ホワイトラビット

著者 :
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 2595
レビュー : 364
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104596072

感想・レビュー・書評

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  • 『いや、面白かった〜』ともう一度
    最初から読み始める。
    きっとそれは、全く違う小説になっているはずだ。

    これこそ小説の醍醐味だと思う。
    小説が持つ可能性というフィールドを
    縦横無尽に軽やかにストーリーは駆け回る。
    それが心地いい。

    そして、語り口!
    (彼)に言わせると古い手法らしいが、
    その語り口は、独特のユーモアとリズムを
    この本に与えている。

    面白い小説を読んだという充実感がすごい。

  • 黒沢さん、やってくれたなあ、素敵だ。伊坂さんは、泥棒とか殺し屋とか素敵に書きますねえ。語りも絶妙。今回はよく考えていますね、パズルのよう。面白かったです。一回読んだ上で、もう一度楽しみたいな〜。
    それにしても、今後、夜空の星を見上げると、このお話を思い出してしまいそうだ。

  • 黒澤が出ている作品には妙な安心感がある。なので今作もとても面白かった!最後まで読んでからもう一度読み直すと、気付かなかった伏線が鮮やかに浮き出て来て見事な手法だなぁと惚れ惚れする。
    レミゼラブルは映画でしか見たことないけど、この作品に散りばめられている言葉がとても魅力的だったのでぜひ読んでみたくなった。

  • 仕掛けが二つも3つもあり、そうだったのか!の連続だった。

    籠城事件、通称白兎事件

    ある親子の自宅に立てこもり犯が入っことから始まるこの事件。一つの事件だけかと思えば、自分の妻をさらわれた男、父親に暴力を振るわれる親子、大金を盗まれた犯罪グループ、たまたま入ってしまった空き巣グループ、妻と娘を事故で亡くした刑事、などありとあらゆる登場人物がこの事件には関わっていた
    鍵となるオリオン座を巡って事件が動く出す。

    登場人物の視点から文書が書かれたり、作者の視点が入ったり、今まで読んだことのない語り口調の入る作品だった
    伊坂節の最期の謎解きは、またやられた!っと思わされた。
    初めから出来上がったシナリオに載せているかと思いきや、別のシナリオに載せられている。
    面白かった!

  • 「AX」から2ヶ月くらいしか経っていないのに、もう新作!
    伊坂幸太郎の新刊は、なんと“籠城ミステリー”。この段
    でもう胸がときめいちゃう人、やたら多い気がする(^^;)。

    伊坂幸太郎の籠城モノと言えば、「チルドレン」や「陽気
    なギャング」シリーズで何度か目撃したことがあるのだが、
    今回のは完全に一線を画す内容。籠城モノなのに登場人物
    はやたら多く、ともすれば話がこんがらがってしまいそう
    なのだけど、絶対にそういう展開に持って行かないのが
    伊坂幸太郎の凄いところ。終わってみれば全キャラが皆
    重要な役回りを最低一つは担っており、結果的に“無駄な
    人物”が一人も居ない。加えて、章全てに用意されたどん
    でん返しは感嘆に値するくらいレベルが高く、随所で爆笑
    しつつも唸る。奇跡のような作品だ・・・。

    そして嬉しいことに、今回のキーマンは「泥棒」と「探偵」
    の両極端を生業とするあの男。彼のキャラがここまで立つ
    のはかなり久しぶりで、それだけでもう嬉しい。さらに、
    「レ・ミゼラブル」にインスパイアされた狂言回し的な表
    現があまりに小憎らしい上に「あそこからこの話を思いつ
    くのか!」という天才ぶりも遺憾なく発揮されているのだ
    から、もう脱帽するしか無い。

    ユーモアに富んだジェットコースターミステリー。しかし
    このカッコ良さ。伊坂幸太郎のエッセンスが存分に詰まっ
    た作品、ぜひお試しを!

  • 誘拐ビジネスグループの経理の女が組織の金を持ち逃げした。金の在処を知る男「オリオオリオ」を探すことになった兎田は立てこもり事件を起こすが…。
    個人的に大好きな探偵兼空き巣の黒澤が大活躍する回。すごい頭の回転。黒澤と兎田が話をするあたりから物語が激しく動き出す感じが気持ちよかった。レ・ミゼラブルとオリオン座の認知度の高さに作者の都合をほんのり感じた。今作では地の文に性格をずいぶん付けたなという印象。

  • 伊坂さんらしい、テンポの良いとても読みやすい一冊!
    ラッシュライフの映画を見て以来、脳内で黒澤さんを堺雅人さんで再生されてしまう。あの飄々としていながら愛嬌のある感じが私の中ではぴたりと重なる。
    そして、伊坂さんといえば物事が最終的に繋がる、伏線回収の匠!今回の作品も思わず「あっ!」っとなって何度もページを戻して読むことになりました。1日で読んでしまうとっても面白い一冊でした!

  • ★2017年10月15日読了『ホワイトラビット』伊坂幸太郎著 評価A

    AXとこの本を同じ日に続けて読んでしまったので、ちょっと頭の中が混乱(笑)
    この作品も伊坂らしい複雑な構成で描かれている。文庫本が出る頃になったら、もう一度丹念に確認しながら読まないと作者の意図した作品のおもしろさを堪能したことにはならないのかもしれません。

    伊坂お得意の仙台を舞台とした立てこもり事件を扱う。オリオン座とレ・ミゼラブルが巧みに物語の骨格となって描かれている。

    最後は比較的ハッピーエンドなので、良かったが、登場人物のキャラが立っていて、非常に読んでいて楽しい。これも映画化されそうだな。

    P221にこの物語を集約した一文がある。
    息子が人を殺した上に銃を持った男が家にやってきて、おまけに図々しい泥棒が首を突っ込んできたんだからな。盆と正月がいっぺんに来たようなものだ。


    (お気に入りの表現)
    P158 海よりも壮大な光景がある・それは、空だ。空よりも壮大な光景がある。それは人の魂の内部。人の心は海や空よりも壮大なんだ。その壮大な頭の中が経験する一生って、とてつもなく大きいと思わない?(宮城県警特殊捜査班夏ノ目課長の娘、愛華のセリフ)

    P159 深海よりも暗い光景がある。それは宇宙だ。宇宙より暗い光景がある。それは大事な人を亡くした者の魂の内部だ。

  • 作者の語りが入る、という新しい感覚。違和感は徐々に消え、事件にのめり込みました。こんなに入り組んだストーリーを考えつく伊坂氏に舌を巻きっぱなしです。一回で理解しきれなかった鈍い頭のおかげで、何度も読み返して楽しめそうです。短い間に新作二作も読めて、伊坂ファンとしては嬉しい限りです。

  • 最初の方にトリックについて堂々と宣言してあるにも関わらず・・・注意して読み進めたにも関わらず・・・最後で「やられた」という爽快感。これぞ推理小説の醍醐味という感じ。

著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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