- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104628056
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
街を題材にした短編集。盛り上がりはないものの人物描写が素晴らしいと感じた。
-
読みやすいけどあまり残らない…断片的すぎる。新米社員くんが気になる先輩OLのお話と、午前二時に隣人男性が忍び込んでくるお話くらいしか記憶にないです。
シングルマザーと怠惰な日々を過ごす青年が、その連れ子のお守りを惰性で続けるお話もなんだか暗かったなぁ。表題作も然り。 -
短編集。
たくさんいる人たちの、それぞれの生活を、過剰に色づけたりすることなく、短編のサイズに切りだして、そのまま「はいどうぞ」と出してきたような、ただただ共感したり、あるあると思ったりする、ただそれだけの。
ただ、近くでよく見てみると、写真だと思っていたものが、細かい鉛筆の線で描かれていたものだと気づいて驚いたり、感動したりする。そういうものをちりばめて、それでもなお、「はいどうぞ」と、軽く投げてよこすような、そういう短編集だと思う。 -
短編集。収録作品のなかで古いほうがわたし好み。1998年の表題作と最初に掲載されている2003年の「日々の春」が良かった。
同じ作家の短編集の場合、えてしてテーマが違ってもテイストが同じ
場合が多いのだが、彼の作品はそれぞれ味わいが違う。どんなに短い作品でもあなどれない雰囲気がある。文の力だろう。そこがいい。 -
表題含んだ10編からの短編集。最初の「日々の春」を読み始めたときは、これこれって、ぞくぞくしたけれどそのあとは「大阪ほのか」以外正直物足りなかった。「日々の春」は、年上の今井さんと年下の立野くんの微妙な関係、やりとりが、絶妙に描かれていて、二人の気持ちの動きがとってもよく見えた。まるで二人のそばにいるように感じるくらい。
-
短篇集はいろいろな味わいが楽しめるけれど、あっさり終わってしまう。その分どことなく素の吉田修一が感じられるように思う。自分としてはそれがうれしい。読み終わって鮮烈に残るわけではないけれど、読んでいる時間が至福の時です。この人にしか書けない表現がいきなり出てきてぐっとくる。好きだなぁ吉田修一。この本では表題作「キャンセルされた街の案内」が一番すき。現実の世界と作品内で主人公が書いている小説の話と思い出す子供の頃の話、軍艦島の話の交差する感じがすごくいい。自分が子供の頃に漠然と抱いていた不安な切ないような気持ちが思い起こされたりもした。なんでだか理由もなくいいな。やっぱファンなんだろうと思う。心に響く文章がいくつもあった。そのうちの1つ。 ※誰かをゆっくりと好きになれるのだろうか。誰かを好きになったことを ゆっくりと認めることはできるかもしれない。でも、ゆっくりと誰かを好きになることはやはり不可能なような気がする。
-
f.②2023/7/3
f.①2018/3/30
p.2009/9/1 -
短編集
読みやすい
やや物足りなさを感じるが、のんびりとした時間を過ごす時に良い
平成のスタイリッシュだった今では懐かしい恋愛感が味わえる -
短編集・凝った装丁~僕がクラス東京のワンルームに長崎でぼんやり過ごしている兄が来た。僕は勤めの傍らで小説を書いているのだが、長崎にいる頃は端島に渡る船の主に軍艦島のガイドをやるように勧められていたのだ~表題作のあらすじを書こうとしたが、ぱっとしない内容だなぁ。ほかは短くて、どこかですれ違った二人が違う思いを抱えていたって話が多かったような気がする