ホワイトラビット

著者 : 伊坂幸太郎
  • 新潮社 (2017年9月22日発売)
3.87
  • (90)
  • (189)
  • (119)
  • (7)
  • (4)
  • 1546人登録
  • 176レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104596072

作品紹介

楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです! 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。「白兎事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。

ホワイトラビットの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 『いや、面白かった〜』ともう一度
    最初から読み始める。
    きっとそれは、全く違う小説になっているはずだ。

    これこそ小説の醍醐味だと思う。
    小説が持つ可能性というフィールドを
    縦横無尽に軽やかにストーリーは駆け回る。
    それが心地いい。

    そして、語り口!
    (彼)に言わせると古い手法らしいが、
    その語り口は、独特のユーモアとリズムを
    この本に与えている。

    面白い小説を読んだという充実感がすごい。

  • 誘拐組織の一員だった兎田だが、なんと妻が誘拐されてしまう。身代金ならぬ身代人は組織の資金を持ち出した男。兎田は男を探しているうちに、仙台で籠城事件を引き起こしてしまう。妻は取り返せるのか。。。
    時間軸や場面が変わるものの、視点を変えているのでテンポ良く読める。犯罪者ばかりの登場人物の掛け合いも良かった。いつもながら、胡散臭い人間がなんとなく正論を言っているような気にさせるのがうまい。

  • 黒沢さん、やってくれたなあ、素敵だ。伊坂さんは、泥棒とか殺し屋とか素敵に書きますねえ。語りも絶妙。今回はよく考えていますね、パズルのよう。面白かったです。一回読んだ上で、もう一度楽しみたいな〜。
    それにしても、今後、夜空の星を見上げると、このお話を思い出してしまいそうだ。

  • 伊坂さんらしい、テンポの良いとても読みやすい一冊!
    ラッシュライフの映画を見て以来、脳内で黒澤さんを堺雅人さんで再生されてしまう。あの飄々としていながら愛嬌のある感じが私の中ではぴたりと重なる。
    そして、伊坂さんといえば物事が最終的に繋がる、伏線回収の匠!今回の作品も思わず「あっ!」っとなって何度もページを戻して読むことになりました。1日で読んでしまうとっても面白い一冊でした!

  • 最初から最後まで伊坂ワールドですな。
    登場する悪人がちょっとお茶目で抜けていて、一般人の方が訳ありだったりする。その匙加減が伊坂さんの作品の良いところだと思います。
    それに今回はト書きらしきもので物語の時間軸を動かしたり、説明を加えたりと面白い趣向になっています。これはこれで良いかもと思えます。
    仙台で発生した白兎事件。一般には知られていない籠城事件の一夜の物語をお楽しみください。だから英語のタイトルがa nightなのか。
    お勧めの本です。

  • 黒澤キターーーー!

    小説の中で作者がちょくちょく口を出すといういつもと違うパターンの進め方。

    それでも伊坂ワールドは全開で最後まで一気に読んで楽しめました。

    次回作、早く出ないかなー。

  • 黒澤が出ている作品には妙な安心感がある。なので今作もとても面白かった!最後まで読んでからもう一度読み直すと、気付かなかった伏線が鮮やかに浮き出て来て見事な手法だなぁと惚れ惚れする。
    レミゼラブルは映画でしか見たことないけど、この作品に散りばめられている言葉がとても魅力的だったのでぜひ読んでみたくなった。

  • <感想>
    伊坂幸太郎さんの最新作。
    本屋で見つけ、即購入、読了。
    「AX」に続く新刊発売、伊坂さんファンとしてはとても嬉しい。

    好きなキャラクターである「黒澤」登場作品、楽しく読めた。
    個人的にはちょい役の「今村」のキャラが好きだった。
    ヌケている、でもドコか憎めない、そしてなぜか本人は自信満々、その醸し出す雰囲気がたまらない(笑)

    今回の作品は、とにかく設定+プロット勝ちだったように思う。
    父親っぽいけど何となく不審な男は誰なのか?等、様々な謎を散りばめながら目まぐるしく展開される物語。
    読者騙しのオンパレード、終始ハラハラしながら読み進めた。
    大一番の仕掛けに全く気付かずに読み進めていったので、P182の一文に衝撃…
    しばらく理解が追いつかなかった。
    その後、続々と繋がってくるストーリー。
    あのとき呑気に思えた今村のセリフにそういった意味があったのか…と、後から分かる真実がまた面白かった。
    必ずもう一度読み返したくなる作品。

    読者に語りかけながら展開される形、伊坂作品にしては珍しかったように思う。
    勘の鈍い私は、「読者もお分かりのように…」の展開に2、3歩遅れで付いていくのが精一杯で、終始悔しい思いをしながら読んだ(笑)

    <印象に残った言葉>
    ・犬の名前が「センサー」だったと分かるのは、これも事件後だったが、とにかく、その時は犬の存在が私たちの前に立ちはだかっていた。(P51)

    ・まあ、そうですけど。もともと、俺が間違えちゃったことがきっかけですし。そのせいで、黒澤さんがこの家に。(P92、今村)

    ・「折尾さんのですか」春日部課長代理は紙を手渡ししてきた。その四つ折りの紙が何であるのかはすでに想像がつくだろう。あの断り書き、「黒澤の但し書き」だ。つまり、今それを落とした男は、読者が見抜いていたように、黒澤にほかならない。(P182)

    ・隣の家で、だ。(P209、黒澤)

    ・悲劇ね。非力を恨んでね。(P241、綿子)

    ・地上にあるものは罪からは逃れられない。罪をゼロにはできない、生きてれば誰だって罪がある、という意味かもしれない。罪のない人間なんてありえない。そうだ。だから、できるだけ罪を少なくするのを目標にしろ、と書いてあった。罪を犯したことなんてない、と言い切れる人間はむしろ、嘘だ。迷ったり、怠けたり、罪を犯してもいいが、正しい人になれ。司教がそう言う場面があるんだよ。(P257、黒澤)

    ・その名前に聞き覚えがあり、黒澤は顔を上げ、店員を見た。せっかく物語が終わるところなのだから、「兎田のことを待っているのか」くらいの声をかけてもいいように感じるが、もちろん彼はそんなことをせず、実際のところ、そうならなくとも幕はおりる。(P268)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    仙台で人質立てこもり事件が発生。SITが交渉を始めるが―。伊坂作品初心者から上級者まで、没頭度MAX!書き下ろしミステリー。

  • ★2017年10月15日読了『ホワイトラビット』伊坂幸太郎著 評価A

    AXとこの本を同じ日に続けて読んでしまったので、ちょっと頭の中が混乱(笑)
    この作品も伊坂らしい複雑な構成で描かれている。文庫本が出る頃になったら、もう一度丹念に確認しながら読まないと作者の意図した作品のおもしろさを堪能したことにはならないのかもしれません。

    伊坂お得意の仙台を舞台とした立てこもり事件を扱う。オリオン座とレ・ミゼラブルが巧みに物語の骨格となって描かれている。

    最後は比較的ハッピーエンドなので、良かったが、登場人物のキャラが立っていて、非常に読んでいて楽しい。これも映画化されそうだな。

    P221にこの物語を集約した一文がある。
    息子が人を殺した上に銃を持った男が家にやってきて、おまけに図々しい泥棒が首を突っ込んできたんだからな。盆と正月がいっぺんに来たようなものだ。


    (お気に入りの表現)
    P158 海よりも壮大な光景がある・それは、空だ。空よりも壮大な光景がある。それは人の魂の内部。人の心は海や空よりも壮大なんだ。その壮大な頭の中が経験する一生って、とてつもなく大きいと思わない?(宮城県警特殊捜査班夏ノ目課長の娘、愛華のセリフ)

    P159 深海よりも暗い光景がある。それは宇宙だ。宇宙より暗い光景がある。それは大事な人を亡くした者の魂の内部だ。

  • 「AX」から2ヶ月くらいしか経っていないのに、もう新作!
    伊坂幸太郎の新刊は、なんと“籠城ミステリー”。この段
    でもう胸がときめいちゃう人、やたら多い気がする(^^;)。

    伊坂幸太郎の籠城モノと言えば、「チルドレン」や「陽気
    なギャング」シリーズで何度か目撃したことがあるのだが、
    今回のは完全に一線を画す内容。籠城モノなのに登場人物
    はやたら多く、ともすれば話がこんがらがってしまいそう
    なのだけど、絶対にそういう展開に持って行かないのが
    伊坂幸太郎の凄いところ。終わってみれば全キャラが皆
    重要な役回りを最低一つは担っており、結果的に“無駄な
    人物”が一人も居ない。加えて、章全てに用意されたどん
    でん返しは感嘆に値するくらいレベルが高く、随所で爆笑
    しつつも唸る。奇跡のような作品だ・・・。

    そして嬉しいことに、今回のキーマンは「泥棒」と「探偵」
    の両極端を生業とするあの男。彼のキャラがここまで立つ
    のはかなり久しぶりで、それだけでもう嬉しい。さらに、
    「レ・ミゼラブル」にインスパイアされた狂言回し的な表
    現があまりに小憎らしい上に「あそこからこの話を思いつ
    くのか!」という天才ぶりも遺憾なく発揮されているのだ
    から、もう脱帽するしか無い。

    ユーモアに富んだジェットコースターミステリー。しかし
    このカッコ良さ。伊坂幸太郎のエッセンスが存分に詰まっ
    た作品、ぜひお試しを!

全176件中 1 - 10件を表示

ホワイトラビットのその他の作品

ホワイトラビット Kindle版 ホワイトラビット 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ホワイトラビットに関連する談話室の質問

ホワイトラビットを本棚に登録しているひと

ツイートする