- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104596010
感想・レビュー・書評
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初めての伊坂幸太郎だったが、テンポがよく読みやすい。一緒になって謎解きにハマってしまった。
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「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
という台詞がでてくるが、伊坂さんの小説の書き方もこれに即していると思う。
深刻なことがユーモアに包まれて文章にされる。わたしは伊坂さんの文章のそこがすきだなー。 -
春が二階から落ちてきた。
冒頭で心惹かれた人は多いのではないだろうか。初めて読んでから十年経つが、あの時の感動は未だ色あせず覚えている。今でこそエンターテイナーとして多くの人に読まれている伊坂幸太郎の代表作とも云える今作は、当時私は一番好きだった。読了した時に改めて、春が二階から落ちてきた、とそれを読むと鳥肌が立った。とりつかれたように伊坂さんが好きになったきっかけでもある。
父と兄と、母がレイプされて生まれた弟の、ミステリを交えた家族の物語と聞くと重たいようなイメージを持つが、そこは伊坂幸太郎の筆で実に軽快にそれこそ春のように爽やかに描かれる。論じていることは重たい議題のはずが、兄の視線によって描かれるそこには何よりも信じられる家族の形がある。むしろこの家族を信じられるからこそ、ミステリとしての芯が薄くてもこの小説を味わえるのだと思う。
今ではあれもこれも名作と読まれる伊坂さんだが、魔王が出る前の初期の中では一番の傑作と云える作品だ。 -
久々に伊坂 幸太郎さんの本を読みました。
私の伊坂さんデビューは【オーデュボンの祈り】だったのですが・・・
この本は私には難解で・・・
伊坂さんの本は私には無理かも・・・と思っていました。
でも【重力ピエロ】はとても評判が良いのでチャレンジ。
今回は難解ではなかったけれど・・・☆☆☆でした。 -
映画は公開時に観ていた。
春の出生のエピソードが辛過ぎて読むのを躊躇っているうち、未読の伊坂幸太郎作品も少なくなって来たため、勇気を振り絞って手に取った。
傑作じゃん。
春のエピソードは辛いけれど。
黒澤や伊藤の登場は嬉しい。
ロバート・プラントは「天国への階段」を‘a song of hope’と紹介していたが、それにあやかって‘a story of hope’としたい。
映画も再鑑賞(まだ途中)。こちらも傑作であったことを改めて実感(中)。 -
伊坂作品ではこれが一番好きだなぁ。
特に入り方は最高だ。このワンフレーズは忘れないよ。
設定は特殊だけど、人物配置は見え見え。でもそれが作品を少しも損なっていない。帯にもあったけど、「小説ってまだまだいける」と信じられるよね。 -
すごくすごく良い家族だ。
面白くて素敵でスマートな小説でした。
とにかく登場人物の台詞や考え方がかっこよくて。全ての小さなエピソードの積み重ねが伏線としてあちこちに活きてて。そういう小さなエピソードが少しずつ本筋の謎を剥いでいく感じがいい。
「赤の他人が父親面するな」を初め、「この台詞は…!!」って読みながら思えるところが沢山あった。こう繋がるのかとワクワクしながら読めた。
これは短時間でバッと読んでこそだなと思う。
記憶が新鮮なうちに。驚きとともに。
気持ちが良い本だと思いました。
読後感じゃなくて、読中感?がいい。
他の本も早く読みたいなぁ…。 -
半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。
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見えるものにばっか気をとられてると、
ほんとに大事なものを見逃す。
目に見えるものが1番とは限らない。
見えないからこそわかることがある。
わかるから超越する。
「本当に深刻なことは
陽気に伝えるべきなんだよ。」 -
「春が2階から落ちてきた」頭にこびりついて離れない一節。悔しいなあ。