描写に初めて読んだときは少し面食らったものの、いや、それの何が悪いんじゃいという話で豊島ミホの作品はすぐに好きになった
    もはや恋愛感情なのか執着なのかもわからない、どこにカテゴライズされるかわからない二人のあいだにある感情とその二人の魅力がわかるようでわからない。きっとこう、なの、か…?というような絶妙な塩梅でそれが二人だけのあいだにあるものなんてそんなものだよねえ、なんか好き、なんかいいと思うとかそういうもんだよねえ。という気持ちになって、結局当人たちのことは当人にしかわかんないんだから外野が何を言ったって野暮という突き放しみたいなものを感じて好きだ

  • 少女から女へ、少年から男へ。
    若者だからこそ岐路はたくさんある。若くきらきら輝いて何をしても楽しくて
    有り余るエネルギーをぶつけ合い、飽きもせず求めあった、あの頃。

    少しの淫靡さをまとった短編集です。胸がキリキリと切なくなる話が多かった。
    精神的にもだいぶ大人になったつもりでいたけど、しっとりした大人の恋より
    まだまだ“こっち側”に共感してしまうと気付かされました。

  • 40代のおやじにとってこの小説はすっごく懐かしさの感じる短編集でした。 
    すごく綺麗で胸がぎゅーっと締め付けられるような苦しみと切なさにたまらなくなってしまう。 
    「あなたを沈める海」と「避行」、男と女、違った視線から語られれば風景も違って見える。書き下ろしの「結晶」もよかった。

  • 2009.06.11. 女の子たちの、なかみは、空っぽなんだ。それが海のようであり、砂漠のようであり。

  • 情景描写が田舎なんだけど味わいがあってのんびりとしていて良かった……けど、どの主人公もひたすらに緩かった。全編を通して無力感、その場の流れに任せてやり過ごすというような所がことごとく目についてしまった。恋愛とセックスって確かに表裏一体なんだけど。でもそれだけでもなくて。そのバランスがもう少しかかれていても良かったのでは…?

  • 夢中なものを持っている輝は孤独で、その孤独は東京にいる今も少しずつ形を変えながら続いている。
    遥は高校の頃はその自分の持たない孤独さを美しいと思い、その孤独を含めた照ると取り込みたいという乱暴な気持ちから恋が始まる。
    だけど今の遥は帰ってくる輝を待っていて受け入れるだけの存在になっている。それが海という広大すぎる孤独から輝を守りたいという能動的な行動をしていて、懐かしさと自尊心のためにたまに帰ってきては会っていた輝の心を揺さぶる。
    最後に輝はどちらの道を選んだのかはわからない。
    だけど次の駅で降りて引き返して、遥を抱きしめて欲しいと願ってしまう。

  • ジュース1本でセックスさせてくれる女子高生がいる? と女房に聞くと何を馬鹿なことをいってるの。 と怒られてしまった。

  • 「春と光と君に届く」がとても好きでした。大好きな人を毎日大切にしようと思いました。

  • 思春期独特の感情が詰まっている。

  • 短編集。冒頭二作のみ読了。設定が好みじゃなかったので断念したが、文章はとても綺麗で読みやすい。この直後に村上春樹を読んだら、案の定胃のあたりが気持ち悪くなってきた。気持ち悪いのに読みたいと思う本と、気持ちよく読めそうなのに読むのを止めてしまう本の違いはなんだろう。装丁と挿絵の好みって、その作品を好きになれるかどうかの基準としてめちゃくちゃ大きいですよね。

  • これが純情なのかは置いておくとして…『あなたを沈める海』と『避行』が対になっていてよかったし話としても1番好き。その後の2人がとても気になるけど。性描写もたくさんあったけどとても綺麗というかうまく描けていて読みやすかった。他の作品も読んでみたいなと思わせる1冊だった。

  • 「十七歳スイッチ」
    同級生を見下してる磐田くんと、缶コーラ一本分でやらせる樋口さん。磐田くんは俯瞰型男子高校生なんだな。みんなバカに見えて、俺はあんな奴らとは違うんだって考えつつも、自分も他人とは違うアピールをしたいだけの一人だって分かってる、というか「お前も自分は他の奴とは違うんですよって言いたいだけじゃん」って言われた時のために予防線張ってる、あの感じ。すごい分かる。なんだかんだ流れで童貞切ったらやっぱ世界変わってんじゃん。優しくなれんじゃん俺、的な雰囲気で締められる。高校生の世界ってそういうもんなのかもなあ。

  • 久々の豊島さんの短編集

    最初の「17才スイッチ」がタイトルも含めて一番好き
    この人高校生と田舎の人間を描かせたらほんとNo.1だと思う

    R15の描写がたくさんですが、すんなり読めるのでぜひ

  • エロティックな性愛に関する作品だけをまとめた豊島ミホ。正直こういう類の作品だと思ってなかったからビックリした。遥サイドから書いたお話と照サイドから書いたお話が少し離れたところに入っていて良かった。ただ、この作品好きかと言われれば「うーん」。文章は綺麗なんだけどね。心情描写もいいんだけどね。ちょっと理解できないとこが少々。2012/476

  • どの女性も、秘めた情熱があるけれど男性に多くを語らず、その時その時をなすがままに生きている感じ。

  • 田舎と都会と、男と女。
    官能というより、くすぐったいように気持ちよく、ああ、女子高生の時にこんなのが読めたら、と思った。

    どれもあっという間に読んでしまったけれど、遥と照の二人の物語を、私はきっとずっと忘れない。紡ぎ方がどうとかでなく、この二人の関係が余りにも羨ましく見えたから。照は、そうして、どうしたのだろうとふと思い出しては考えてしまう気がするなあ。

  • 豊島さんのファンになる

  • 豊島ミホさんの作品はいっつも大好きになるのですが
    これは…多分、もう読み返さない気がします。

    R18出身だからこういうのも良いんだろうけど、
    というか 決して悪い内容ではないんだけど、
    いつもの甘酸っぱい恋愛もののほうが似合う気がします。


    選ぶなら、
     指で習う
     春と光と君に届く
    この2つが特に、好きでした。

全69件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

豊島ミホの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×