キャンセルされた街の案内

著者 :
  • 新潮社
2.85
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本棚登録 : 426
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628056

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすいけどあまり残らない…断片的すぎる。新米社員くんが気になる先輩OLのお話と、午前二時に隣人男性が忍び込んでくるお話くらいしか記憶にないです。

    シングルマザーと怠惰な日々を過ごす青年が、その連れ子のお守りを惰性で続けるお話もなんだか暗かったなぁ。表題作も然り。

  • 短編集。

    たくさんいる人たちの、それぞれの生活を、過剰に色づけたりすることなく、短編のサイズに切りだして、そのまま「はいどうぞ」と出してきたような、ただただ共感したり、あるあると思ったりする、ただそれだけの。

    ただ、近くでよく見てみると、写真だと思っていたものが、細かい鉛筆の線で描かれていたものだと気づいて驚いたり、感動したりする。そういうものをちりばめて、それでもなお、「はいどうぞ」と、軽く投げてよこすような、そういう短編集だと思う。

  • 短編集。収録作品のなかで古いほうがわたし好み。1998年の表題作と最初に掲載されている2003年の「日々の春」が良かった。
    同じ作家の短編集の場合、えてしてテーマが違ってもテイストが同じ
    場合が多いのだが、彼の作品はそれぞれ味わいが違う。どんなに短い作品でもあなどれない雰囲気がある。文の力だろう。そこがいい。

  • 表題含んだ10編からの短編集。最初の「日々の春」を読み始めたときは、これこれって、ぞくぞくしたけれどそのあとは「大阪ほのか」以外正直物足りなかった。「日々の春」は、年上の今井さんと年下の立野くんの微妙な関係、やりとりが、絶妙に描かれていて、二人の気持ちの動きがとってもよく見えた。まるで二人のそばにいるように感じるくらい。

  • 短篇集はいろいろな味わいが楽しめるけれど、あっさり終わってしまう。その分どことなく素の吉田修一が感じられるように思う。自分としてはそれがうれしい。読み終わって鮮烈に残るわけではないけれど、読んでいる時間が至福の時です。この人にしか書けない表現がいきなり出てきてぐっとくる。好きだなぁ吉田修一。この本では表題作「キャンセルされた街の案内」が一番すき。現実の世界と作品内で主人公が書いている小説の話と思い出す子供の頃の話、軍艦島の話の交差する感じがすごくいい。自分が子供の頃に漠然と抱いていた不安な切ないような気持ちが思い起こされたりもした。なんでだか理由もなくいいな。やっぱファンなんだろうと思う。心に響く文章がいくつもあった。そのうちの1つ。         ※誰かをゆっくりと好きになれるのだろうか。誰かを好きになったことを ゆっくりと認めることはできるかもしれない。でも、ゆっくりと誰かを好きになることはやはり不可能なような気がする。         

  • 文学

  • 読みやすかった。

  • 短編集。
    東京、大阪、ソウル、そして記憶の中にしか存在しない街、なんでもない日常、人との微妙な距離感、生活感のあるもの等々、割といろいろなタイプの作品があるが、どれも結論はなく余韻を残す。

    タイトル「キャンセルされた街の案内」(1998年刊行) は軍艦島のこと。
    主人公は、少年時代、上陸が禁止されていた軍艦島を案内するバイトをしていた。
    今のように上陸用に補修もされていなかったであろう軍艦島の危険で不気味な様子が描かれている。
    かつての恋人の家に行っては、彼女が不在のままにその母親とご飯を食べたりする主人公の不思議な感覚。
    この話が一番面白かった。
    (図書館)

  • 他の方のレビューにあるように、吉田修一だから文章力はあるのに、残らない。なんとなく読み終えた。今、ほとんど思い出せない。

  • 日常に落ちる陰は出来事としてより感覚として記憶に残り蓄積されていく、その感じを味わわされる作品集だった。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。
その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。体当たりの演技を披露した広瀬すず出世作としても名を残すことになる。

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