さよなら渓谷

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1326
レビュー : 291
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628049

感想・レビュー・書評

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  • 20131118

  • べったりとはりついたミソジニー。
    その事件に関して、また彼女に関わる男たちへの憎しみは感じるが、それはおいておいて。
    歪んではいるし幸せではないのかもしれないが、確実な愛情がそこにはあったのだと思う。明るく未来のあるものではない、過去の忘れられない汚らしい恐怖に満ちた事件の共有、それを共有してくれる誰かに愛情を持つということはあるのではないか、そんなふうに感じる。良い小説だと感じたけれど、映像では見る気がしない。小説だから、ファンタジーと感じられるのだから。

  • 恋愛は他人にはわかりません

  • 決して消えることのない罪の意識と、逃れられない大きな傷を負った二人。幸せになどなってはいけない男の中に芽生える幸せへの葛藤が切ない。
    モヤモヤとして決して晴れない心理状態を、暑い夏の季節で描く描写がうまい。肌をつたう汗とその臭い、そしてまとわりつく衣服が、拭っても拭い切れない不快感をいつまでも感じさせる。
    この二人の心理が理解できる日がはたして自分にも来るのだろうか。

  • だいぶ前に読んでいたけど、忘れてしまったので再読。

    前に読んだ時に秋田の事件の直後だったのかな。

    現実的な感想は尾崎もかよこ(夏美)もバカだったとしかいいようがない。
    後悔しても過去の行いは取り消せない。
    最後に渡辺がした質問。
    そりゃ普通に考えれば事件を起こさなかった人生の方だよ。

  • 悪人を思い出しながら読んだ

    罪を背負いながら生きるもの
    平凡な人生を望みながら、人を愛して
    もがきながら生きている

    最後に、男と女の愛みたいなものを深く感じた

  • 現実に起きている事件と、その周囲でもう一つの過去の事件が描かれる。2つの事件は結びつかないが、いつの間にか主役が入れ替わっていることに気づかされる。
    だんだんと真相が見えてくるので、ある意味ものがたりとしては分かりやすい。しかし、事件の当事者同士の心情を理解することはなかなか難しい。確かに、事件によって行き場のない両者が社会からはじかれ続け、生きていくに難しい状況になると、それが引き合わされることもあるかもしれない。作中では俊介が全てを捨てて夏美に着いていくが、夏美は一緒にいる時点で許していたのではないかと感じた。むしろ愛していたかもしれない。そして許してしまう自分を許せなくて出て行く。
    悲しいし切ないしスッキリしない最後ではあるが、このあとに幸せがあるといいな、と思う。

  • 2013/8/22読了

  • 映画化されるので、本を読もうと思った。
    隣家で起こった幼児殺人事件がきっかけで暴かれた夫婦の秘密.
    徐々に本の中に入り込み読み終える。切ない気持ちになる。

  • 映画化された作品。最近NHKのニュースでも特集があったような。
    いろいろ悩みながら書いた痕跡が随所に見られる感じ。特にラストが。スッキリ終わるのがすべてではないけれども何だか中途半端感が否めない感じもした。全体的に平坦なのかなー。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第14回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。

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