短歌と俳句の五十番勝負

  • 新潮社
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本棚登録 : 103
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104574032

作品紹介・あらすじ

五十人のお題に応える新作で、短歌と俳句の真剣勝負――どちらがお好きですか? 自由に読み解いて、比べてみてください。短歌的感情と俳句的思索、並べ読むことでさらに愉しみが増す取り合わせです。お題は谷川俊太郎さん(ぴたぴた)、壇蜜さん(安普請)など五十人からいただきました。多彩なお題をどう詠むか――プロの技を味わえます。創作の背景を綴るエッセイも収録。人気の二人の魅力満載の対決企画。いざ、勝負!

感想・レビュー・書評

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  • どうでもいいが、同じクラスになって名簿の席順だったら、近くになったであろうなあこのお二人。そして自分も。どうでもいいが。

  • 「角田光代×穂村弘の自意識過剰対談」というイベントに参加して、購入した本に並んでサインをしてもらった。
    表紙カバーを外して忍者姿の解説をしてくださって、とっても感激!さらにファンになった。

    転校生となめくじがお題の短歌が好き。

  • 短歌VS俳句。いざ五十番勝負!穂村さんの短歌VS堀本さんの俳句。
    お題を出す人が豪華。その言葉選びのセンスもピカッとしていて、色々な意味で楽しめる。短歌は穂村さんならではのキラッとしたもの、毒をはらむことば、キュートなものまで豊富な感じ。一瞬をとらえる鋭さがある。俳句はじわじわじわ~っと後から効いてくる。なんかスルメみたいで渋いし沁みる。
    ただし短歌も俳句も解説を読まないと意味が分からないものもある。31文字と17文字の中に様々なものがつまっていて、あらためて感慨深いな…と思った。

    「背骨」「文鳥」「安普請」「うらはら」が、両者共に素敵でした。閃きやすいお題と、難しそうなお題とあって、説明文を読んでも「おぉー」と思える部分があった。表紙も文字の渦でカッコいい。

    お題「背骨」
    ●ねむれ風 ねむれ太陽 めざめるな プールサイドに列ぶ背骨よ (穂村さん)
    ●湯ざめして背骨の芯のありどころ (堀本さん)

  • 安普請の床を鳴らして恋人が銀河革命体操をする
      穂村 弘

     穂村弘が、今年5月に17年ぶりという新歌集「水中翼船炎上中」(講談社)を上梓【じょうし】し、話題を集めている。

     その穂村が、俳人の堀本裕樹と50の題で短歌と俳句を創作し合った連載エッセーが単行本となり、こちらも話題の書だ。

     題を提供した50人の顔ぶれは、芸人で作家の又吉直樹、写真家の荒木経惟、落語家の柳家喬太郎ら著名人のほか、小学生や運送業の男性、出版社受付係の女性ら一般の人々もいる。題も、「挿入」「放射能」「ぴょんぴょん」など、一筋縄ではいかないようなものばかり。

     そんな題を、短歌と俳句でどう表現するのかが読みどころだが、掲出歌は、タレントの壇蜜が出した「安普請」という題のものである。古いアパートが思われるが、ぎしぎし鳴りそうな一室で、「恋人」が柔軟体操をしているのだろう。体操を「銀河革命体操」と命名することによって、恋人の神秘性がぐっと増すところがおもしろい。

     堀本裕樹による俳句は、こちら。

    鎌風【かまかぜ】の抜け道のある安普請

     「かまいたち」とも言う「鎌風」は、冬に突然、鎌で切られたような傷を受ける現象のこと。同じ安普請の題でも、両者はまったく異なる語感の名詞を探し出しており、言葉の引き出しの多さが伝わる。

     巻末の対談で、穂村弘は「自分でも思いがけないことを書きたい」と発言している。自身が驚くほどの飛躍的な発想を、確かに、本書の随所で味わうことができる。
    (2018年7月1日掲載)

  • 8/19は俳句の日
    一つのお題で作られる短歌と俳句、贅沢な共演で味わえる一冊を。

  • 俳人と歌人の新鋭の二人が題ををもらって格闘する。俳句と短歌の違いが鮮明に分かる。
    後書きで「俳句の季語、短歌の造語」と書いているが、確かに俳句には季語があることにより、短い単語で多くの情景を言い表される。そして短歌は新しい言葉を生み出すことにより新鮮な感覚が浮かび上がる。
    僕が気に入った短歌
    「ぴょんぴょんとサメたちの背を跳んでゆくウサギよ明日の夢を見ている」穂村弘
    つずいて俳句
    「夕焼けに塗り込められゆくこころ」堀本裕樹

  • 僭越ながら俳句はよめそうな気がする。だが短歌は楽しむのがええな。小さなことから大きなことまで、それぞれあの文字数で切り取るテクニックよ。言葉のプロはエッセイもさすがでおます。

  • 著名人から一般人まで、50人の方々が出した一つの「お題」を前に、歌人・穂村宏と俳人・堀本裕樹がそれぞれ作品を披露しています。

    少ない文字数の中で、研ぎ澄まされた言葉の素晴らしさ。
    短歌と俳句。
    形式は違えども、まさに才能の一騎打ちです。

    同じお題でも、お二人の世界感の違いがはっきりと表れて驚かされます。
    このお題をこう詠むか!と意表を突かれることもあれば、流行りのキーワードで価値観を共有できるものも。
    中にはよくわからないなぁというのもありますが、一作品ごとに添えられた解説を読めば、作品の背景が見えてきます。
    特に堀本さんに至っては、解説というより良質のエッセイ。
    一つのお題で何度も楽しめます。

    巻末には、お二人のセンスが炸裂する対談も収録されているので、面白さ倍増です。

    図書館スタッフ(学園前):山姉さん

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    帝塚山大学図書館OPAC
    http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2110032820

  • 「波」に連載中から楽しみに読んでいたが,一冊にまとまるとさらに楽しめる.お題からの連想過程が詳細に記載してあるのは,俳人や歌人がどのように考えて俳句や短歌を作っているのかが分かって,面白い.手の内をさらけ出す感じだ.「あとがき対談」もそれぞれのテリトリーで固まらずに,柔軟な発想をしているようだと感じた.「カルピスの氷ぴしぴし鳴り夕立(ゆだち)」が良い.

  • 部長:胡瓜など蒔きしと部長話し出す
    楕円:切り口の楕円うつくし胡瓜漬
    背骨:ねむれ風ねむれ太陽めざめるなプールサイドに並ぶ背骨よ
    まぶた:左目に震える蝶を飼っている飛び立ちそうな夜のまぶたよ

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

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