ビッチマグネット

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1010
感想 : 195
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104580057

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む作家さん。癖強かったな~
    直接脳に語りかけられてるみたいな口語体で変な気持ちに。そのおかげかそれぞれの登場人物のイメージがつきやすかった。
    個人的には共感できないし、決して読みやすくはなかったけどなんかページをめくる手が止まらない、不思議な読書体験でした、、、

  • 読むたびに感情に対する解像度を上げてくれる舞城さん。本作も凄かったです。
    "ビッチマグネット"って、今なら"メンヘラホイホイ"になるのかなあと思いました。でも何となく、"ビッチマグネット"という響きのほうが可愛さと優しさを感じます。
    読みながら、みんな平等に病んでいるけれど、いかに自己愛にフォーカスしすぎず生きていくかが難しいのだと思いました。
    ビッチでいいじゃん、それが本質ならば仕方ないし、自分にできることも関わることができる他人も限られているし、とも思います。
    主人公は饒舌に語りながらも、彼女の主張はシンプルで好きでした。
    最後の『ファイトクラブ』パロディで、あれ?読み方を間違えていたかも…?と不安になったので、いつか読み返したいです。

  • 舞城王太郎の作品の中では大人しい方ではあるものの,根底から滲み出るバイオレンスと讃歌はいつも通りのようだ。されど生を謳歌,というのは私の好みだ。

    複雑な家族構成というのが本作のポイントで,ある種の処世術を教示しているとも取れる。「精神の成長と自立」とは,要は他者を他者と見做すという,一見自明の論理に気づくことではないだろうか。

    少し前の純文学に見られるような「愛と暴力」あとは取ってつけたような不条理は,ありきたりではある。本作はそれらのテーマに正面から当たりながらも,キャラクター造形はアップデートされており,現代の問題として処理できるものとなっている。なによりも「ビッチ」(bitch)という表現が良い。

    本作に不足しているのは,単純に言えば構成力だと思った。いわば関連性に薄い組曲と言った感じで,苦闘のなかの雄弁さと比べるともったいない。どうも長々と語らせようとすると失速する傾向にある。また,肝心なところで説明口調や自問にハマるのも難点か。

    全体として,普遍的な正しさを追求しようとする姿勢に収まるものと納得させた。偽善や虚飾に塗れた現代において,これは重要であろう。

  • 舞城さんの長編を読んだのは久々だったけど、なんだかすごくエネルギーを使った感じがする。笑
    今回はそこまでぶっ飛んだ内容ではないけど、ずっと香緒里の脳内を見ているようだった。自分でも心と身体がアンバランスで突拍子もない言動や行動をしてしまうことってあるよなー。それを突き詰めていくと、香緒里のような思考になるのかもとか思ったりもした。
    いや、しかし香緒里の弟(友徳)への愛情がすさまじいな。最初は引き気味だったけど、あかりちゃんから友徳を守るあたりは本当にかっこいいよ。そんでもって、あかりちゃん怖っ!!実際にこういう女っていそうだなと思えるからこそ余計に怖い。
    最後のお母さんが結婚を先延ばしにした理由もびっくりっていうか、本当にキモッ!!って感じで思わず笑ってしまった。
    舞城さんが家族愛を描くとこんな風になるのか、と妙に納得。

  • またしても暴力的でありながら圧倒的な熱量の家族愛。そこに散りばめられた分析された普遍的な人間の性質。舞城王太郎さんって人間にうんざりしながら人間のこと大好きなんだろうなあって思う。とても好きだ。

  • 姉弟それぞれの、特に姉の、自分の考えに対して突き詰めるように執拗でアンバランスなところに、何度か、以前の自分もこんな風だったかもなあと思った。ずうっと凄い勢いで色んなことを考えているような地の文が、疲れるような入り込むような共感するような、へんな感じ。自分のことを問答無用で思い出すよう仕向けられているようで、何となくモヤモヤしたりもしたけれど、この本自体は嫌いじゃない。独特のノリに飲まれてさくさく読めた。

  • 第142回芥川賞の候補作(獲ってほしかった!)。舞城氏の傑作だと思う。すばらしい。

  • 舞城王太郎、初めて読みました。
    超絶面白い。こんな小説を欲しておりました。
    女子高生と弟とその彼氏と彼女、
    母親と父親と不倫相手の女性。
    登場人物はこれだけだけど
    超絶面白い。
    何がどうとは語るのが難しいけれど
    再読・他の作品も必ず読みます。

  • 舞城王太郎はやはり好き。リアル口語がリアルスピードで飛び込んでくる。うんうん。あとなかなか納得できる言葉がところどころあってメモしたくなる。正論はソナー、発して周りの様子を探るとか。

  • 可もなく不可もなく。文章自体は読みやすいけど、そこまで頭に残らない。でもなんとなく尾を引く作家さんだなと思う。

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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