ディスコ探偵水曜日〈下〉

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 618
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104580040

感想・レビュー・書評

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  • 閉塞感に包まれている文学界隈に殴り込みに来た舞城王太郎の初となる長編小説。

    上巻は探偵達のスピーディな推理合戦。そもそも世界観が形而上なものなので頭が追いつくのが非常に大変だが、作者の用意した世界を理解できればなんてことはない。
    下巻はうってかわって愛愛愛!のパワーでゴリゴリ押していく。
    こんな小説書ける舞城王太郎氏を本当に尊敬してしまう。
    イマイチ陽が当たらないのが残念。

    ビッチマグネットで芥川賞6度目?の落選した時に推していた審査員が舞城氏を村上春樹に芥川賞をあげられなかった時を例に出し残念だという講評を残していたのが懐かしい。

  • 間違いなく傑作だけど読書初心者にはオススメできない小説。
    ディスコウェンズデイはかっこいかった!
    ダンディなヒーローって感じ。
    三田村三郎がペンネームを変える理由とか伏線はところどころにあって。
    時空についての説明とか絵見ても難しいんだけどトータルで面白ければOKじゃない?

  •  とにかく色々てんこ盛りで巨大な作品。書き出しの加速度が凄まじいですね。上巻にて「考えろよ」「働けよ」と言われ続ける主人公ディスコなど、書かれているもの一個一個を個別に見てもとても面白いのですが、その総体としてはもはや小説という媒体がもつ面白さ・小説を書くことの楽しさってぐらいデカいモチーフを持ち出さないと説明できないかと。強烈な読書体験でした。
     あと、表紙が天真爛漫で素晴らしく格好いいのです。普段、単行本は図書館で借りるだけにしてるのですが、この作品に関しては手元に置いておきたくて買ってしまいました。今でも本棚で強烈な存在感を出してくれてます。

  • 600ページにわたる上巻に嫌気がさし、下巻を読むのはやめようかと思っていたけれど、最終的には読んでよかった。というか、上巻は下巻のためのただの布石にすぎなかった。

    おそらくこの本は大部分の人には受け入れられないというか、理解できない。僕もその一人だけど。でも、ディスコウェンズデーが己の信念に基づいて、新世界を創造するのは、とても痛快だった。

  • 想像の遥か彼方まで拡がって、スタート地点は粉微塵になってるのに塵をかき集めて着地する神業。すべての過程が狂ってるのに、降りた場所だけが正しい奇跡。最高傑作!

  • 世界想像の物語り。

  • 総じての感想として、舞城って思ったよりいいやつじゃん…って感じですか?ラノベを純文学風に新本格化したって感じでいいんじゃないでしょうか。とりあえず、口直しに村上春樹の「1Q84」を読み始めました…

  • 一体どこから書き始めてるのか全くわからない
    今まで読んだどの本よりも、最初と最後の一文が残ってる

  • これ以上は・・・・という広がりを更に広げ、更なる不安。時間、空間のハードSF設定をバネにゴム段をしているようなリズム感。途中途中の絵説明も楽しかった。
    名探偵のバカバカしさとハードボイルド探偵のむくわれなさを、壮大に、まじめに描写しているのもパズルのようでウケる。出てきた登場人物で気に入っているのは「大爆笑カリー」と「水星C」。

  • 下巻は書き下ろしらしく第四部「方舟」が収録されている。もはやなんについて触れてもネタバレになるので上手く書けない。ただ、上巻の空白だった部分が見事に組み直され、再構築されていくのには圧巻と言わざるを得ない。多分、これほどまで理解力の枠外を飛び抜けた作品は初めてだったと思う。

著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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