7月24日通り

著者 :
  • 新潮社
3.25
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本棚登録 : 765
感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628032

感想・レビュー・書評

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  • 続きが気になり、あっというまに読んだ。
    主人公が住んでいる街をリスボンに見立て
    実際の店名や道の名などを変えて話が進んでいくのだが、
    現実に知る街がそうされているわけではないからか、
    読みにくいということがなかった。
    実際にありそうな話のなかで、ドキッとするうまい表現や言い当て妙な重なる気持ちが
    いくつも。

    ここまで読んだ吉田作品のなかで一番好きな一冊。

  • 始まりは、主人公の本田小百合がバス通勤するところから始まります。

    バス通勤の道を、「私の暮らす街とどこか似ている」ポルトガルのリスボンの地形に当てはめて、空想しているのですが、ここで読むのを止めるかどうかの山だなと感じました。

    最初は例えがよくわからなくて、読むのを止めました。
    2回目の挑戦でなんとか読み進められ、登場人物が頭に入ったあとは大丈夫でした。
    なので☆2つにしました。
    後半だけみれば☆3つです。

    導入も、実は物語の後半で活きてきます。

    私は本田小百合の考え方が「わかるな~」と思う方なのでおもしろく読めましたが、共感出来ない方もたくさんいるだろうな、と思いました。
    共感できないとしても、こんな考え方て人生生きてる人もいるんだな、と知ってもらえればいいなあ、と思います。

    進むのか?!とどまるのか?!どきどきする、ラストの3行が大好きです。

  • 作者の女性視点の小説、初めて。30代で無ければ書けない内容だと思う。その時期に読んでいれば、違う感想かもしれない。
    50過ぎて読むと、その時分が懐かしいばかりだった。

  • タイトルの日付にひかれて買いました。
    この作者の本は初めてだったので、どういう内容の本なのかやどういう文章であるのか全く知らない状態で読んだのですが、自分は面白く思えなかったです。
    主人公が住み慣れてつまらなくなった街に外国の名所とか通りの名前を付けて、つまらない日常が特別に感じるように心の中ではそういった名前で場所とかを考えている、というのがタイトルの意味なのですが、
    そのこと自体を可笑しいと思うわけではないのですが(可笑しいとは思ってるんですけど)、キャラ付けとしては単純に個人的に魅力に思わなかったので、面白く読めなかったです

  • 「7月24日通り」とはポルトガルのリスボンにある通り。
    美人でもなく、これといった取り柄もない、平凡な会社員の小百合は、地形が似ているからと自分が住む地方都市の港町をリスボンと重ねている。
    「ジェロニモス修道院前の停留所を出たバスは小さな丘をいくつか越えて市街地に入る。」などと。

    学生時代から憧れていた聡との再会、聡の元彼女で上司の妻である亜希子、全く似ていない超イケメンの弟、その弟に必死な彼女、本屋でポルトガルの本を見ていた男性のことなど10編の短編から日常が描かれている。

    美しく生まれ青春を謳歌できるほんの一握りの選ばれた人たち、地味で目立たない自分とは住む世界が違うとわかっていて惹きつけられながらも距離を置いていた小百合。
    世の中のほとんどの人は小百合のように感じ、生きてきたのではないだろうか。
    ラストの小百合の選択、願うようにドキドキして読んだ。
    良かった〜。

    中谷美紀、大沢たかお主演の映画も見たくなった。
    (図書館)

  • 痛いおんなが高校時代あこがれの彼とのこいをゆめみるはなし

    てゆうと綿矢りさぽいうざ心情描写かとおもいきや、分別のついたりせいてきな主人公でなんでやねん
    吉田修一のかく恋愛しょうせつはこんなかんじかなんか期待はずれもっとマーカーひきまくりの達観してるくせにみずみずしい感じとかかさかさかわいてるくせに沁みるかんじがあるかとおもったのにちぇ

    最後の息子で感じたあのたんたんとした惰性の心地よさをかんじたかったのになんかちがう
    吉田修一だからうきうきしておうちにかえったのになんかおもってたのとちがうー

  • 言葉ひとつひとつ
    行動ひとつひとつに
    なにか意味があるような
    そんな気にさせられる。
    小百合が見えそうで見えない。
    最後だけ見せられる姿にグッと来る。

    わたしは聡史ではなく
    画家も警備員さんが素敵だと思ったな~
     

    ▷間違えないようにと、じっと動かずにいるよりも、間違えて、泣いてもいいから、ここから動き出してみようと思った。

    ▷わたしたちはどんなことでも想像できる、
    なにも知らないことについては。

  • 自分の住む街を、ポルトガルの街に置き換えて暮らす主人公に強く共感してしまう。
    自分も似たところがある…。
    すべての色を奪い取ると見えた美しさ。
    それはとても大事なことを教えてくれているように感じた。
    雨がいいです。
    音楽を聴くみたいに何度も読み返したい。
    フェルナンド・ぺソアの作品を読んでみようと思った。

  • 間違いは何度でも

  • 妄想は大事だよね~。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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