太陽がイッパイいっぱい

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 81
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104568017

感想・レビュー・書評

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  • 三流大学に籍をおくイズミ。彼女から旅行をせがまれ、資金を貯めるため工事現場で日雇いのバイトを始めた。
    彼女と破局した後もバイトを続けた理由は、肉体労働そのものが楽しくなってきたからだ。
    大学も、友人との付き合いも、コンパもナンパも、現場での日々に比べたら絵空事に感じる。
    現実に蓋をしたイズミは、アナクロでアナログな世界にどっぷりとつかってゆく。

    身体を酷使して腹を空かす。腹が減れば飲み、喰い、酔っ払い、そして眠る。
    清々しいまでにシンプルな世界。そして周りのメンツもあったかくて個性的でいい感じ。
    近寄りがたくちょっと怖い人達ですが、悪いところも引っくるめて、いいキャラになっている。
    生き生きと働き、時にやんちゃが過ぎる彼等。かっこ良く見えて仕方ありませんでした。

  • 汚い関西弁炸裂の汗まみれの小説です。
    気持ちええッス。おもろい。

  • アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」やマット・デイモンの「リプリー」とは違います。いや少し関係あるかな?
    「イレギュラー」があまりにも面白かったので、同じ作者のデビュー作です。そして小説新潮長篇新人賞受賞作。

    やっぱり登場人物のキャラがたってていいです。

    痛快!じゃりん子チエとかナニワ金融道の世界・・・もうちょい哲学的要素も入るかな?

    関西人やったら、かなりおもろいと思うで!!
    関西人以外もどうぞ(笑)

  • 大学生活よりもガテン系の充実感に解体屋の組で働くイズミ君を主人公にちょっと個性的な若者たちが生き生きしている。ちょっと下品なくらいあっけらかんとした恋や喧嘩や、そして働くという事、生きていくという事がテンポよく進んでいく。肩がこらずに読めるのだが、読んだあとちょっと働くことってヤッパリ大変、どんなことでも生きていくって大変と思ってしまう。下流社会の中でこんなことっていっぱい合って、それでも一番居心地のいいところ見つけようとするのは大変だよね。この文章からっとしていて明るくっていいねえ。

  • 頭でっかちになるより、額に汗する方が本当な気がする……
    そう思う主人公に共感しつつも、解体業者の一癖二癖事情ありの同僚達の気持ちもわかる。
    みんなどうにかこうにか居場所を探してるんだよね。

    第8回小説新潮長篇新人賞受賞作。

    装画 / 黒田 硫黄
    装幀 / 新潮社装幀室

著者プロフィール

1969年、岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で第8回小説新潮長編新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『イレギュラー』『厭世フレーバー』『タチコギ』『公園で逢いましょう』『JUNK』などがある。

「2017年 『泥棒役者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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